2月3日(金)実施

福岡市立友泉中学校レポート1・2時間目

 1.2時間目の授業は、進路学習の一環として「人が生きていくために必要なお金」について考えていきました。
 
 先生から、「人は何のために働くのか」班で意見を出し合うように指示がありました。
 「働く」とはどのようなことなのか、生徒たちはお互いに意見を出し合いながら考えていきました。次に、出てきた意見を「自分のため」、「社会のため」、「大切な人(恋人・家族・子ども)のため」の3つに分けたうえで、その中で「お金が必要なこと」と「お金が必要でないこと」に整理していきました。
 「自分のため」では「生活をする」や「老後の保障」、「社会のため」では「税金などを払う」こと、「大切な人のため」では「生活をする、養うため」にお金が必要で、お金を得るために働く必要があることが分かりました。

 ここで先生から、今日の授業のめあては、「人が生きていくのに必要なお金について考えよう」であることが伝えられました。
 はじめに、一人暮らしと家族で生活している人の1ヶ月の生活費を考えていきました。
 四択のクイズ形式で、衣食住にかかる費用を考えていきましたが、生徒にとっては具体的な金額をイメージすることは難しいようです。何にどれくらいのお金がかかるのかが分かったところで、家族構成の違いによって、1ヶ月に必要なお金(給料)が違うこと、給料からは、その金額や家族構成に応じて税金や社会保険料などが引かれることを確認しました。

 次に、人が生まれてから成人するまでにかかる費用について考えていきました。
 生徒たちが自分ごととして考えやすいように、「中学校に入学する時に必要なお金」から考えていきました。中学校入学時には、制服やかばん、上履きやジャージなど学校指定の物を揃えないといけません。それら全てを合計すると、最低でも約75,000円になります。この金額を踏まえ、生まれてから大学を卒業する22歳までにかかる教育費についても考えていきました。公立と私立では金額に大きな差が出ること、教育費(学校に支払うお金)以外にも、衣食住や習い事、医療・理容費やお小遣いなど、様々な費用が必要なことが分かりました。
 これらの金額を合計すると、子ども1人が大学を卒業するまでに必要なお金は3,000万円以上になります。保護者や多くの人に支えられて自分が成長しているということが分かりました。

 続いて、働いて自分でお金を稼ぐ場合を考えていきました。
 まずは、学歴によって、初任給や年収、生涯賃金がどのくらい違うのか、四択クイズで確認していきました。ここで先生から、学歴だけでなく、正社員と非正規社員(フリーター)の生涯賃金の違いについて説明がありました。
 大卒男性の生涯賃金は約2億5,000万円、フリーターは約7,300万円で、3倍以上の差があること、フリーターは、雇用保険や社会保険に加入できないことが多く、自分で国民年金や国民健康保険料を支払うことになり、支払をしていない場合には、公的保障を受けられなくなるということでした。
 また、社会保険料や税金を支払わない人が増えると、個人だけの問題ではなく、社会全体の仕組みが成り立たなくなってしまいます。税金や保険料は、私たちが健康で豊かな生活を送るために使われているということを確認しました。

 最後に改めて、「働く」ことの目的は、「自分のため」、「大切な人のため」、「社会のため」であり、生きていくには多くのお金が必要であることを確認し、授業は終了となりました。