12月8日(木)実施

千葉市立蘇我中学校レポート1時間目

 社会科歴史的分野の明治維新の単元で、貨幣の意味や価値、銀行の役割について学ぶ授業が行われました。

 1時間目は、これまでに歴史の授業で学習した「貨幣」を通して、①貨幣の意味や価値について考える、②信用される貨幣とはどのようなものかについて考える授業です。

 はじめに、前時の振り返りを行いました。
 文明開化で日本人の生活がどのように変化したのか確認しました。
 〇かご→人力車 〇おでん→牛鍋 〇ちょんまげ→散切り 〇瓦→煉瓦 〇着物→洋服
そのほかにガスの普及などもあり、文化や生活が大きく変化したことが分かりました。
 次に大型画面に、いくつかのお金が映し出されました。「ドル紙幣」、「ユーロ硬貨」、「日本の昔の紙幣・貨幣」です。国や時代によって紙幣や硬貨に違いがあります。日本でも江戸から明治に変わる中で、変化したものの一つとして、お金がありました。そこで、明治政府はなぜ、統一的な貨幣を作ったのかを考えていくことにしました。

 まず、班に分かれて「お金の歴史」について考えていきます。
 9つの班に分かれた後、9種類の硬貨・紙幣がプリントされたカードが配られ、班で話し合って、①年代の古い順に並べる、②並べたものを4つの時代(最も古いグループ、古いグループ、江戸時代、明治時代)に区分していきました。
 硬貨や紙幣に描かれている文字や図柄を頼りに、話し合いを進めていきました。これまでの歴史の授業の振り返りにもなったようです。
 意見がまとまったところで、班長に挙手してもらい、年代順を確認しました。4つのグループ分けの正解は、最も古いグループが2つ、次に古いグループが1つ、江戸時代が3つ、明治以降が3つでした。

 「お金の歴史」を確認したところで、「お金の役割」について考えてみました。
 普段の生活の中で、どのようにお金を使っているかという先生の問いに、生徒から「生きるために使う」、「物と交換している」という回答がありました。ここで、あなたと銀行のかかわりp18でお金の3つの役割、「交換の手段」、「価値の尺度」、「価値の保存」を確認していきました。生徒はお金の役割を改めて認識することで、「お金の必要性」についても気づき始めたようです。
 ここで、お金の役割の1つである「価値の尺度」について、さらに掘り下げて、「お金の価値」はどのように決まるかについて考えていきました。
 金貨や銀貨、銅貨であれば、含まれる金属の価値をそのままお金の価値と考えることができますが、紙幣はどうでしょう。なぜ紙に価値があるのか。生徒たちは考え始めました。生徒からは「その当時、紙そのものが高価なものだったから」や、「藩札は、藩主という偉い人が作ったから」という意見が出ました。先生から、「ただの紙に価値がある理由は、その紙幣に記載されている金額分の価値があると誰もが思っている(信用している)から」ということ、並べ替えのワークに出てきた銅貨(銅銭)は、銅の含有量の他に、日本よりも文明がはるかに進んでいた中国で製造されたという理由で価値があったということが説明されました。

 続いて、「お金の信用」についても考えてみました。
 どのようなお金であれば、信用を得ることができるのか、思いついたアイデアをポストイットに書いて、班に1枚配布されたプリントにどんどん貼っていくよう先生から指示が出されました。
 それぞれのアイデアを持ち寄って班の代表意見を1つ選び、先生に提出しました。これらは次時に発表することになりました。

 最後に、明治政府はなぜ統一的な貨幣を作ったのかについて、日本は「五箇条のご誓文」が示されてから外国との関わりを盛んにしていったことを踏まえて考えていきました。
 生徒からは、
 ・外国から、まとまりのある1つの国として認められるため
 ・外国との貿易をスムーズに進めるため
 など、いろいろな理由が挙げられました。
 先生からは、明治政府は、経済の発展と軍事の強化によって近代的な国家を目指す具体的な取り組みのひとつとして、貨幣の統一を行ったことが伝えられました。

 日々使っているお金の役割とは何か、紙幣がどのような理由で信用されお金として使われているのか、文明開化の授業の中で、「お金」の基本について考えることができた授業となりました。