11月6日(水)実施

 2時間目は、「お金を使うということを考えてみよう」の授業が実施されました。 

 はじめに、佐倉東高校に実際に届いている求人票をもとに、3社の求人票を比較しました。 
・A社(調理)・・・基本給16万円、勤務日数23日/月、年間休日数84日 
・B社(調理)・・・基本給14万円、勤務日数21日/月、年間休日数128日 
・C社(事務職)・・・基本給15万円、勤務日数20.3日/月、年間休日数121日 

 A社は、基本給は比較的高額ですが、通勤手当に上限があり、育児休業や介護休暇がなく、特に女性の場合、出産したら仕事を辞めなければならない可能性が高いと考えられます。B社は、食事手当、住宅手当、社会保険、通勤手当(上限無し)が整備されており、育児休業や介護休暇もあり、年間休日数もA社に比べて多いことがわかります。初任給が14万円と低いですが、昇給がある可能性もあります。C社は、通勤手当に上限がなく、補足事項欄に直営の保養所や駅からの送迎バス、社員食堂、体育館やプール・テニスコート、社内の診療所、クラブ活動があると記載されていました。 
 このように基本給だけでなく、休暇制度など、社内の各種制度がどの程度整っているのかにも注意して求人票を見ることの重要性が、大嶋先生より伝えられました。給料が良いからといって、必ずしも良い会社というわけではないということがわかりました。 

 次に、知ろう!学ぼう!お金の使い方p6に載っている、「新規学卒者の初任給(平成20年度)」を確認しました。高卒(専門学校卒も含む)の全体平均が157,700円、高専・短大卒の全体平均が169,700円、大卒の全体平均が198,700円と、大卒の給料が高いことが分かりました。だからといって誰でも大学に行く必要があるのかというと一概にそうとは言えないこと、高卒で就職し4年間働けば、給料が少しずつ上がる事が多く、4年後には大卒の初任給と同じくらいになるかもしれないということが伝えられました。 
 就職して、ひと月にどのくらいの収入があるのかイメージがつかめたところで、収入と支出のバランスを考える活動に移りました。配布されたワークシートは、ひと月の収入総額と支出総額を計算できるようになっています。   
 消費支出(食費、光熱水道費、国民年金保険料など)の平均額が記載されており、この表を用いて、実際に収入と支出を計算していきます。収入については、ある会社の給与明細を例に、支給額合計の191,335円と表に記載しました。この金額には、各種手当が含まれています。これをどう使っていくのか、各支出についても考えていきます。各自それぞれの支出について表に記入していきました。一般的な金額は下記になります。 

食費30,000円
家具家事用品費3,000円
交通通信費30,000円
光熱水道費7,000円
保険医療費4,000円
その他20,000円
住居費38,000円
被服履物費30,000円
教養娯楽費20,000円
合計182,000円

 ここで、前時に学習した非消費支出(所得税、国民年金、厚生年金、健康保険、雇用保険)が30,000円ぐらい天引きされることを考えると、なんと収支がマイナスになってしまいました。そのため、支出が収入を超えないようにするには、どこかの支出を削らなければなりません。お小遣い感覚で収入を考えると、実際に生活をしてみたときに、想像以上にお金がかかってしまうことを実感できたようです。  今回のシミュレーションを踏まえ、「社会人になるとは」ということと併せて「どういう職業に就きたいか」ということを考えるヒントにしてほしいということが、大嶋先生から伝えられました。 一人暮らしではなく実家暮らしで働いてお金を貯める、寮がついている会社に就職するなど、自分がどのようにお金を使いたいか、ということも考えて就職先を選んでいくことが大切になるということです。  最後に、シミュレーションの結果をもとに感想をまとめ、授業は終了となりました。生徒からは、「意外に貯金にまわせないことがわかった」「一人暮らしは金銭的に厳しい」といった感想が挙がっていました。