令和元年12月3日(火)14:25~15:15

 3時間目は、流通の仕組みを理解し、条件に合った商品を購入する方法について考える授業が実施されました。

 スライドにポテトチップスの画像が映し出され、「60gのポテトチップスを自分で作る場合、材料費はいくらかかると思うか」4択(①100円、②50円、③10円、④5円)から選ぶところから授業は始まりました。生徒は正解だと思うものにそれぞれ手を挙げていきましたが、正解は④5円とのことでした。自分で作ると5円程度で出来るポテトチップスがなぜ店舗等では120円前後で販売されているのか、その金額の差について本時で考えていくことが先生から伝えられました。

 ポテトチップスが消費者の手元に届くまでには、ジャガイモを作っている農家、ジャガイモを運ぶ運送業者、ポテトチップスを作る工場、工場から商品を店舗に届ける運送業者というように、商品が店舗に届くまでには多くの人の手を介していることを確認しました。
 商品を管理したり各所に運んだりするためには様々な人(企業など)を経由するため、それぞれに費用が発生すること、その費用を積み上げていくと、自分で作ると原価5円のポテトチップスが120円前後にまでなってしまうことが分かりました。
 先生からはあらためて、流通とは生産された商品が消費者に届くまでの流れのことで、具体的には「生産者→(運送業者)→卸売業者→(運送業者)→小売業者→消費者」の流れであることが説明されました。

 続いて、同じ商品でもコンビニエンスストアとスーパーで販売価格を比べると、コンビニエンスストアの方が一般的に高いことを例に、価格の違いが発生する理由を考えていきました。
 まず、商品の価格を抑えるためにどのような工夫を行うことができるか、生徒それぞれで考えていきました。「原材料を安いところから購入する」、「原材料から商品までひとつの会社で作る」、「スーパーで商品を作る」などの意見が出ました。
 先生からは、コンビニエンスストアはグループ全体で見ればスーパーと比べても仕入れ量が少ないわけではありませんが、店舗が点在していることや、店舗が小さいため多数の在庫を保管しておくスペースがないことから、配送回数が増えて、結果として配送コストがかかってしまうことがスーパーよりも販売価格が高くなることの理由の一つであると説明がありました。

 ここで、「プライベートブランド商品」と「POSレジシステム」についても確認をしていきました。
「プライベートブランド商品」とは、小売店や、小売店に商品を卸す卸売業者など、本来自ら商品を企画・生産しない業態が独自のブランドをつけて販売している商品のことです。販売価格を自由に決めることができて、消費者のニーズに合った商品を展開しやすいなどの特徴があること、生産や流通などで商品を安くするための工夫がされていることが説明されました。
 「POSレジシステム」とは、在庫管理を合理化するための仕組みのことで、多くのコンビニエンスストアで採用されています。「いつ、何が、何個、いくらで」売れたかというデータが正確に分かり、「顧客の性別」や「年代」など様々な要素を組み合わせることで、より詳細な販売データを作成することができます。そのデータによって、売れる商品を中心に仕入れることができるため、結果的に在庫を減らせることが説明されました。

 中身が同じ商品でも、製造や流通方法の違いから価格が変わることを踏まえ、収集した情報をもとに商品を比較すること、本当に必要なものかどうかなどを考えることの大切さが伝えられ、授業は終了しました。