レポート

平成30年9月13日 (木)15:35~16:25

 広島県立安西高等学校では、3年生の総合的な学習の時間で「ライフプランンについて考える」と題した授業を行っています。今年度は全5クラスで4回にわたり、「シリーズ教材お金のキホン」、「生活設計・マネープランゲーム」を活用した授業と講師派遣授業を実施し、高校卒業後のライフプランについて考えます。

 1回目は、「マナブとメグミのお金のキホンBOOK」と「シリーズ教材お金のキホン アクティブラーニング型授業プログラム 家計管理編」を活用した授業で、将来の一人暮らしを想定した家計管理について知識を深めました。 

 2回目は、「生活設計・マネープランゲーム」を活用した授業で、まずは20~30歳代までの人生の疑似体験を行い、将来の生活に必要なお金やライフイベントを確認しました。

 本時(3回目)の授業は、生活設計・マネープランゲームで40歳代~60歳までの人生を疑似体験し、各年代でのライフイベントや必要になるお金について考えていきます。

 授業の冒頭に先生から「40歳代はどのようなライフイベントがあると思うか」と質問してみたところ、生徒からは「子どもの進学」、「家族旅行」、「入院する」など、活発に意見が出てきました。

 40歳代以降の生活についてイメージができたところで、本時は40歳代の人生体験として、前時の体験内容を踏まえ、生活(働き方と生活費)を見直すことから始めていきました。先生から、これまでの収入・基本生活支出、貯蓄額のバランスを考えて、①転職をするかどうか、②基本生活支出を変更するかどうか班で話し合うよう指示がありました。ある班は収支の状況を改善するため、またある班はお金以外の面を改善するため、それぞれ話合いをして決めていきました。

 生活の見直しが決まったところで、先生がクラス全体の景気動向を決める「業績カード」を引き、景気によって収入が変動することを体験しました。「大打撃を受ける」カードによって、全ての班の年収が減少したため、生徒たちからはこれからの人生に対して不安に思う声が上がりました。

 50歳代の人生体験では、子育てが終了するため、関係する支出がなくなりますが、40歳代で行った生活の見直しがうまくいかず、住宅ローンの返済などで収支のバランスが崩れて貯蓄が減少する班もありました。

 60歳を迎えたところで、転職をしなかった班は退職金カードを引いて退職金の金額を決めて、体験は終了しました。貯蓄額と思い出ポイントを計算し、これまでの人生体験を発表していきました。

 ある班では、30歳代まで貯蓄額がマイナスとなっていましたが、40歳代で行った働き方や生活費の見直しが功を奏し、60歳時点で貯蓄を増やすことができました。30歳代までの収支バランスの問題点に気付き、40歳代で収支の見直しに成功した例です。別の班は、20~30歳代は収入が多い状況でしたが、その後、住宅費用やイベント(装飾品を購入など)により支出が増え続け、60歳時点で貯蓄額がマイナスとなってしまいました。

 生徒たちは体験を通して、生活設計やマネープランの重要性をしっかりと認識していた様子でした。

 最後に先生から「20~60歳までの人生を疑似体験して、将来どのようなライフイベントがあるのか、どのくらいお金がかかるのかなどが分かったと思う。いずれ自分が経験する出来事として考えてもらいたい」と話があり、授業は終了しました。