11月17日(月)実施

埼玉県立所沢商業高校レポート1時間目

 生徒にとって「金融」とは身近なものであるということを座学や体験を通して理解を深める5時間授業の1時間目が実施されました。

 はじめに先生から、それぞれの進路について確認がありました。
 進学が6名、就職が1名ということで、学費や初任給から卒業後のお金との関わり方を考えていくことが伝えられ、授業が始まりました。

 進学をする生徒は、入学前に支払う費用や年間の学費の合計が100万円以上すること、就職をする生徒は、初任給が手取りで13万円程度ではないかなど、これからかかる費用や手にする収入について発表しました。
 ここで先生から、「定年退職が60歳として、20〜60歳までにいくら稼ぐことができると思いますか」という質問がありました。生徒たちは一斉に電卓をはじき、計算をし始めました。「1億円くらいかな」という予想が出てきました。「いい線いってますね」ということで、11月13日に政府から発表された「賃金構造基本統計調査」一覧を使って確認していくことにしました。先生オリジナルの「生涯賃金シミュレーションツール」を使うと、初任給を入力しただけで60歳の定年までにいくら稼ぐことができるのか金額を確認することができます。正社員で約1億5,000万円、非正規社員(アルバイト)の時給900円で計算すると約5,700万円です。1年生の進路指導の時から、正社員として働くことの大切さを先生方が伝えてきたのは、生涯賃金でこれだけ差が出るということを踏まえてのことだったことが説明されました。

 働き方による生涯賃金が分かったところで、次にお金を稼いだらどのような生活をしていきたいかを考えました。
 「少しずつ使って、貯金をすることも考える」、「車を買いたい」、「一軒家を購入できたらいいと思う」など、稼いだお金を使ってどのように生活していきたいか、ある程度のイメージを生徒たちは持っているようでした。
 「お金を貯める場合には、どうやって貯めますか」の質問には、「銀行」とすぐに答えがあがり、7人中4人の生徒がすでに自分の銀行口座を持っていました。銀行口座をどのようにして作ったか、なぜその銀行に口座を作ることにしたのかを発表してもらった後、「ライフステージで学ぶ銀行」が配布され、銀行口座を持っていると、どのようなことができるのかを確認していきました。
「ライフステージで学ぶ銀行」p8では、自動受取りや自動支払いなど、為替業務について理解していきました。
また、「ライフステージで学ぶ銀行」p3チャレンジ口座開設では、銀行で本人確認書類として利用できるものを考えました。
 預金については、お財布代わりとして便利な普通預金(流動性預金)と定期預金(定期性預金)があることを、「ライフステージで学ぶ銀行」p4で確認したところで時間となりました。

 次時は、これからの人生を疑似体験できる「生活設計・マネープランゲーム」を実施することが伝えられ、授業は終了となりました。