7時間目:11月2日(金)実施/8時間目:11月5日(月)実施/9時間目:11月9日(金)実施●教材:ローン&クレジットのABC

香川県立高松商業高等学校レポート7.8.9時間目

 金融経済教育の7時間目は「金利」についての授業、8時間目は「返済」についての授業、9時間目は「多重債務・個人信用情報機関」についての授業が実施されました。

 7時間目授業では、お金を借りたら利息を支払わなければいけないこと、利息は元金×金利×借入期間で計算されることが説明され、生徒は、ローン&クレジットのABCp24~27で調べながら、金利についてまとめていきました。

 内容をまとめながら、インターネット上で金利計算をして実際の利息を計算している生徒もいました。 商業科ビジネス基礎の授業では、金利は、年利率や利率と表現されていること、金利と利息は混同されやすいが、金利は「(年利率の場合)1年後に借りたお金に上乗せして返済しなければならないパーセンテージ」、利息は「1年後に借りたお金に上乗せして返済しなければならない金額」であることを赤澤先生が板書していきます。英語表記してみると、その違いが分かりやすくなりました。 利率=interest rate 利息=interest 
 また、月利・年利それぞれ必要に応じて利率を揃えて計算する必要性があることも伝えられました。

 8時間目授業では、お金を借りる場合には、きちんと返していけるのか計画を立てて考える必要があることから、返済方法にはいくつか種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあることを理解していきました。

 ローン&クレジットのABCp28~31には、分割返済の種類である元金均等返済と元利均等返済の説明や、リボルビング返済の説明など、生徒たちが初めて目にする内容もありました。それぞれの返済方法を確認していくなかで、「利息の支払いだけを続けても、元金の返済をしなければ返済は終わらない」という仕組みが理解できたようでした。  
 

生徒の感想

  • よく考えると利息ばかりの返済に追われて、元金の返済がおろそかになってしまう可能性があるということに気付いた。返済方法にはいくつか種類がありどれも難しいけれど、知っておく必要があると思うので、正しく理解しておこうと思った。
  • よくリボ払いのCMを見ますが、今回テキストを確認してリボ払いの仕組みが理解できました。リボ払い以外の返済方法のメリットやデメリットも知ることができたので、今後の生活に生かしていきたいと思った。
  • もし自分がお金を借りるとしたら、返済の方法まで考えて借りるようにしたいと思いました。大人になってもローンやクレジットカードを利用するときなどには、自分がどれだけのお金を持っているか、預金がどれだけあるか考えて、買い物をしていくように心がけていきたいです。

 お金を借りてから返済するまでの流れ、自分がローンやクレジットを活用する場合にはどうしていったらよいのか、生徒たちはここまでの授業で考え、理解することができました。

 9時間目授業では、多重債務と個人信用情報機関について学びました。  
 借りたお金を期限までに返済できなかった場合、どのような状況になってしまうのかローン&クレジットのABCp32~35を調べて理解をしていきます。

 多重債務とは、借金返済などのために複数の業者から借りたお金の返済が困難な状況に陥っていることであり、多重債務に陥った原因として、生活苦・低所得のため、借金の返済のための借金が上位にあげられるということが分かりました。 
 また、債務整理の一つの方法として「自己破産」があること、多重債務を防ぐ取組みとして、平成22年6月に施行された貸金業法で「総量規制」が規定されたことも確認しました。

 併せて、多重債務の発生を防ぐために「個人信用情報機関」があり、銀行やクレジット会社などは互いに顧客のローンやクレジットの利用状況について情報を共有していることについても確認をしました。

生徒の感想

  • 多重債務になると、社会生活をするうえでマイナスになることしか起きないので、そうなる前に相談するなどして、一人で勝手に決めないで計画的に進めていきたい。ローンは将来活用することになると思うので、学んだことを頭に入れておいて考えるようにしたい。
  • 個人信用情報機関という機関があるということは知らなかった。また、これらの機関があることで、多重債務などを防げるということに驚いた。確かに利用者のことを知っていれば未然に防ぐことができると思った。今までの知識を生活の中で生かし、きちんとクレジットカードを使いこなせる大人になりたい。
  • 銀行やクレジット会社が個人情報を把握しているのは、私たちのためでもあったのだと知りました。いつも人に監視されているんだということを心に留めて、金融機関などを利用しようと思います。

 ローン&クレジットのABCを活用した授業は本時で終了となり、次時からは銀行見学に備え、ライフステージで学ぶ銀行を活用した授業になることが赤澤先生から伝えられ、授業は終了となりました。

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