11月13日(月)10:50~11:40、11:40~12:40(同内容を複数クラスで実施)

 総合的な学習の時間のキャリア設計の授業として、全銀協のどこでも出張講座を利用して「生活設計・マネープランゲーム(50分版)」を実施しました。20歳代~30歳代の人生の疑似体験を通して、社会に出た後のお金とのかかわり方について学んでいきました。
 このゲームは、人生には様々な選択があることに気付くとともに、計画性を持って生活をしていく必要があることを体感するアクティブラーニング型の教材です。カードを引くことで、人生のさまざまなできごと(就職、生活の仕方、結婚、子育て、住宅購入等)とそれに伴う費用や満足度(思い出ポイント)を決めていき、決めた内容をシートに記録しながら振り返りを行っていきます。4~5人班で行うグループワークで、生徒たちが主体的に考え、話し合いながら進めていく教材となっています。

 はじめに講師から、このゲームは5~6人の班ごとに一人の人生を体験していくことなどが伝えられました。
 次に資料集p10,11キャリアカード一覧で、さまざまな職業について確認しました。高校や大学を卒業した後は、これらの職業に就くなどして自立していきます。今回のゲームでは、全ての班が会社員となる設定で20歳代~30歳代の人生体験をしていくこととしました。

 はじめに収入カードを引いて収入を決めました。講師から、今決めた収入はそのまま受け取れるわけではなく、税金や社会保険料などの「非消費支出」が引かれた残りが手元に入ってくることについて説明があり、資料集p2~3(非消費支出一覧)から、収入に応じた非消費支出を見つけてマネープランシートに記入しました。
 次に、基本生活支出カードを引いて生活にかかるお金を決めた後、自動車を購入するかどうか決め、20歳代の貯蓄額と思い出ポイントをまとめました。

 30歳代では、さまざまなライフイベント(結婚・子育て・住居の購入・自動車の購入・保健・イベント&アクシデント)とそれらにかかる費用についてシミュレーションしていきます。
 資料集p4~5(人生の三大資金と結婚資金)で、一般的に人生の中で多くのお金を使う出来事と平均費用を確認しました。生徒はそれぞれの金額の大きさに驚いていましたが、中でも教育費の具体的な金額を聞いて、自分の成長に多くの費用がかかっていることを理解したようでした。
 続いて、結婚カード、子育てカードを引いて家族構成を決めた後、30歳代の非消費支出を資料集から見つけ、マネープランシートに記入していきました。
 家族構成とここまでの貯蓄額が決まったら、住居の購入について考えていきます。
 ここで、大きな買い物をする際に活用する「ローン」の仕組みについて講師から説明がありました。ローンとは後からお金を返す約束をして銀行などの金融機関からお金を借りることで、例えば住居などの高額なものを購入する際、一括で購入できるだけの貯蓄額がなくても、ローンを活用することで目的のものを手に入れることができます。ただし、借りたお金には利息が発生するので、借りたお金より多くの金額を返さないといけないことに注意しなければいけません。ローンの仕組みを理解したうえで、住居の購入について班で話し合って決めていきました。
 なお、ゲームのルール上、この時点で貯蓄額がマイナスの班は「賃貸」しか選択できません。貯蓄額がマイナスの班は、ここまでの人生を振り返り、収入に見合った支出をしていくことの大切さについて話し合う姿が見られました。
 続いて、あらためて自動車購入を決めた後、保険の加入について検討していきました。保険に加入することで、この後に引く「イベント&アクシデントカード」のうちのいくつかのアクシデント支出は補填できます。各班、今後の人生のことを考えながら、保険に加入するか話し合いました。
 続いてイベント&アクシデントカードを引き、宝くじや家族旅行に当たるなどの良いことも起きれば、火事や事故などの悪いことも起きる可能性があることも体験していきました。
 30歳代のイベントを一通り体験したところで、貯蓄額と思い出ポイントを集計し、これまでの人生を振り返って「人生のタイトル」を班で考え、板書して共有していきました。

 一番貯蓄額が多かった班(2,390万円)が考えた「人生のタイトル」は「No Money , No Life」でした。収入に見合った堅実な生活をし、30歳代の住居は賃貸を選択することで、貯蓄に重点を置いた人生になりました(思い出ポイントは5)。
 貯蓄額が一番少なかった班(-3,800万円)が考えた「人生のタイトル」は「High Quality of Life」でした。20歳代の収入と支出のバランスは取れていましたが、住居の選択で豪華な一戸建てを購入したため、30歳代の終了時点では貯蓄額がマイナスとなりました(思い出ポイントは19)。

 最後に講師から、ゲームの中では何度でも人生をやり直すことができるが、実際の人生はやり直しがきかないこと、一つ一つの選択とその結果に責任を持って生きていかないといけないことを理解し、これからの人生に今日の授業の気づきを役立てて欲しい旨が伝えられ、授業は終了となりました。