平成29年9月21日(木)13:35~14:25

 金融資産運用の分野において正しい知識を身に付け、自己責任で金融商品の選択を行ったり、知識の不足などによるトラブルを回避したりできるようになることを目的に、授業が実施されました。
 本時は、株式の基本知識をもとに会社四季報などを活用しながら疑似的な投資を行う授業です。

 株式投資は、価格変動のリスクを伴う金融商品であること、なるべく損失を抑えるためには公表されている様々なデータを比較検討して割安銘柄を探すことが好ましいことは、お金と賢く付き合うための金融リスクQ&A読本(p3)や教科書で確認済みです。比較検討すべきデータとして、下記のとおり説明がありました。

  • PER(Price Earnings Ratio):株価収益率
    ・・・1株当たりの利益に対し、株価が何倍まで買われているかを表したもの。一般的に10~15倍は割安度が高い銘柄と考えられる。
  • PBR(Price Book-Value Ratio):株価純資産倍率
    ・・・会社が解散した際の企業価値が分かる指標。一般的に1倍に近づくほど割安な銘柄と考えられる。
  • ROE(Return On Equity):自己資本利益率
    ・・・自己資本に対する当期純利益の割合。高く推移している企業は高成長を遂げていると考えられる。
  • ROA(Return On Asset):総資産利益率
    ・・・資本の利用によってどれだけ利益を上げることができたかを表すもの。数値が高いほど上手く資本が使われていると考えられる。


 まず、企業名を伏せて企業(「RIZAP グループ」「セリア」「JINS」)のデータが提示され、株価が大幅に上昇した期間、事業の特徴や内容、株価チャートなどの情報をもとに、企業名を予想するワークに取り組んでいきました。生徒達は以下のとおり各企業の特徴を捉えて、企業名を当てていきました。

 「結果にコミットする」というコピーで契約者が急増し、株価が4年間で29倍に。→RIZAP グループ
 おしゃれでカラフルな商品を多数取り揃えることで女性客からの指示を集めて急成長を遂げ、売上高・経常利益ともに大幅に拡大した結果、株価が8年間で106倍。→「セリア」
 格安メガネの「JINS」を展開。低価格だけでなく、品揃えやデザイン性なども充実させることで全世代からの支持を集め成長し、株価が4年間で156倍。→「ジェイアイエヌ」

 こうしたサービスや商品は、生徒たちの生活の中でもなじみ深いもので、ここ数年で拡大していることを実感できるものばかりでした。こうした日常の中で感じられる変化が、株式投資をする際に成長株を探し出す際のポイントになることが分かった様子でした。

 続いて、疑似的な投資体験を行っていきます。
 まず、会社四季報の凡例をもとに、投資先情報(会社概要、単元株、株価指標等)をどのように見ていけばよいのか確認しました。
 投資先情報の見方を確認した後は、一人10万円×班の人数を投資資金として疑似的な投資体験を行っていきます。具体的には、会社四季報に記載されている企業情報をもとに、投資先の候補を3社選び出したうえで、それらを班で比較して1社に絞り込んでいきます。
 先生からは、株主優待の内容や営業増益率ランキング、社会情勢なども判断材料とするよう、アドバイスがありました。各班で話し合うなか、投資したい企業と投資に使える金額が見合わず、結論が出ない班もあったため、一人10万円という投資資金の条件を外して検討してもよいこととしました。
 各班の検討結果は以下のとおりです。

各班の検討結果

投資先(企業名)投資(購入)額理由
1 任天堂 3,684,000円 新しいゲームが発表されているので、今後も 株価上昇が見込めるため。
2 ゲオHD 150,000円 任天堂は購入価格が高すぎるため、もう少し手頃な企業を選択した。自己資本比率が高いのも決めてのひとつになった。
3 任天堂 3,684,000円 新しいゲームがリリースされて、ニュースになっているから、購入額も大きいが、リターンも大きくなるのではと考えたため。
4 ハルヤマHD 99,580円 株価が安く、自己資本比率が高い。割安感があるので購入を決めた。

 今後、金融資産運用の授業が終了する11月まで、自分たちが購入した株がどのような値動きをしていくのかチェックしていくこととし、本時は終了となりました。

※ 本レポートは、授業内容の公表のみを目的としており、投資の勧誘または推奨を目的としたものではありません。投資についてはご自身の判断と責任でなされるようにお願いいたします。