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気候変動関連情報

国内外の主な政策動向

国内外の政策や金融分野の主な動向を中心に掲載しています。情報は随時更新いたします。

用語集

気候変動関連の用語を掲載しています。情報は随時更新いたします。

用語 説明
エンゲージメント 顧客企業と金融機関・投資家等との間の、脱炭素化に向けた取組みの推進などESG課題への対応等に関する建設的な対話のことをいう。
温室効果ガス(GHG) 大気中に熱(赤外線)を吸収する性質を持つガスのことをいう。主なものとしてCO2、メタン、一酸化二窒素、フロンガス等がある。
カーボンオフセット 企業が温室効果ガスの排出削減の努力を行いつつ、どうしても排出削減が困難な温室効果ガスについて、その排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせる考え方のことをいう。
カーボンニュートラル 温室効果ガスの排出量と吸収量が全体として均衡している状態のことをいう。
カーボンフットプリント 商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通じて排出される温室効果ガスの排出量をCO2排出量に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みのことをいう。
カーボンプライシング CO2排出量に価格を付け、排出者の行動を変容させる政策手法のことをいう。具体的には、炭素税、国内排出量取引、クレジット取引、国際機関による市場メカニズム、インターナル・カーボンプライシング等の類型がある。例えば、炭素税は燃料・電気の利用(=CO2排出)に対して、その利用量に比例した課税を行うことで、CO2排出量に価格を付ける仕組みであり、国内排出量取引は企業ごとにCO2排出量の上限を決め、上限を超過する企業と下回る企業との間で排出枠を売買する取引で、CO2排出量の価格は排出枠の需要と供給により決まる仕組みである。
気候変動 地球温暖化の進行に伴う世界的な異常気象や災害の頻発化・激甚化のことをいう。気候変動により、水、生態系、食糧、沿岸域、健康などでより深刻な影響が生じる可能性があるとされている。
気候変動リスク 地球温暖化対策に伴う社会や政策の変化、気候変動に伴う災害や気候パターンの変化が顕在化した際に発生し得る損害のリスクのことをいう。具体的には、「移行リスク」(脱炭素社会への移行(気候変動緩和のための政策変更、技術革新、投資家・消費者のセンチメント・需要・期待の変化等)によって引き起こされるリスク)と「物理的リスク」(気候変動に伴う極端な気象現象の過酷さ・頻度の上昇等急激に起こるリスクと、海面上昇等の長期的な気候パターンの変化によって引き起こされるリスク)に分類される。
京都議定書 1997年12月の国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)において採択された、2020年までの温室効果ガス排出削減等のための国際枠組みのことをいう。先進国に対して一定期間における温室効果ガス排出量の削減義務(1990年比の削減目標)を規定している。
グリーンウォッシュ 環境改善効果が伴わないにもかかわらず、あたかも環境に配慮しているかのように見せかけることをいう。(類語:SDGsウォッシュ、トランジションウォッシュ)
公正な移行(Just Transition) 国際資本市場協会(ICMA)の定義によれば、グリーン経済への移行による実質的な利益が広く共有されるよう確保するとともに、経済的な不利益を被る立場にある者(国、地域、産業、コミュニティ、労働者、消費者を含む)を支援することを目指すことをいう。公正な移行の概念は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の「誰一人取り残さない」という理念を反映したものとなっている。
コーポレートガバナンス・コード 実効的なコーポレートガバナンスの実現に資する主要な原則を取りまとめたものであり、金融庁が策定した「コーポレートガバナンス・コード原案」等を踏まえ、各証券取引所が制定している。例えば、東京証券取引所が定めるコーポレートガバナンス・コードでは、プライム市場の上場企業に対して、TCFDまたはそれと同等の枠組みにもとづく開示の質と量の充実を進めることを求めている。
再生可能エネルギー 非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用できると認められるエネルギーのことをいう。具体的には、わが国では、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが再生可能エネルギーとして定められている。
座礁資産 市場環境や社会環境が激変することにより、価値が大きく毀損する資産のことをいう。
サステナブル・ファイナンス 国連の持続可能な開発目標(SDGs)の枠組みを直接的・間接的に支援することにより、強固で持続可能かつバランスのとれた包括的な成長の達成に貢献する金融手法のことをいう。目的や資金使途の制約有無に応じて、いくつかの種類に分類され、例えば企業の環境貢献事業に対して融資する「グリーンローン」などがある。
シナリオ分析 地球温暖化や気候変動そのものの影響や、気候変動に関する長期的な政策動向による事業環境の変化等にはどのようなものがあるかを予想し、そうした変化が自社の事業や経営にどのような影響を及ぼし得るかを検討するための手法のことをいう。自社で独自のシナリオを検討する方法や国際機関(気候変動に関する政府間パネル(IPCC))、国際エネルギー機関(IEA)等が定めるシナリオを活用する方法がある。
ダイベストメント(投資撤収) ESGの観点(例えば環境問題についてはCO2排出の削減に関連して脱炭素という観点)から、すでに投資対象として保有している特定の企業や業種に関わる有価証券等を売却する投資手法のことをいう。
タクソノミー 環境上サステナブルな経済活動を分類・定義した経済活動のリストのことをいう。欧州をはじめ世界各国においてタクソノミーを策定する動きがみられる。「グリーン」や「サステナブル」等の概念を明確な基準として制度化することにより、グリーンウォッシュを防止し、真にサステナビリティ目標に資する資金フローを実現することを目的としている。
脱炭素 温室効果ガスの排出源である石油や石炭、天然ガス等の化石燃料から脱却することをいう。(類語:GX(Green Transformation、グリーントランスフォーメーション)。化石燃料から再生可能エネルギーへの転換に向け、社会経済をグリーン化させることをいう。)
トランジション(移行) 一足飛びの脱炭素化が難しい温室効果ガスの多排出産業を中心に、企業が省エネ・燃料転換等を含む着実な脱炭素化に向けた移行への取組みを進めることをいう。わが国の産業構造上、製造業を占める割合が相応に高く、トランジションが重視されている。
