11月7日(月)実施

浜松市立庄内中学校レポート2時間目

 2時間目は、多くの人にとってこれからの人生の中で必要となる場面が出てくるローンと、暮らしを便利にしてくれるクレジットについて、そのメリットやデメリットを理解し、社会における「信用」と「計画」の大切さを理解する授業が実施されました。

 野末先生から、「これは先生の家なんだけど、、、」と輸入住宅の写真が出てきました。
 「この家を買うとしたら、いくらくらいすると思う?」の質問に、「5,000万円くらい」「もっとするよね。」と生徒たちは考えを口々にします。先生から「何と8,000万円です」という答えを聞き生徒たちはとても驚きました。「実を言うと、この家を買いたかったんだけどね、、、。一般的に家を買うというと3,000万円くらいが相場です。」とのこと。 
 「では、3,000万円の家はどうやって購入しますか?」の質問に、前時の生活設計・マネープランゲームの授業が活かされ、「ローンを組む」「一括で購入」とすぐに答えが返ってきました。
 ここで野末先生から問題が出されました。「3,000万円の家を一括で購入したい。毎月10万円ずつ貯めるとして、何年で購入できるでしょうか?」生徒は一斉に計算を始めます。「20歳から貯金を始めたとすると、50歳くらいにならないと、家が購入できないね。」という先生からの解答に、生徒は「だからローンを組む」と、ローンのメリットをしっかり理解しているようです。そして、ローンの種類や金利の違いについても意見がよく出ます。
 また「フリーローンの金利は、他のローンよりも金利が高いのはなぜでしょう?」の問いには「何に使うか分からない、返済してもらえるかどうか心配なので、金利を高くしている。」という声があがりました。

 次に、頭金(借りる額)、金利の違いによって、支払総額がどれくらい違うかシミュレーションをしてみます。 
 全銀協がホームページ上で提供する住宅ローン返済シミュレーションを使って、3,000万円の家を、頭金500万円として、30年で返済する場合の金利2%と5%の返済額を比べていきます。「お金を借りる」ということにあまり実感がもてない生徒たちでしたが、「金利を上乗せして返す」ということを意識して「お金を借りることの大変さ」が理解できたようです。 

 ここで先生から「銀行は誰にでもお金を貸してくれるの?」という問いかけがありました。 「フリーローンのところでも、信用できるかどうかが大事って出てきたね。」と野末先生。「信用できる、とはどんな人のことだろうか?」と考えた生徒たちからは、「公務員」「収入が安定している人」「意外と誰でも」「本当に困っている人」などの声があがりました。 
 生徒用教材11ページを使いながら、先生がお金を借りるときの信用には、一般的に言われる約束を守る、嘘をつかないなどのほかに、「必ず返済ができるという支払能力」や「収入がなくなった場合でも支払を担保できる資産を持っている」ことなども含まれることを説明しました。

 本時ではさらに、クレジットのメリット・デメリットについても学んでいきました。 クレジットカードでの買い物の仕組みを理解することで、ローンと同じように利用者はクレジット会社から「お金を借りている」ということに気が付き、クレジットも「信用」が必要なことを理解しました。 
 クレジットのメリット・デメリットを確認して行く中で、野末先生から「多重債務」についての説明もありました。

 生徒たちは、生活を豊かにするためにお金を借りる場合があること、お金を借りるには信用が必要であること、金利などローンの仕組みをきちんと理解して利用する必要があることを学ぶことができたようでした。