浜松市立高台中学校レポート 先生・生徒の感想

生徒の感想

【生活設計・マネープランゲームの感想】

  • 生活設計・マネープランゲームを通して、働いて稼いだお金が全て自分のものにはならないということが分かった。税金や社会保険料など差し引かれる金額が多いと思った。子育てや家の購入にもお金がかかるので、自分が大人になったときに困らないよう、お金の使い方をしっかり考えたいと思った。
  • 家を購入し、家族を養って幸せに暮らしていくのは、たくさんのお金がかかるということが分かりました。そして、お金を稼ぐことは大変だと思いました。楽しく学ぶことができて良かったです。
  • 私は、この生活設計・マネープランゲームという楽しい授業の中で、たくさんのことを学ぶことができたと思います。なぜなら、お金の使い方を学べる機会がないからです。将来、車や家を買う時に困らないようにするにはどうすべきかを考えることができたと思います。

【授業全体を通した感想】

  • 銀行は、お金を預けたり引き出したりする場所だと思っていました。それ以外にもいろいろな仕事をしていることを知ることができて良かったです。
  • 自分がどんなふうに銀行と関わっているのかを学ぶことができた。銀行はお金を預かってくれる場所だと思っていたけれど、お金に余裕のある人から必要としている人へお金の橋渡しをしていると知ることができた。私たちの預金も誰かの役に立っているということを知ることができた。また、銀行がお金を貸し出すときには、必ず返してくれる相手かどうかきちんと調べてから貸し出すかどうか決めていると知り、安心してお金を銀行に預けることができると思った。
  • 全体を振り返ってみると、銀行と私たちは関わっていることがたくさんあるということを知りました。また、銀行からお金を借りている人は、たくさんお金を持っている人が銀行に預けたお金から借りて、返済していることも知りました。銀行のことを知ることができて嬉しかったです。

先生の感想

 今回、金融経済教育の実践対象は3年生でした。1年後には高校生になる生徒もいれば、働いている生徒もいる本校では、将来、自立した生活を送るという意識はまだ低かったです。しかし、実際に今使っているお金を手掛かりに授業を進めていくことで、生活や社会に関わる知識や物事を具体的に把握することができたように思います。さらに、将来の自分の姿を思い描くことによって、経済をより身近なものとして考え、工夫してより良い人生を歩もうとする姿が見られ、自立に向けた一歩が踏み出せたように思います。
 また、授業公開で使用した「生活設計・マネープランゲーム」は生徒の思考力を高め、それぞれの班から、「結婚について考えるべきだった」・「子どもの数が多いと思い出ポイントは貯まるけどお金が貯まらないからもう少し考えるべきだった」などの結婚に対する理想と現実のギャップに驚く発言や、「アクシデントがいつあるかわからないから保険に入るべき」といったいざという時に必要になる保険の大切さなどを学ぶことができ、楽しく学べて大好評でした。将来の生活を疑似的に体験することで、イメージが膨らみ、より具体的に将来の目標と生活設計を関連づけて考えることができたようです。中学校卒業後は地元の高校に進学する生徒がほとんどですが、最後まで地元にいる生徒は少ないようです。いつか来る一人での生活、または結婚生活における期待を持ち授業に臨んだ生徒が多かった一方で、授業後には自分の将来に不安を持つ生徒もいました。生徒たちは今回の授業を通して、実際に生活をすることは消費をすることであり、生きることにはとてもお金がかかるということを具体的にイメージできたと思います。生活をするということはとてもお金がかかるので、今のうちからしっかりお金を管理する賢い消費者になる事が大切だと考えておいてほしいと願っています。
 金融経済教育のもう一つの題材「銀行」では、大好きなアーティストにお金が届くまでの道のりについて考えました。自分の好きなアーティストを思い浮かべながらお金の流れには銀行が深く関わっていること、また日本銀行がどのような役割を果たしているか考えました。そもそも「金融」という言葉になじみがない生徒たちは、銀行がどうやってお金を得ているのか考えさせても「銀行は預金者のお金を給料にしている」と言った答えしか返ってきませんでした。それほどなじみがない銀行の役割についてテキストを使用しながら行うことで、銀行がお金を融通する仕組みについて主体的に考えることができました。
 また、研究授業後の単元で、日本で唯一の発券銀行でもある日本銀行の偽造防止の技術や、お金の持つ意味を考えさせる映像を用いたことで、生徒の中で今まで結びつかなかった銀行と自分たちの生活が結びつき、とても楽しそうに学習をしていました。