平成25年12月11日(水)実施 

神戸市立西落合中学校レポート 基本授業

 社会科公民的分野「わたしたちの暮らしと経済」の授業の中で、「消費者ができるさまざまなお買い物」ということで、ローンとクレジットの仕組み、メリットやデメリットを学ぶ授業が実施されました。  

 「人生の中で大きな買い物と言えば、どのような買い物があるでしょうか」という小堀先生の質問から授業は始まりました。  
 「冷蔵庫」「家」「車」など、大きな買い物に対するイメージは明確なようでした。  
 「それでは3,000万円の家を購入するとして、お金はどのように支払いますか」という質問には、「現金で払う」「ローンで払う」などの答えが聞かれました。  
 ここで小堀先生から、ローンとは何か、ローンの仕組みについて説明がなされました。今必要なお金を借りて、長期間で返済をする仕組みのことで、主に家や車など大きな買い物=金額が高いものを購入する際に、頭金を払って活用するということも分かりました。  
 ローンの仕組みについては、板書と説明だけでは実感が持ちにくいため、小堀先生は住宅ローン返済シミュレーションツールを使って、頭金と金利、返済期間と支払総額の関係を 生徒たちに考えさせていきました。  
 頭金を多く準備できれば支払総額は減る、金利が高い時には支払総額が増える、返済期間が長くなると支払総額は増えるという関係性が、さまざまなシミュレーションを通して確認できました。特に金利については自分で決めることができないため、ローンを活用する際には注意するよう、小堀先生から補足説明がありました。  

 あわせて、誰でもがローンを活用できる訳ではないということも確認していきました。 信用のある人の4つのC( Character、Capacity、Capital、Control )は、生徒たちにとって初めて聞く内容であり、お金を借りるということは大きな社会的責任が伴うものだということに気付いたようでした。  

 ここで、ローンについてのまとめをして、ローンを使う上での注意点をワークシートに記入し、クレジットの内容に進んでいきました。  

 クレジットについては、1学期に家庭科である程度学んでいるということで、振り返りと合わせ、より詳しく内容理解を進めていきました。  
 クレジットとは、代金を後払いにできる方法で、クレジットカードには借入機能がついているものもあることが小堀先生より伝えられました。  
 三者間契約の図をもとに、クレジットの仕組みを確認していきました。  
 カード加盟店でクレジットカードを使って商品を購入してから、実際に自分のところに請求書が届くまでの流れと、支払方法には、一括払い・分割払い・リボルビング払いという種類があることが分かりました。    

 「この流れが分かったうえで、クレジットカード会社はどのようにして利益を得ているか考えてみてください」という小堀先生からの質問に対して生徒たちからは、「少しだけ支払金額を多くして請求書を出している」「クレジットカード会社は株に投資して利益を得ている」などの回答があがりましたが、生徒たちにとっては難しい質問のようでした。  
 小堀先生は、分割払いやリボルビング払いはローンと同じように利息(手数料)がかかり、その分がカード会社の利益になっていることを説明しました。クレジットカードも長期間ではありませんが、お金を借りて後から返すというローンと同じ仕組みであり、借金をしているということが理解できたようでした。  

 ローンやクレジットの他にも、現金以外で支払のできる方法が身近なところにも増えてきていることも確認をしました。  
 電子マネーと呼ばれるもので、あらかじめ預けておいた金額の範囲で支払ができる仕組みです。ICOCAや楽天Edy、WAONなど、さまざまなカードが活用されていることが分かりました。  

 現金以外のさまざまな支払方法のメリット・デメリットを理解したうえで、賢く活用することにより、生活を充実させることができるということが今回の授業を通して理解できたようでした。