令和元年9月18日(水)8:35~9:30

 持続可能な消費生活・環境の単元で、生涯を見通した生活における経済の管理や計画の重要性について考察すること、自立した消費者として生活情報を活用して適切な意思決定に基づいて行動すること、責任ある消費について考察し、工夫することができるようになることを目的とした授業が実施されました。

 1時間目のテーマは「お金の視点から将来を考える」です。
 「生活設計・マネープランゲーム」を活用し、将来の生活シミュレーションを通して、家計管理や生活設計の重要性を理解していきます。

 このゲームは、人生には様々な選択があることに気付くとともに、計画性を持って生活していく必要があることを体感するアクティブラーニング型の教材です。カードを引くことで、ライフイベント(就職、生活の仕方、結婚、子育て、住居の購入等)とそれに伴う費用や満足度(思い出ポイント)を決めていき、決めた内容をシートに記録しながら振り返りを行っていきます。4~5人1班で行うグループワークで、生徒たちが主体的に考え、話し合いながら進めていく教材となっています。

 班の中で係を決め、カードを並べ、マネープランシートの使い方を確認した後、先生からゲームを進めていく際に気をつけて欲しいこととして「収入と支出のバランスに気をつけること」、「思い出ポイントにも目を向けること」が伝えられ、ゲームが始まりました。
 就職をして自立した生活を始める20歳代の体験では、収入カードを引いて収入額を決めた後、税金や社会保険料などの非消費支出と併せて記録していきます。生徒たちは、給与全額を生活の中で自由に使うことはできないことを改めて実感している様子でした。
 次に、どのように生活していくかを決める基本生活支出カードを引き、収支を計算しましたが、この時点で収入額を超える支出となり、収支がマイナスになっている班がいくつかありました。
 その後、自動車の購入を決め、20歳代の収支と思い出ポイントを計算しました。計算を進めながら、20歳代の結果を踏まえて30歳代以降の生活について具体的に考え、話し合う様子も見られました。

 続いて30歳代の体験では、様々なライフイベント(結婚・子育て・住居の購入・自動車の購入・保険の選択・イベント&アクシデント)を経験しながら、それらに必要なお金について学んでいきます。
 まず、人生の三大資金等について進行スライドで確認しました。ここで先生から、「老後に必要なお金の一つの目安について最近ニュースになっていましたが、いくら必要と言われているか知っていますか」と質問がありましたが、答えられる生徒がいなかったため、スライドで具体的な試算額や試算の前提条件等を確認していきました。
 人生の三大資金と平均金額を確認した後、結婚カード、子育てカードを引き家族構成を決めていきました。非消費支出は、収入だけでなく家族構成によっても変わります。その点に気付き、別の家族構成の非消費支出と比較している班もありました。
 家族構成が決まった後は住居の購入について考えます。スライドと資料集p6,7でローンの仕組みについて確認しました。金利の違いによって返済総額が変わること、金利は金融機関によって異なるので比較検討することが大切であること、貸与型の奨学金もローンと同じように金利とあわせて将来返していくものであることが説明され、生徒たちは自分事として真剣に確認していました。
 続いてここまでの貯蓄額を確認したうえで、家族構成や今後の生活も考えながら、住居を購入するか賃貸にするか、購入する場合はどのような支払方法にするかを話し合って決めていきました。この時点で貯蓄額がマイナスの班は賃貸しか選択することができません。ここまでの生活を振り返り、「もう少し貯蓄ができていればよかったのに」という声も聞かれました。
 その後、自動車の購入、保険の加入について決めていきました(今回は全ての班が保険に加入)。「イベント&アクシデントカード」では、株価急騰や家族旅行が当たるなど嬉しいイベントが起きた班もあれば、病気や火事などのアクシデントに見舞われたものの保険で損失分をカバーできた班もあり、人生には不測の事態が起こる可能性があることや、リスクへの備えの必要性について理解することができました。

 30歳代までの収支と思い出ポイントの計算ができたところで時間となりました。
 次時は30歳代までの人生の振り返りを行った後、40歳代~60歳の人生の疑似体験をすることが伝えられ、授業は終了しました。