1時間目:9月30日(水)実施/2時間目:10月7日(水)実施

京都市立栗陵中学校レポート1・2時間目

 社会科公民的分野で、「くらしと経済」について学ぶ授業が実施されました。

 1,2時間目授業は、消費生活が多種多様に変化していることを知り、消費生活を営む単位「家計」の収入と支出、家計と社会の経済活動との結びつきについて考え理解を深めることが目的です。

 1時間目は、教科書p122の「消費の種類」の確認から授業はスタートしました。
 私たちは、多くのものを消費しながら生活をしており、消費するものの中で、目に見えるもの、形があるものが「財」、コンサートや医療など、人が手助けしてくれる目に見えない無形のものが「サービス」ということが分かりました。
 日常生活で使う全ての形がある財を「消費財」といい、そのうち自動車や電器製品などのように長期にわたり使うことができるものは「耐久消費財」といいます。

 これらのことを踏まえ、教科書で示された写真8点を財とサービスに分類してみました。
 ①旅行 ②衣料品 ③レストランでの食事 ④スポーツの観戦 ⑤パソコン ⑥携帯電話 
 ⑦音楽のダウンロード ⑧通話料金
 財:②、⑤、⑥  サービス:①、③、④、⑦、⑧

 次に、先ほど確認した財やサービスに関連した生産・流通・消費のしくみ全体を「経済」ということが先生から伝えられ、経済のしくみの中で人々がどのように行動しているのか考え、ワークシートに書くよう指示がありました。生徒はそれぞれ日々の生活を振り返り考えていきました。
 何人かに発表してもらい、人々は経済というしくみの中で人々が必要とするものやサービスを考え、開発・生産し、それらを販売(提供)する対価として賃金を得て、消費者としてものやサービスを購入(消費)していること、また、これらの循環で経済活動が成り立っていることが見えてきました。

 最後に、一人ひとりの日々の消費行動が経済活動に影響を与えていることを理解して欲しいということが先生から伝えられ、授業は終了しました。

 2時間目は、個人や家族として消費生活を営む単位である家計の収入と支出について考えていきました。
 
 はじめに、現代の家計の中で支出が増えている費目は何かを考えていきました。
 教科書のグラフを確認してみると、1975年と2009年の比較では、「交通・通信費」、「税金・社会保険料」が増加していることが分かります。携帯電話の普及と、消費税や介護保険料の導入が大きな要因であることは生徒たちもすぐに分かったようでした。
 2017年4月1日から消費税が10%に引き上げられる予定であることや、マイナンバー制度と軽減税率を組み合わせたしくみの導入が検討されていることなど、日々目や耳にしている情報も生かしながら、生徒たちは支出が増加している費目について話し合ったり、先生に質問したりする様子がありました。

 続いて、収入と支出について確認をしました。
 収入(所得)には、「勤労所得」、「個人業主所得(事業所得)」、「財産所得」、「移転所得」の4つの種類があります。また支出には、実支出といわれる「消費支出」と「非消費支出」、「貯蓄」があります。
 
 先生は収入と支出のバランスについて、図をもとに説明をしていきました。
 収入と支出のバランスが崩れ、支出が収入を上回った状態を赤字と言います。そして、お金が足りないときに、住宅や自動車など金額が大きなものを購入しようとする場合には、お金を借りるという選択肢があり、次はお金を借りることについて考えていきました。

 教科書P130を確認し、銀行でお金を借りる場合には担保が必要で、借りたお金を返す際には、利息という利用料を合わせて返さないといけないことが分かりました。また、主に個人向けの少額のお金を貸し出す消費者金融では、担保がなくてもお金を借りることはできるが、銀行で借りる場合よりも利息が高く設定されていることも分かりました。
 ここで、お金を借りる場合の利息と、お金を預けた場合の利息を計算してみることにしました。
 
問題1 消費者金融で年利18%、50万円を借りるとどうなるか?
  500,000円×0.18=90,000円  月々だと 90,000円÷12ヶ月=7,500円 これが1ヶ月分の利息

問題2 銀行に年利0.01%、50万円を預けるとどうなるか?
  500,000円×0.0001=50円  月々だと 50円÷12ヶ月=約4.2円 これが1ヶ月分の利息

 お金を貸し出すときの利息と、お金を預けたときの利息の差額が銀行の利益になること、銀行がないと、お金が必要なときに借りることができず、個人だけでなく企業も資金調達ができず困った状態になることが先生から伝えられました。

 ここまでの内容を振り返り、銀行の役割を考え発表してもらいました。
 「銀行の役割は、集めたお金を必要な人に貸し出し、利息分が増えて返ってきたお金で預けてくれた人に利息をつけて戻したり、新たに貸し出したりしてお金を循環させている」という発表がありました。
 このしくみを「金融」と言い、金融機関のしくみや役割については12月の授業でより詳しく学んでいくことが先生から伝えられ授業は終了となりました。