11月10日(木)実施

浜松市立庄内中学校レポート3時間目

 3時間目は、より現実的な生活設計をシミュレーションしていく「1ヶ月10万円生活」です。 
 授業の導入で、野末先生は「ローンを組む時の注意点」「頭金・金利・返済期間の関係」「クレジットのメリット・デメリット」など、前時の授業の振り返りを行いました。

 ひととおり確認が終わったところで野末先生が取り出したのは、現金10万円。生徒から一斉に「おー」「本物?」などの声があがりました。なぜ先生が10万円を持ってきたのか。今日の授業のテーマは「1ヶ月10万円生活」です。浜松のハローワークによると、浜松市内の中卒就職者の手取り収入は10.2万円。中学校3年生が進学をせず、このまま就職して一人暮らしをすることを想定した生活設計を考えていきます。

 まずは、一人暮らしをしていくうえでどのような費目にお金がかかるのか考えます。 
 家賃・光熱費・食費・通信費とどんどん出てきました。また交通費については、18歳未満なので車はNG、毎月2,000円かかるレンタサイクルか徒歩と野末先生が条件を出します。 生徒用教材6ページの消費支出を参考にしながら、費目が出揃ったところで、各自10万円をどのように使い分けていくか、考えながらホワイトボードに書き込んでいきます。

 先生の予想をあっさり裏切り、生徒たちはまず「貯蓄」の金額から書き始めます。 
 過去何年かの実践から、通信費(携帯電話)など自分に身近な金額(費目)から書き込みをしていくと思っていた先生を驚かせました。 
 前時までの授業内容を自分のものとし、本当に必要なものかどうか、自分が望む生活をしていくために何にいくら使うのかを、真剣に考えています。 
 生徒の中には、貯蓄する金額を多くしすぎてしまって、食費や保険医療費が少なくなってしまう子もいましたが、先生からのアドバイスや生徒同士の意見交換によって軌道修正していく様子も見られました。  

 最後は生活班になり、個人の意見を持ち寄り班ごとの1ヶ月10万円生活を発表していきました。 
 普段あまり考えていなかった通信費(携帯電話)や家賃などの生活に必要なお金を、10万円でやりくりすることでしっかり意識し、生活設計の大切さがわかったようです。

 「決められた収入の中で、どこにいくらかけるのかを考えて生活設計していくことが大事です。次時は今日の経験も踏まえ、今まで学んできた内容の総復習ということで、もう一度生活設計・マネープランゲームを行います。」と先生からお話がありました。

 「今度こそ、思ったとおりの人生にしたい。」「結婚して、子どももいて、思い出もたくさん貯めたい。」など、意欲的な声が聞こえてきました。