全銀協の活動

決済システム等の企画・運営

 全銀協では、銀行が参加する決済システム等の企画・運営を行っています。
 銀行は、現金で清算することが困難な、企業間あるいは企業と個人・政府等との間の債権・債務を清算するために、振込・振替、手形・小切手等の資金決済サービスを提供していますが、この資金決済サービスを支える基盤が銀行間の「決済システム」です。

 わが国の決済システムとしては、最終的な資金決済を行う日本銀行の当座預金決済(日銀ネット)がありますが、全銀協および一般社団法人全国銀行資金決済ネットワーク※1 が運営主体となっているものとして、振込・送金等を担う内国為替制度(全銀システム)、外国為替取引の円決済を担う外国為替円決済制度、および手形・小切手等の決済を担う手形交換制度(手形交換所)の3つがあります。これらは、いずれも銀行が提供する資金決済サービスを効率的に行えるようにするための基盤であり、経済活動のインフラとして公共性の高いものといえます。

 また、こうしたインフラとしては、このほか、各銀行が発行するキャッシュカードを用いた預金の引出し等に係るCD・ATMのオンライン提携(全国キャッシュサービス)やマルチペイメントネットワーク(MPN)、外国送金等の世界的なネットワークである「SWIFT」などがあります。

※1
一般社団法人全国銀行資金決済ネットワークは、全銀協を社員とする組織(子法人)であり、資金決済法上の資金清算業の免許を得て、平成22年10月から全銀システムの運営を担っています。

全国銀行データ通信システム(全銀システム)

 企業間あるいは企業と個人・政府等との間の資金決済には、振込がよく利用されますが、この振込などの国内の為替取引を銀行間で担うのが「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」で、全銀協が設立した「一般社団法人全国銀行資金決済ネットワーク」が運営しています。

 全銀システムは、昭和48年4月に発足したオンラインのデータ通信システムで、都市銀行から農業協同組合まで民間金融機関のほぼ全てが参加しており、1日平均約550万件を超える取引(取扱金額:年間2,600兆円)が行われるなど、わが国の決済システムの中核として大きな役割を果たしています。

 このように多額の資金決済を行う全銀システムでは、センターを東西(東京・大阪)に設置するとともに回線を多重化すること等で、運営の安全性を高めています。

 また、加盟銀行は、受取額と支払額の差額を毎日決済していますが、万一、決済資金の不払いが発生しても為替取引に影響が出ないように、支払額から受取額を差し引いた「仕向超過額」の限度額をシステム上で管理するとともに、加盟銀行からこれに見合った担保・保証を受け入れることで、万一の際にも対応できる体制を整備しています。

 世界的にみても、振込依頼をリアルタイムで処理し、当日中に決済が完了する大規模なシステムをもっている国は見当たらず、全銀システムは高い評価を受けています。

新しいウィンドウを開きます。一般社団法人全国銀行資金決済ネットワーク


外国為替円決済制度

 海外の企業や個人が日本国内へ円資金の送金を依頼した場合や、銀行間で外国為替の売買を行った場合において、銀行間の円資金の決済を集中的に行うための制度が「外国為替円決済制度」です。

 この制度は、昭和55年10月に東京銀行協会(現在は全銀協)を運営主体に、支払指図を東京手形交換所で交換していましたが、平成元年3月からは、支払指図の交換や決済を日本銀行に委託し、日銀ネットを利用したオンライン処理に移行しました。

 その後、平成10年には、国際基準に合致した決済リスク対策を導入して、支払指図1件毎に決済するRTGS(Real-Time Gross Settlement)モードを新設し、平成14年5月には、CLS銀行※2が本制度に参加して、CLS決済(多通貨同時決済)を開始しています。また、平成20年10月には、それまでの時点ネット決済方式を、日本銀行の当座預金決済を利用した次世代RTGS(流動性節約機能付)に全面的に移行し、時点ネット決済方式やこれに伴う担保・流動性供給スキームを廃止しました。

※2
外貨売買に伴う時差リスク解消のための特別目的銀行(本店ニューヨーク)。

手形交換制度

 銀行には、企業を中心としたお客さまから毎日大量の手形・小切手が持ち込まれます。これらの手形類を持ち寄り、お互いの銀行が支払うべき手形類を相互に交換して、受取額と支払額の差額を日本銀行で決済する制度が「手形交換制度」です。

 この制度を担うのが各地の銀行協会が運営する「手形交換所」(平成23年4月1日現在、全国に243か所)です。このうち、全銀協が運営する「東京手形交換所」では、カバーする地域が東京都のほか、千葉、埼玉、神奈川の3県に及び、持ち込まれる手形類も多い(全国の3割強)ことから、手形類をソーターリーダーという機械で読み取り、仕分けする機械処理を行っています。

 また、手形交換所は、手形等の健全な利用を確保するため、6か月間に2回、手形・小切手の不払い(不渡り)を起こした者について、その後2年間、参加銀行との当座預金取引や貸出取引を禁止する「取引停止処分制度」を運営しています。

全国キャッシュサービス(MICS)

 全国キャッシュサービス(Multi Integrated Cash Service)は、民間金融機関(9業態)相互間のCD・ATMオンライン提携ネットワーク※3で、平成2年2月に稼動しました。

 これにより、銀行等のキャッシュカードを持つお客さまは、提携している全国のMICS加盟金融機関のCD・ATMを利用して、現金の引出し、残高照会、振込時の受取人の口座確認が出来ることになりました。

 全銀協は、このMICSの運営事務を受託しています。また、業態内のオンライン提携ネットワーク網であるBANCS、SOCSおよびLONGSの運営事務も受託しています。

