12月11日(金)実施

京都府立東稜高校レポート 講師派遣

 金融経済教育授業のまとめとして、講師派遣授業が実施されました。
 テーマは、「銀行の仕組みと役割」です。

 講師からは、本時の2つのねらい「銀行の機能と役割」、「札勘体験」が伝えられ、授業が始まりました。
 「銀行の機能と役割」については、「動画で学ぶ銀行の仕事」DVDを視聴し、銀行の三大業務である「預金」、「貸出」、「為替」について確認していきました。
 「預金」は、安心・便利・有利で、アルバイト代や給与は預金口座に振り込まれることが多く、現在ではほとんど利息がつかない状況ではあるが、元本が減らないというメリットがあることが伝えられました。
 「貸出」は、不特定多数の人や企業から預かったお金を、特定の人や企業に貸し出すことで、「融資」とも言うこと、貸出したお金に利息をつけて返してもらわないと、お金を預けてくれた人に利息をつけることができなくなってしまうので、お金を貸す相手を、慎重に審査しなければならないということが伝えられました。
 「為替」は、代表的なものが「振込」で、1日に約650万件も振込に関する業務が発生しており、振込業務を短時間で正確に行うことが、銀行への信頼につながっているということが分かりました。現在の為替業務は口座振替やカード決済、ATMやインターネットを利用した振込がほとんどで、銀行窓口での受入れは年々減少しているということでした。

 ここで、講師の体験と併せて、銀行の機能と役割について確認していきました。
 講師が銀行の融資担当をしていた時には、企業の経営者と対等に話ができないといけないことから、融資を検討している企業やその業界を知るための勉強をしながら業務にあたっていたこと、財務諸表を見ると、その企業がどのような経営状態で、融資をするに値するかどうかがだいたい分かること、融資を検討している企業については、会社の様子を見ることで分かることも沢山あるので、足しげく会社に通った後に、融資するかどうかを決めたことなどの経験が講師から伝えられました。
 預金は、顧客が銀行を選ぶが、貸出は銀行が貸出先を選ぶので、計画通り回収ができないとお金を預けた人にも影響が出てしまうこととなり、融資先を決める業務はとても重要であり、また難しい業務であることが分かりました。

 「札勘体験」では、講師の手際よい札勘を目の当たりにした生徒たちからは、驚きの声が上がりました。早く正確に札勘ができるまでには、ポイントを理解したうえで、日々練習していくことの大切さが伝えられました。講師からポイントを教えてもらった生徒たちは、少しずつできるようになっていきました。

 銀行の機能と役割を理解し、実際に札勘を体験することで、お金を扱う仕事の責任についても気づくことができた授業となりました。