平成29年10月20日(金)10:40~11:30

 2年生家庭基礎で、生涯を見通した生活を意識して、経済の管理や計画について考えることができるようになることを目標とし、授業が行われました。

 前時の振り返りとして、大学生の1か月の平均生活費が「約12万円」であることを確認したうえで、まずは大卒の平均初任給がいくらくらいか確認していきました。厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査(初任給)の大卒男女平均は203,400円ですが、全額が手元に入る訳ではなく、社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険)と税金(所得税・住民税)が差し引かれること、給与から社会保険料や税金が控除されたお金を「可処分所得」(手取り収入)ということが説明されました。
 ここで、マナブとメグミのお金のキホンBOOK(p9)で、どれくらいの社会保険料や税金が給与から差し引かれるかを確認しました。一例ですが、総支給額が200,000円の場合で控除額は45,440円となり、手取りは154,560円となります。生徒たちは、これくらいの手取り収入の中で生活設計を考えていく必要があることがイメージできた様子でした。

 続いて、アクティブラーニング型授業プログラム「家計管理編」を使って、一人暮らしに必要な費用を考えていきます。この授業プログラムでは生徒が「家計管理アドバイザー」になり、依頼者の要望にもとづいて住居費や水道光熱費、食費などの生活設計を行い、必要な費用を計算することで家計管理を体験していきます。具体的には、依頼者の要望や必要な費用等が記載された「一人暮らしオーダーシート」から必要な情報を読み取り、計算した内容を「家計管理ワークシート」に記録していきます。本時は依頼者「すずきいくこさん」の例を考えていきました。
 まず、生徒一人一人が依頼者のオーダーに沿うように生活のランクを選択しながら生活設計し、必要な費用を計算していきました。
 次に班になって個人の意見を取りまとめ、あらためて生活費を算出しました。話し合いの中で「この生活は贅沢すぎるのではないか。」、「大卒の初任給から考えて、この人の希望する生活は難しいかもしれない。」といった意見が聞こえてきました。
 各班で検討した内容を発表したところ、一か月の生活費が最も多くなった班は303,000円、最も生活費が少なくなった班は251,000円、各班で算出した費用を平均すると約29万円程度となりました。

 ここで先生から、依頼者の実際の収入は「175,000円」であることが伝えられ「依頼者の夢や目標を大切にしながら、しっかりと生活できるように収入に合った家計プランを改めて考えてみてください。その際、依頼者に対するアドバイスも併せて考えましょう。」と指示が出されました。
 そこで、班ごとに、生活費が依頼者の収入の範囲内になるように、依頼者の希望も踏まえながら生活ランクを見直して調整していきました。生徒たちは「今すぐ(かつ、どうしても)必要なもの」、「今後、収入に余裕ができてから考えるもの」など、優先順位をつけながら話し合いを進めていきました。
 各班から出された依頼者へのアドバイスは以下のとおりであり、優先するところ、見直すところをしっかりと考えることができたようでした。
 次時は、各班に修正内容を発表してもらい共有・比較していくことが伝えられ、授業は終了となりました。

各班のすずきいくこさんへのアドバイス

1班 駅近にするかわりに犬を諦め、被服費をおさえよう!!
2班 犬に会いたくなったら実家に帰って
3班 夢も大切だが現実(お金)のことを見て、節約しよう
4班 仕事(起業)を1番に考えるなら犬と過ごすのは妥協すべき
5班 将来のために、今は犬や車などは諦めて、預金をしよう
6班 自分がやりたいこと、やるべきことの優先順位を考えること
7班 犬と暮らしたければ他を節約しよう
8班 いくちゃん、まずは自分を見つめ直すことからはじめよう
9班 希望を持つことはいい事だけど、もう少し将来に目を向けよう
10班 外出、ブランド品は少し控えよう