11月11日(金)実施

浜松市立庄内中学校レポート4時間目

 4時間目は、振り返り授業としての「生活設計・マネープランゲーム」です。 
 ゲームに入る前に、野末先生から前時の授業の感想として、1ヶ月10万円生活の授業を何年か実施してきたけれど、貯蓄のことを意識し実際に貯蓄できたのは初めてだったこと、今回取り組んできた授業内容が、それぞれの知識となって役立っていることに感心しているというお話がありました。 
 そして、今日のまとめの授業でも前時以上に今まで学んだ内容を発揮して、よりよい生活設計ができるようにしていきましょうという話があって、ゲームをスタートしました。

 今回のゲームは、授業全体の振り返りということで、全てのカードを各班で選択・判断・決定していきます。 20歳代では収入と基本生活支出を決めていきます。1時間目の失敗を思い出しながら、収入よりも基本生活支出 が少なくなるようにカードを選んで、収入と支出のバランスをとろうと考える班が多数ありました。

 30歳代の選択では、家や車の購入、結婚や子どもについてそれぞれの意見がぶつかり合い、なかなか班としての意見が決まらない場面もありました。「少子高齢化なんだから、子どもはいた方がいいと思う」「結婚せず子どもがいない人生はつまらなかった」という意見や反省から、全ての班が結婚を選択しました。

 イベント&アクシデントカードは裏にしたカードから引くため選ぶことはできません。 
 その前の保険に入るかどうかを選ぶ場面では、意外にも二手に分かれました。保険に入らない班はアクシデントに対応できる貯蓄ができているということのようです。保険に入らない班に限って家が火事になるなど保険でカバーできる災難がふりかかります。

 30歳代でひととおりの選択が終了したところで、銀行員カードを使って収入か支出の変更をしてもよいことが先生から伝えられましたが、どの班も途中変更することなく人生を進めました。 
 ゲームをすっかり自分たちのものにした生徒たちは、40歳代、50歳代とどんどん人生を進めていき、 あっという間に60歳の定年を迎えました。裏返したカードを引いた結果、退職金がなかった班は1つだけで、他の班は無事退職金をもらってゲームを終了することができました。

 各班の感想を見てみると、今回のゲームで、自分の将来をより身近に考えられるようになったことがよく分かります。

  • 収入が多ければ、家や車も買えるし、結婚もできて子どもも多く持てるので、仕事がかなり忙しいかもしれないけれど、思い出もたくさん貯めることができてよい人生にできると思う。
  • 今回は自分の人生に置き換えて無難な人生になるようにカードを選んだ。退職金がもらえなかったりアクシデントが多くて辛かったけれど、最終的には8,400万円の貯蓄と38ポイントの思い出があったので、よい人生だったと思います。
  • 収入がどんなに多くても、生活における支出の仕方や思いがけないアクシデントによっては、ゆとりある生活をできないこともあると分かりました。お金の使い方は難しいけれど、よりよい生活ができるように効率よく使うことが大切だと思いました。お金だけでなく、それに伴ってたくさんの思い出を作ることも必要だと思うので、賢くお金を使って思い出いっぱいの充実した生活を送ることができるようにしたいです。
  • 今回は自分たちでカードを選ぶことができたので、貯蓄額も多めになりました。収入と基本生活カードを普通にしたので、多少現実味がわきました。思い出ポイントが少なかったり、アクシデントが起きたりとマイナスなこともあったけれど、最終的には収支がプラスになったのでよかったです。このくらいの生活ができたらいいなと思いました。
  • 収入と支出を選ぶことができたので、前回とは違う考え方でゲームができたと思います。私達の班は、収入は一番多く、支出は一番少ないカードを選んで人生設計をしたので、収支合計はプラスになったけど、他のカードを選んだ班もみんなプラスになっていたので、しっかり考えてやっていけばプラスになるということが分かりました。
  • 支出があるときには、自分の収入や未来のことを考えてから支出をしなければいけないと思った。人生の様々な思い出には、支出が絶対ついてくることが分かった。自分が生活をするときには、生活設計をしっかりと立てて、お金のトラブルが起きないようにしたい。

 収入と支出のバランスや、人生の充実度や満足度などについて、2回のゲームと授業をとおして生徒一人一人がしっかりと考えることができるようになっていることがはっきりと分かる授業となりました。