平成27年2月13日(金)実施

 まず、スライドに沿って「いま君たちが100万円持っていたらどうしますか?」という問いから授業はスタートしました。生徒からは「買い物をする」「貯金する」などの発言や「株をやる」といった発言も飛び出し、盛り上がりのある導入となりました。

 次に、生徒たちの具体的なイメージを引き出すために、アイドルグループが新曲を出したという今朝のニュースに触れてから、「では、そのDVDを買いましょう」と具体的なイメージを引き出し、生徒用テキストブックのP.4を生徒に音読してもらいました。さらに、別の生徒に読んだ内容を口頭で再確認し、これからDVDを購入した際の代金の流れについてワークシートを使って確認していくことを伝えました。

 ここからは、拡大したワークシートを黒板に張り付け、生徒と同じ状態を共有しながら授業が進みました。DVD代金がアーティストに届くまでの流れを一つ確認した時点で、矢印や単語を逐一ワークシートへ記入することで、生徒が着実に理解している様子が伺えました。
 また、ワークシート【1.あなたと銀行のかかわり】にある「DVD代金」と「アーティストの収入」という関係性に迷う選択肢のところでは、生徒にじっくりと考えさせ、自主的な思考判断を促す場面も。しかし、なぜ「DVD代金」と「アーティストの収入」という同じお金であっても異なった名称になるのかについては、「『DVD代金』と『アーティストの収入』の金額が同じならDVD制作販売会社は儲からないよね?」と、経済の流れを理解させたうえで、明確に内容をおさえました。最後に、お金の流れがどのような経路をたどっているのか、細かく生徒を指名し、一人ひとりが理解しているかどうかを確認しました。
 ワークシート【1.あなたと銀行のかかわり】のまとめでは、ワークシートで確認したお金の流れが「為替」であり、生徒が当初考えていたお金の使い道とは違うことを意識させました。

 次に、ワークシートの【2.金融のしくみと銀行の役割】で今までの授業を振り返り、銀行の三大業務をワークシートに記入します。さらに映像教材「動画で学ぶ銀行の仕事」を用いて、三大業務の再確認を行いました。ここで、新しい概念である為替について、実際はお金が動くのではなく、データの移動によって行われているという点を補足し生徒の理解を促しました。
 続いて、スライドのイラストを指し示しながら、預金と貸出の関係を簡潔に説明し、銀行が金融の橋渡し役であるという点を強調しました。
 ワークシート【2.銀行はどのようにして利益を得ているのだろう-②】では、生徒に利子計算をさせて、銀行がどのように利益を得ているのかについて素早く説明しました。そこから、「普通の銀行を他の言葉で言い換えると?」と問いを投げかけ、「市中銀行」であり、かつ「一企業」であることを生徒に導き出させました。
 続いて、【2.「銀行」と「日本銀行」はどのような関係があるのだろう-③】では、日本銀行は「市中銀行の銀行である」という言葉でまとめられました。
 【2.銀行は社会にとってどのような役割をはたしているのだろう-④】では、スライドを見ながら、生徒から銀行の役割として「豊かな社会をつくる」「社会を支える」といった言葉を引き出しました。ここで、「銀行がお金の橋渡し役」になる、と再度同じフレーズを用い、社会における銀行の重要性を生徒に意識させました。
 授業のまとめとして、経済の循環に銀行が重要な役割を担っていることを踏まえたうえで、銀行とのかかわりについて「今後、君たちは銀行とどのような付き合い方ができるかな?」という問いかけをし、授業は終了となりました。

 最後に、普段の授業スタイルとの違いをどのように感じたのか聞いたところ、生徒からは、「わかりやすかった」「図があって理解しやすかった」「アニメーションなど動きがあってわかりやすかった」など、スライド等を活用したことで難しいテーマを扱った授業でも、肯定的な感想が挙がりました。