テーマ:生活設計・マネープランゲーム平成27年8月8日(土) 13:40~15:20 教員向けセミナー〔1〕15:35〜16:05 〔2〕16:15〜16:45

レポート

 8月8日(土)、東京都教職員研修センターで開催された「企業等による体験型講座」および「夏休みスペシャル体験講座in水道橋」(東京都教育庁地域教育支援部生涯学習課主催)に参加しました。
 これは、企業・NPO等の教育支援プログラムを、実際に小中学生に受講してもらい、その様子を学校・教育関係者が見学して、学校現場へのプログラム導入の参考にするというもので、受講する児童生徒にとっても様々な体験ができる機会として実施されています。
 当日、全国銀行協会の講座では16名の中学生が「札勘」と「生活設計・マネープランゲーム」を体験しました。

 教室に到着した生徒には授業前のアイスブレイクとして、札勘体験をしてもらいました。模擬紙幣が配られ、縦読みと横読みに挑戦しました。講師から、お札の持ち方や指の動かし方を習うとそれぞれに、黙々と模擬紙幣を数えていました。
 銀行では新入社員研修で必ず札勘が行われることや、お客様の目の前でお札を数えて一緒に金額を確認してもらうなど、現金を扱う心得や責任の大きさも講師から伝えられました。

 その後、「お金」に関するクイズに挑戦してもらいました。「破れた1,000円札を銀行に持っていくと、いくらに交換してくれるのか」、「100円玉の重さは何グラムか」、「お金とは何か、説明してみよう」などの問題に個人で考えたり、班で話し合ったりしながら答えを出していきました。生徒には、普段何気なく使っているお金について考える良い機会になったようです。

 班の仲間とも打ち解けたところで、「生活設計・マネープランゲーム」を体験しました。このゲームでは班ごとに20歳代〜30歳代の人生の疑似体験をします。給与から保険や税金などの「非消費支出」が引かれること、収入と家族構成に応じて「非消費支出」の金額が変わることなどが分かりました。
 30歳代の住居を選択する場面では、収入や貯蓄、家族構成と住居の条件を見比べながら、真剣に話し合いをしていました。意見を出し合いながら、購入する住居と費用、費用の支払方法を決めていました。
 保険に入るかどうかを決めた後、イベント&アクシデントカードを引きました。人生には不測の事態が起こる場合があることも体験できました。

 結果発表では班によって、収入や支出、結婚や子どもの有無により貯蓄額や思い出ポイント(人生の充実度)が違いました。4つの班で結果が大きく違うことに驚いたり、自分の班と比較しながら考えたりしていました。

 最後に講師から、収入によって住居や車の購入など選択肢の幅が変わること、正社員とフリーターの生涯年収の違いについて説明がありました。そして「今回はゲームの中でカードを引きながら収入や支出が決まりました。しかし、みなさんの人生は自分で決めることができます。しっかり考えて、自分の思い描くような人生を送れるようにしましょう」と伝えられ、授業は終了となりました。

 授業終了後はセミナーが開かれ、学校・教育関係者約30名の参加がありました。
 セミナーでは、全国銀行協会の金融経済教育への取組みや、「生活設計・マネープランゲーム」の解説を行いました。中学生の多くがお小遣い帳をつけていなかったり、自分の貯蓄がどのように管理されているか分かっていなかったりという実態が伝えられ、自立した社会人になるためにも、教育現場において金融リテラシーを身に付ける取組みが必要であることが説明されました。

 セミナーに参加された学校・教育関係者からは、カードゲームの活用方法、金融経済について生徒へどのように指導していけばよいのかという質問や、特別支援学校や小学校での活用についてもご意見をいただきました。

 最後に、全国銀行協会の金融経済教育に関する支援を活用しながら、それぞれの学校の実情に合わせた金融経済教育を実施していって欲しい旨が伝えられ、セミナーは終了しました。

使用教材