11月15日(金)実施

千葉県立佐倉東高等学校 講師派遣

 職業生活と自己実現の授業の一環として、講師派遣授業が実施されました。  
 講師は、千葉銀行広報CSR部の齋藤副調査役です。

 授業のはじめに、本時はお金を借りることについて具体的な事例をもとに理解を深めていく授業になることが伝えられました。

 はじめに、20代~30代の単身勤労者の収入と支出、平均貯蓄金額や貯蓄の目的、主なライフイベントで必要になるお金について確認をしていきました。前時の生活設計・マネープランゲームの中で、ライフイベントで必要になった金額を思いだしながら、生徒たちは講師の話を真剣に聞いていました。

 続いて、お金を借りる方法としての、ローンとクレジットについて学んでいきました。 
 3,000万円の住宅を購入する場合で考えていきました。まずはローンを活用した場合です。頭金をいくら貯めてからローンを活用するのかで、総支払額に大きな差が出ること、現金で購入しようとする場合、毎月10万円貯めたとしても約25年もかかってしまうことなどが分かりました。

 ローンは、お金を借りて、あとから少しずつ返済する約束であること、返済する際には、利息分を多く返済するということを理解したうえで、自分のライフプラン等にあわせて、有効に活用して欲しいということが伝えられました。

 クレジットについては、クレジットカードを見たことのある生徒が半数近くいるということもあり、生徒にとって興味のある内容のようでした。  
 クレジットとは、利用者・加盟店・クレジット会社の三者間契約であること、サインをしてお金を払わずに物やサービスを購入できるのは、クレジット会社が加盟店に立替払いをし、後から利用者がクレジット会社に支払をする仕組みであるということが、講師の説明から分かりました。  
 支払方法の説明では、メリット・デメリットを理解したうえで、いくつかある支払方法の中から賢く選んで活用して欲しいということが伝えられました。

 次に調理国際科は、卒業後自分のお店を持ちたいと考えている生徒もいるということで、開業をする際には、どのようにして資金を準備したらよいのかを学んでいきました。  
 ある調査では、開業費用は平均して1,162万円必要とされています。必要となる資金は、金融機関からの借り入れや自己資金などで準備されています。その他にも、資金の使途、担保や保証など、開業や運営にはお金の準備以外にもやらなければいけないことが多いということが分かりました。  
 また金融機関は「決算書」から、その会社の「収益性」「成長性」などを見ているという説明もありました。

 個人の場合、会社の場合に分けてお金を借りることについて理解を深めた後、借りたお金を返すことについても考えていきました。  
 返済計画が現実的でない場合、返済が滞ってしまい、返済するために新たにお金を借りるという悪循環になってしまい、最終的には多重債務になってしまう可能性があることが説明されました。多重債務の原因は様々ありますが、まずは無計画な借り入れをしないことが大切であることが講師から伝えられました。また、多重債務を予防するための「総量規制」という規制があることも分かりました。多重債務を予防し消費者を保護する仕組みとして、「個人信用情報機関」があることも伝えられ、個人の信用情報は銀行やクレジット会社などで交換、記録されているということでした。ローン等の返済や支払が滞ったなどの情報は一般に5年程度は登録され、ローンやクレジットの利用が難しくなる場合があることがわかりました。   
 さらに、生徒たちに身近なものとして、携帯電話の端末料金の分割払いが滞った場合も登録の対象になることが伝えられました。

 最後に、毎日のようにニュースで報じられる振り込め詐欺についても説明がありました。 

 質疑応答では、「クレジット会社は、お金を立替払いしているだけで、どのようにして利益を上げているのですか?」という質問がありました。 
 「カード会社は、加盟店から手数料をもらって利益をあげています。加盟店は、利用者にとって便利なカードが利用できることによって、集客や売り上げを伸ばすことができるので、その利益から手数料を払っています。」という回答でした。 

 お金を借りるということ、自分のまわりでどのようにお金が動いているのかなど、具体的な事例を通して理解することができた講師派遣授業となりました。