※3
MICSおよびBANCS等の業態内オンライン提携ネットワーク網は、平成16年1月から、NTTデータが提供する「統合ATMスイッチングサービス」を利用しています。
CD・ATMオンライン提携状況
CD・ATMの
設置金融機関
キャッシュカードの発行金融機関
都銀 地銀 信託 新生等 第二
地銀
信金 信組 労金 農協・信漁連
都市銀行(BANCS)
地方銀行(ACS)
信託銀行(SOCS)
新生、あおぞら、商中(LONGS)
第二地銀協加盟行(SCS)
信用金庫(しんきんネットキャッシュサービス)
信用組合(SANCS)
労働金庫(ROCS)
系統農協・信漁連(全国農協貯金ネットサービス)
全国キャッシュサービス(MICS)

資料:全銀協「決済統計年報」、CDセンター調べ

(注)
◯印は、キャッシュカードによる預金の支払いが利用できることを示している(平成23年3月末現在)。

マルチペイメントネットワーク(MPN)

 マルチペイメントネットワーク(MPN)が提供する「ペイジー(Pay-easy)」は、国税・地方税、公共料金、保険料やインターネットショッピングなどの各種料金を、パソコン、携帯電話、ATMから「いつでも、どこでも、あんしん、かんたんに」支払えるようにする電子決済サービスです。

 ペイジーは、金融機関が共同で構築・運営しているMPNを活用したサービスで、国内のほぼすべての金融機関(銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農漁協)が参加しています。平成13年10月にサービスを開始し、平成22年6月から全銀協はMPNを運営する日本マルチペイメントネットワーク運営機構の事務局を担っています。

新しいウィンドウを開きます。日本マルチペイメントネットワーク推進機構


全銀協TIBOR

 一般に1年以内の資金取引を行う市場を短期金融市場と呼びます。銀行は、この短期金融市場において、資産運用者(投資者)、調達者および両者を結ぶ資金仲介者として重要な役割を果たしています。

 全銀協TIBOR※4は、この短期金融市場での取引の実勢を反映した金利で、金融機関が事業会社への貸出を行う際などの指標としても広く利用されており、日本の短期金融市場の活性化に役立っています。

※4
TIBOR(タイボー)は、Tokyo InterBank Offered Rateの略称であり、日本円TIBORとユーロ円TIBORの2種類があります。
全銀協が公表するTIBORの概要
  日本円TIBOR ユーロ円TIBOR※5
対象となる市場 無担保コール市場
(銀行等の金融機関が短期的な資金の過不足を調整するために、無担保で資金取引を行う市場。)
本邦オフショア市場
(銀行等の金融機関が、非居住者等との間で円資金取引を行う市場。)
公表レートの種類 午前11時時点における市場実勢を反映した13種類のレート(1週間物および1~12か月物)を毎営業日公表。
TIBORの算出方法 全銀協が指定した金融機関からレートの報告を受け、上位・下位各2金融機関のレートを除外し、残りのレートを単純平均して算出。
指定金融機関数
(平成23年4月現在)
18 18
付利ベース 365日 360日
公表開始年月 平成7年11月 平成10年3月
※5
一般にオフショア市場で取引されている日本円のことをユーロ円といいます。

全銀協認証局

 全銀協では、セキュリティと顧客利便に優れたICキャッシュカードの普及促進のため、「全銀協ICキャッシュカード標準仕様」を制定しています。

 この標準仕様では、ICキャッシュカードを発行する金融機関相互間でのICカード取引を実現するため、公開鍵暗号方式※6による認証を採用しています。

 全銀協認証局は、ICキャッシュカードを発行する金融機関の公開鍵に対して、その正当性を証明する電子証明書を発行する上位認証局(ルート認証局)です。この証明書情報がICカードに搭載され、ATMで確認されることにより認証が可能となります。

※6
公開鍵暗号方式とは、暗号化を行う時と、暗号を元のデータに戻す復号化の時とで、異なる鍵(公開鍵と秘密鍵のペア)を用いる方式です。

全銀協ICキャッシュカード標準仕様


SWIFT(スイフト)

 スイフト(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication SCRL)は、銀行間の国際金融取引に係る事務処理の機械化、合理化および自動処理化を推進するため、参加銀行間の国際金融取引に関するメッセージをコンピュータと通信回線を利用して伝送するネットワークシステムです。

 全銀協は、日本のスイフト参加金融機関の集まりである日本スイフトユーザーグループの事務局として、スイフトの諸サービスの促進および改善に関する参加金融機関の意見を集約し、スイフトに対し意見を述べているほか、参加金融機関向けの定期的な講習会やセミナーの開催を支援し、スイフトと日本の参加金融機関との橋渡し役として活動しています。


全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)

 電子記録債権制度は、中小企業など事業者の資金調達の円滑化を図るため、平成20年12月に創設された制度であり、これまで手形の事務手続や印紙税、保管・搬送等に悩まされてきた事業者や、支払手段を一本化して資金を効率化させたい、あるいは売掛債権を有効に活用したい事業者にとっては、これらを解決する新たな決済手段を提供する制度として、大変期待されています。

 平成21年度の企業が保有する受取手形の残高が約23兆円、同売掛金が8倍の約183兆円であることからも、電子記録債権の将来的な可能性は非常に大きいものがあります。

 全銀協では、この電子記録債権を記録・流通させる新たな社会インフラを全国的規模で提供するため、電子債権記録機関の準備会社として平成22年6月に「株式会社全銀電子債権ネットワーク(通称:でんさいネット)」を設立し、24年5月の開業に向けて準備を進めています。

でんさいネットの取引イメージ

新しいウィンドウを開きます。株式会社全銀電子債権ネットワーク