テーマ:生活設計・マネープランゲーム平成27年8月27日(木) 14:15~15:50

レポート

 茨城県金融広報委員会主催の茨城県・教員のための金融教育セミナーに講師を派遣し、中高の教員や金融アドバイザーなど約60名を対象として、全銀協の金融経済教育活動についての講話と、カードゲーム教材の体験を行いました。

 初めに、全銀協の金融経済教育活動について紹介しました。特に、公式ウェブサイトの「教えて!くらしと銀行」を通じた、くらしに役立つお金や金融の知識、銀行の使い方などの知識の普及活動、中学高校向けの授業で使える各種教材やパンフレット等刊行物の無償提供活動、「どこでも出張講座」と冠した講師派遣活動の3点を中心に紹介しました。

 次に、自分とお金の関わりについて、生徒たちが実感を持って理解を深めることができる「生活設計・マネープランゲーム」の教材体験を行いました。通常は、生徒4~5人で1つのグループになりますが、今回は隣りあった2人で1つのグループになり、20~30歳代の人生体験を行いました。授業で実施する際のポイントを説明しました。

 グループに分かれ係を決め、必要なカードを裏返して並べたら、ゲームの開始です。20歳代の人生は、就職して自立する体験です。収入カードを引いて収入が決まると、講師からは資料集p2,3を開くように指示があり、非消費支出について確認をしました。
 なお、講師から生徒に伝えるべきポイントとして、非消費支出については、具体的にはどのようなものが該当するのか資料集p1で確認し、収入のすべてが使えるわけではなく、収入から非消費支出を差し引いた範囲で生活する必要があるという点をイメージさせることが重要であるとの説明がありました。
 収入と非消費支出を生活設計・マネープランシートに書いた後、基本生活支出カードを引いて支出を決めます。その後、自動車を購入するかどうか決め、20歳代の収支と思い出ポイントをまとめました。

 続いて30歳代の人生体験です。
 30歳代では、さまざまなライフイベント(結婚・子育て・住居の購入・自動車の購入・保険の選択・イベント&アクシデント)と、それらにかかる費用について体験していきます。
 人生の三大資金と結婚資金については、進行スライドと資料集p4,5で確認をしました。その後、結婚カード、子育てカードを引いて家族構成が決まりました。非消費支出は、収入と家族構成で変わる点がポイントなので、そのことを生徒たちに気づかせて欲しい旨、講師から説明がありました。
 家族構成が決まった後、住居の購入を考えます。資料集p6,7で ローンの仕組みを確認しました。ローンを考える際には、「金利」、「期間」、「頭金」の3つが重要です。ここまでの貯蓄額を確認し、住居を購入するか、賃 貸にするか話合いました。次に自動車の購入、保険に入るかどうかを決めた後、イベント&アクシデントカードを引きます。人生には、思いもよらない出来事が 起こる場合があり、アクシデントの種類によっては保険加入によって、アクシデント支出が補てんされる場合があることなども体験しました。
 30 歳 代までの人生を振り返り、いくつかの班に結果と、40歳代以降どのようにしたらよいかを発表してもらいました。共通する条件の班であっても異なる結果と なった班があり、授業ではどのような判断で違いが生じたかを確認することで理解が深まるといったポイントについて、講師から説明がありました。

 実際の授業では、「収入と支出とバランス」、「選択と責任」について生徒に考えさせることの重要性や、グループ活動とすることで生徒同士が将来について話しあうことで、さまざまな価値観があることに気づくことができるという授業の効果について、講師から伝えられました。
 また、40歳代~60歳定年までの人生体験は、30歳代までの偶然性とは違い、転職を考えたり、生活設計を見直したりできる選択性の仕組みになることも伝えられました。

 最後に講師から、「生活設計・マネープランゲーム」は、中学校の公民、経済分野の導入としての活用実績が多いことを説明し、それぞれの学校や生徒たちの状況に合わせた使い方をしていってほしい旨伝えられ、セミナーは終了しました。

使用教材