ネットゼロ 温室効果ガスの排出量と吸収量が全体として同量となることをいう(排出量=吸収量=全体として排出量がゼロ)。
パリ協定 2015年12月の国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)において採択された、京都議定書に続く2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための国際枠組みのことをいう。パリ協定では、すべての参加国・地域が温室効果ガス排出・抑制目標を定めることを規定しており、世界共通の長期目標として気温上昇を2℃より十分下方に抑えるとともに、1.5℃に抑える努力を継続することを掲げ、今世紀後半に温室効果ガスの排出と吸収のネットゼロを目指すことを謳っている。2016年11月に発効し、新興国も含めたすべての国に対して2020年より運用が開始された。
CDP 2000年にロンドンで設立した非営利団体(旧称:カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)。気候変動、水セキュリティ、森林減少リスク・コモディティの分野における、企業や自治体のグローバルな情報開示基盤を提供し、収集した情報は投資家や企業、各国政府に活用されている。
COP 国連気候変動枠組条約締約国会議のことをいう。2021年10月~11月に開催されたCOP26(第26回会議)においては、「グラスゴー気候合意」が採択され、2030年までを「決定的な10年」(critical decade)と位置づけ、今世紀半ばのカーボンニュートラルおよびその経過点である2030年に向けて野心的な気候変動対策を締約国に求めることに合意した。
2022年11月に開催されたCOP27(第27回会議)においては、「グラスゴー気候合意」の内容を踏襲しつつ、締約国に気候変動対策の各分野におけるさらなる取組みの強化を求める「シャルム・エル・シェイク実施計画」が採択された。
2023年11~12月に開催されたCOP28(第28回会議)においては、パリ協定の目標達成に向けた進捗評価(グローバル・ストックテイク)が実施され、1.5℃目標達成のための緊急的な行動の必要性や、2025年までの排出量のピークアウト、全ガス・全セクターを対象とした排出削減、各国ごとに異なる道筋を考慮した分野別貢献が採択された。
ESG 環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)を表す用語であり、企業が自らの価値を高めるうえで、これらの観点を取り入れることが重要とされている。(類語:サステナビリティ)
GFANZ Glasgow Financial Alliance for Net Zero、ネットゼロのためのグラスゴー金融同盟。
2050年までの温室効果ガス排出量のネットゼロを目指すグローバルな金融機関の有志連合のことをいう。傘下には、銀行(NZBA)、保険(NZIA)、アセットマネージャー(NZAM)、アセットオーナー(NZAOA)等の金融分野ごとにアライアンスが設置されている。
IPCC Intergovernmental Panel on Climate Change、気候変動に関する政府間パネル。
世界気象機関(WMO)および国連環境計画(UNEP)により1988年に設立された政府間組織のことをいう。気候変動に関する最新の科学的知見について評価を行い、定期的に報告書を作成しており、同報告書は国際交渉や国内政策のための基礎情報として活用されている。
ISSB International Sustainability Standards Board、国際サステナビリティ基準審議会。
IFRS財団に設置された国際的に統一されたサステナビリティ報告基準の開発を検討する審議会のことをいう。
PRI Principles for Responsible Investment、国連責任投資原則。
国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)の主導により2006年に策定された自主的な投資原則のことをいう。PRIでは、機関投資家等に対し、投資分析と意思決定のプロセスにESG課題を組み込むことや、投資対象の企業にESG課題についての適切な開示を求めること等を定めている。
RE100 Renewable Energy 100%。
電力使用量の多い大企業を対象として、遅くとも2050年までに使用電力の100%を再生可能エネルギーで賄うことを目標として設定し、その達成に向けて取り組むことを求める国際的なイニシアティブのことをいう。
SBT Science Based Targets、科学的根拠にもとづく目標。
パリ協定が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標のことをいう。その国際的なイニシアティブであるSBTiでは、企業のSBT設定を推進するとともに、その認定を行っている。
Scope1、Scope2、Scope3 温室効果ガスの排出量を算定するうえでの概念であり、それぞれ以下のとおり。
・Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出量。
・Scope2:他者から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴うエネルギー起源の温室効果ガスの間接排出量。
・Scope3:上記以外の事業者のサプライチェーンにおける事業活動に関する間接的な温室効果ガス排出量。
特に金融機関のScope3を「ファイナンスドエミッション」(financed emissions)と呼び、投融資先企業の温室効果ガス排出量が金融機関のScope3に含まれる。
SDGs Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標。
2015年9月の国連サミットで採択された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のことをいう(2016年1月発効)。17のゴール・169のターゲットから構成され、ゴール13として「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」が規定されている。
TCFD Task Force on Climate-related Financial Disclosures、気候関連財務情報開示タスクフォース。
各国の金融監督当局・中央銀行などから構成される金融安定理事会(FSB)により、2015年12月に設立された気候関連の情報開示および気候変動への金融機関の対応を検討するタスクフォースのことをいう。2017年6月に最終報告書(TCFD提言)を公表し、企業等に対して、気候関連リスクおよび機会に関する開示を推奨している。