11月28日(金)実施

埼玉県立所沢商業高校レポート5時間目

5時間目は、ローンとクレジットについてです。

 「ローン&クレジットのABC」 p7 図B-4 貯蓄とローン(クレジット)と収入・支出の関係を見ながら、以前に簿記の授業で習った考え方で言うと「貯蓄は資産」、「ローン・クレジットは負債」であることを確認しました。ローンやクレジットは、将来の収入を見込んで先に支出を確定することになるので、より計画的に行うことの必要性が理解できました。
 
 前時に行った「生活設計・マネープランゲーム」の体験の中では、住居を購入する際にローンを活用する場面が出てきました。ここで、ローンについて詳しく確認していきました。「ローン&クレジットのABC」 p8 C-1ローンとはを読み、ローンとは銀行などからお金を借りて、後から少しずつ返済する約束のことだということが分かりました。
 「ローン&クレジットのABC」 p8 C-2ローンの役割で、頭金について確認した後、ローンの種類も確認しました。代表的なローンには、住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、フリーローンがありますが、ローンを利用する際には銀行やクレジット会社による「審査」を受ける必要があることも分かりました。
 ここで先生から、「奨学金の説明会の際にも話をしましたが、携帯電話の支払いはクレジットカードと同じ仕組みになっており、支払遅延があると個人信用情報機関にその情報が登録され、以降のローンやクレジットの利用が難しくなってしまう」ということが伝えられました。

 続けて、ローンの返済方法について確認をしていきました。
 先生から「30歳で35年の住宅ローンを組んだとします。定年が60歳だとすると、返済期間のうち5年間は収入が減ってしまいローンの支払いが難しくなると思いませんか。そうならないように、どうしたらいいと思いますか。」という質問がありました。生徒たちは、どう対処したらよいか考えますが、なかなか答えが見つかりません。先生から「繰上げ返済」という方法があることが伝えられ、「ローン&クレジットのABC 」p30 図H-2元金均等返済と元利均等返済の違い(イメージ)を使いながら、考えていきました。繰上げ返済をする場合、元金と利息、どちらに返済を充てる方がよいのかを考えることで、利息は元金に対してつくものなので、元金を減らす努力をしなければ返済総額は減らないということが理解できたようでした。

 次に、クレジットについても確認をしました。
 クレジットカードを見ながら、複数のカードについて先生から説明がありました。購入するもの(買い物や交通費、ガソリン代など)によってカードを使い分けていること、ICチップ付きカードとそうでないカードがあること、ICチップはカードが不正に使用されないための防止策の1つであることが伝えられました。
 ローンは銀行などの金融機関に「お金を借りる」ことであり、クレジットはクレジット会社が「お金を立て替えてくれる」ことであることを、「ローン&クレジットのABC」 p12 D1クレジットとはを読みながら確認しました。クレジット会社がどのようにしてお金を立て替えているのかについては、「ローン&クレジットのABC」 p15 図D-3クレジットカードの仕組み(三者間契約)で理解を深めました。
 クレジットカード会社がクレジットカードを発行する際には、利用者の信用の度合いを図って「与信枠」を決めていること、信用の度合いは「4つのC」で決まることを「ローン&クレジットのABC」 p18 E-3金融における信用、E-4 4つのCで確認しました。
 クレジットの仕組み、メリット・デメリットについては2年生の家庭科でも学習しているということで、よい復習の機会となりました。

 卒業を4ヶ月後に控えた生徒たちにとって、生涯賃金シミュレーション、生活設計・マネープランゲームと座学を通して、将来のお金との関わり方を真剣に考えるきっかけとなる5時間の授業となったようでした。