11月19日(木)実施

京都市立栗陵中学校レポート4時間目

 4時間目は、3時間目に実施した「生活設計・マネープランゲーム」の結果を振り返り、班で気づいたことや考えたことを発表し、そこから安心して生活するために必要な制度とは何かを考える授業です。

 各班に前時に記入した生活設計・マネープランシートが配布され、家族構成、貯蓄額と思い出ポイント、理想の人生になったかどうかとその理由を話し合うよう先生から指示が出されました。
 班ごとにまとめた結果を発表してもらいました。

職業 結婚 年収 子ども 貯蓄 思い出ポイント
1 会社員 する/一人働く 700万円 3人 -4000万円 12
2 ショップ店員 する/共働き 750万円 2人 -1900万円 18
3 獣医師 する/共働き 750万円 2人 -500万円 17
4 警察官 する/一人働く 500万円 1人 -2400万円 24
5 プロスポーツ選手 する/一人働く 500万円 1人 -1200万円 16
6 パティシエ する/共働き 750万円 2人 -1600万円 14

 全ての班が結婚し、子どもがいて、住居はローンを活用して購入したため30歳代が終わった時点で貯蓄額はマイナス、思い出ポイントは10~30の間という結果でした。同じような結果でも、理想の人生になったという班とそうではないという班に分かれました。
 しかし理想の人生になったかならなかったに関わらず、「したいことを全てしたら、お金が足りなくなる」、「収入が多くても、それ以上に支出してしまったらバランスが取れなくなる」、「今のことだけでなく、これからのことも考えてお金を使わないといけない」というように、生活設計やマネープランの大切さに気づくことができていました。

 続いて先生から、「貯蓄額がマイナスにならないようにするために、もし我慢するとしたら何を我慢しますか」という質問がありました。
 生徒からは、「食費」、「家(豪華ではなく標準にする)」、「自動車」、「光熱費」などが挙がりました。一方で保険に入るかどうかや、子どもの人数について生徒たちは、「保険には入るべき」、「子育てにお金がかかっても、子どもは希望の人数を産んで育てたい」という回答がでました。

 ここで先生から、「それでは、みんなが安心して生活してくためには、社会にどんな制度が必要だと思いますか」という質問がありました。
 生徒からは、「学費などが免除される制度」や、「子どもに対してのサービスや割引など」という発表がありました。子どもへのサポートについては、資料集P2,3非消費支出一覧を使って、改めて子どもの人数によっても税金の金額が違うことを確認し、既に収入と家族構成に関する制度があるということを確認しました。
 また、ローンを活用して住居を購入した場合には住宅控除という制度があるが、この制度を知らず活用できていない人も多いという現状が先生から伝えられました。
 このように、様々な支援や制度で使われるお金が、自分たちが払っている税金であることに生徒たちは今までの授業から気づくことができていました。さらに、国民全体から集めた税金を様々な支援や制度に活用していくことを「所得の再分配」ということが先生から伝えられました。
 
 所得の再分配の方法や制度を決めているのは国(国会議員など)であるということ、その議員を決めるのは選挙であるということ、来年7月の選挙から選挙権は18歳以上になり、後3年もすれば自分たちが選挙で投票し議員を決める立場になるということを、先生は生徒とのやり取りの中で伝えていきました。

 自分の生活を考えることは、国の制度を考えたり、その制度を決める議員を選ぶことを考えたりすることにもつながるということが、実感を持って理解することのできた授業となりました。