京都府立洛水高等学校 授業のねらい

授業のねらい

 本校は平成25年度に京都府教育委員会より「普通科における京都式キャリア教育開発指定校」の指定を受け、平成26年度からは「京都府総合教育センター指定研究連携校」の指定をいただいている。
  世界が激変する時代を生きる生徒に対するキャリア教育は、狭義の職業教育の範疇を越え、生徒個々のバックボーンを確かなものにする必要があり、いかなる困難にも耐えうるレジリエンスと、しなやかで柔軟な思考力・行動力を育てなければならない。本校ではいわば「町内会長を任せられる人物」、職業人としてはもちろん地域社会で信頼され、生涯を通じて能動的に生きられる人物を育成することを目標にプログラムを組んでいる。
 キャリア教育の目的として、個々の生徒が精神的に、社会的に、経済的に自立できるようにすることがある。まさに、生徒が自活できるためには「金融・経済」についてのリテラシーを身につけなければならないのである。  
 本授業は、生徒個々が自己のライフステージを想定し、そのライフプランや資金計画について考え、ローンやクレジット等の具体的な仕組みを学ぶことを通して「金融」を身近なものとしてとらえる契機とすることをめざす。

教材を活用した授業の実際

 今年度「金融・経済」を学ぶに当たって、昨年度の7月に銀行で「Professional Interview」(職場インタビューと見学)を行った生徒約30名、12月に「Internship」を行った生徒約20名が、それぞれの成果について学年で発表を行い、その内容を学年として共有した。また、1月に三菱東京UFJ銀行京都支店副支店長を講師に招き、「ライフプランとお金のかかわり」をテーマとした講演で銀行の業務、クレジット、ローン、ライフステージにおける資金の必要な時期等について学んだ。併せて、現代社会と家庭基礎の授業においても経済や消費生活についての学習を行った。これらの内容の復習となる授業として1時間、全国銀行協会の「ライフステージで学ぶ銀行」、本校作成のリーフレット「ライフステージとお金」等を用いて行ったあと、全国銀行協会の「生活設計・マネープランゲーム」を使用して、資金計画を身近なものとする。続く時間では生涯年収を想定し、実際に得られる収入を考えさせ「ローン&クレジットのABC」を用いて、お金とその運用についての理解を図る。さらに発表やアンケートを通じて理解した内容の検証と定着を図る。