川崎市立菅生中学校 先生・生徒の感想

生徒の感想

自分の収入に見合った支出を考えないといけないと思った。
お金も大切だけれど、自分が満足いく生活ができるようにもしたい。

お金を借りる場面は必ずあると思うので、借りる場合は自分が返すことのできる範囲で借りなければいけない。今のことだけでなく今後のことも考えて、お金を貯めていくようにしたい。

計画的にお金を使い、困った時に使えるように貯めておく。収入と支出のバランスが大切。生活できなければ意味がないので、必要なお金以外は貯め、自分の収入を考えて返せる範囲でローンを活用する。

先生の感想

◇片岡義和先生
 単元構成を考えるうえで、通常1時間程度で終わってしまう内容を3~4時間かけて行うので、単元テーマをしっかり設定していかなければならないと感じました。時間がある程度あるので、あれもこれも(たとえば、銀行と日本の経済との連動性とか、個人のマネープランなど…)と詰め込みがちになるのですが、そうしてしまうと単元のテーマがぶれてしまい伝えたいことが明確にならなくなってしまうので、今回は「金融の仕組み」という大きな枠で捉えられるように授業を構成しました。
 「金融の仕組み」の授業では、『銀行はどうやって利益を生み出しているのか』という普段生活しているとなかなか想像できない部分(いわゆる間接金融の部分)を、より丁寧に説明し授業を進めていきました。模擬紙幣を使っての札勘体験も、生徒は楽しんで取り組んでいました。

 マネープランゲームについては、もう少し簡略化しても良いのかなと感じました。1コマ(50分)で完結させるには、カードの量や作業の量が少し多いような気がしました。ゲームを体験し、本時の振り返りをすることが重要だと思いますので、その時間をしっかり確保するのであるならば、30分くらいで完結できるゲームのほうがよいのかなと感じました。
 生徒たちは、単元を通して楽しそうに学習をしていたと思います。『もう一度、マネープランゲームをやりたい!』という声もたくさん聞こえてきました。

 今回は「経済」の単元で金融教育を実践しましたが、公民の学習の導入として学習することも可能かな、と感じました。

◇古頭一哉先生
 それぞれの生徒用教材は、内容が大変豊富で充実していましたが、限られた授業の中で生かしていくにはその情報量が過多である気がします。特に中学生にとっては将来の自分の生活を考える意味やその重要性は認識しながら、なかなかすぐに浸透しにくい内容もあり、指導者側で噛み砕いて指導の工夫をしていく必要を感じました。マンガで比較的分かりやすく説明されているので、うまく使いながら授業を組んでいくことは可能だと思います。

 生活設計・マネープランゲームにも当初は難しいという印象を持っていましたが、指導者も同時にゲームを展開していき、必要な説明を加えながら進めていくとスムースに流れていきました。イベント&アクシデントカードを引く時が最も盛り上がったようです。授業は3年生向けにつくっていきましたが、ゲームをうまく用いれば、1年生から進めていく金融教育の可能性はあるのかもしれません。指導者側も数クラスで授業を展開し、慣れてくれば何を伝え何を省くのかが理解できるようになりました。
 ただし50分の授業時間だと、生徒が感想やまとめを書いて発表するというところまで充実させるには少し短い気がします。

 なかなか社会科の時間の中では十分な時間が割けない金融教育ですが、生徒からは楽しかった、面白かった、またやりたいという声が多く寄せられました。将来の人生設計において、何かしらの 契機になったことと思います。