テーマ:生活設計・マネープランゲーム体験ワークショップ平成27年8月7日(金) 10:00~11:30

レポート

 江戸川区中学校研究会家庭科部会に講師を派遣し、教員5名を対象として、カードゲーム教材の体験を行いました。

 家庭科の「家庭生活と消費」の導入やまとめに、自分とお金の関わりについて、生徒たちが実感を持って理解を深めることができる「生活設計・マネープランゲーム」の教材体験を行いました。通常は4~5人で1つのグループになりますが、今回は1人ずつ人生体験を行いました。

 必要なカードを裏返して並べたら、ゲームの開始です。
 20歳代の人生は、就職をして自立する体験です。収入カードを引いて収入が決まると、講師から非消費支出について説明がありました。資料集p1~3を開き、生徒の履修状況や実施時間に合わせて、どの程度まで説明するのかは先生方で調整してほしいということも、講師から伝えられました。
 収入と非消費支出を生活設計・マネープランシートに書いた後、基本生活支出カードを引いて、支出を決めます。
 その後、自動車を購入するかどうかを決め、20歳代の収支と思い出ポイントをまとめました。
 この時点で、収支がマイナスになったり、堅実に貯蓄ができていたりと、差があらわれました。先生方からは、あえて偶然性でゲームが進行することで、収支のバランスや人生設計の大切さに気づけるところがとてもよいという声が聞かれました。

 続いて30歳代の人生体験です。
 30歳代では、さまざまなライフイベント(結婚・子育て・住居の購入・自動車の購入・保険の選択・イベント&アクシデント)と、それらにかかる費用について体験します。
 人生の三大資金と結婚資金については、進行スライドと資料集p4,5で確認をしました。その後、結婚カード、子育てカードを引いて家族構成が決まりました。家族構成が決まった後、住居の購入を考えます。資料集p6,7で ローンの仕組みを確認しました。ローンを考える際には、「金利」、「期間」、「頭金」の3つが重要です。ここまでの貯蓄額を確認し、住居を購入するか、賃 貸にするか考えました。次に自動車の購入、保険に入るかどうかを決めた後、イベント&アクシデントカードを引きます。人生には、思いもよらない出来事が起 こる場合があり、アクシデントの種類によっては保険加入によって、アクシデント支出が補てんされる場合があることなども体験しました。
 30歳代までの人生を振り返り、それぞれの状況を発表してもらい、40歳代以降の人生体験に進みました。

 40歳代の人生体験は、生活設計を見直すことから始めました。
 30歳代までの人生結果を踏まえ、転職するかどうか、支出を見直すかどうか検討しました。
 転職と支出の見直しが終わると、全体の景気動向を講師が業績カードを引いて決めました。「安定した業績」で、転職した人は、収入増となりました。
  40歳代の収入が決まったところで、非消費支出、配偶者や子どもの生活費、住居費も計算し、ここまでの貯蓄額がきまりました。この後は、自動車の購入、保 険の加入について検討した後、イベント&アクシデントカードを引いて40歳代までの収支と思い出ポイントをまとめました。

 50歳代の人生は、全体の景気動向を講師が決めるところから始まりました。「安定した業績」以外の3枚のカードから、業績カードをひきました。今回は「仕事が絶好調」で、全員が大幅な収入増となりました。
 50歳代の収入が決まったところで、非消費支出、配偶者の生活費、住居費も計算し、ここまでの貯蓄額が決まりました。子育ては40歳代で終了となり、子どもの生活費は必要がなくなりました。

 自動車の購入と保険の加入について検討した後、イベント&アクシデントカードを引いて、50歳代の人生が終了となりました。
 この後、転職をしなかった参加者だけが、退職金カードを引いて、60歳までの人生体験を振り返り、まとめを行いました。
 40歳代で生活設計を見直すことで、30歳代までマイナスだった収支がプラスに転じる経験をした先生からは、「本当の人生体験をしているみたいで、生徒も楽しみながらも真剣に取り組める教材だと思う」という感想がありました。

 最後に講師から、「生活設計・マネープランゲーム」は、小学校高学年から中学校、高校まで幅広く活用いただける教材であることを説明し、それぞれの学校や生徒たちの状況に合わせた使い方をしていってほしい旨伝えられ、研修は終了しました。

使用教材