第1部:東京手形交換所見学
第2部:“授業で使える”金融・経済教育プログラム体験ワークショップ
平成24年8月22日(水) 14:00~17:00

レポート

杉並教育研究会中学校社会科部会

 全国銀行協会において、杉並教育研究会中学校社会科部会が実施されました。 
 当日は、東京都杉並区の中学校の社会科教員等19名が参加し、東京手形交換所を見学した後、全銀協が作成した金融経済教育プログラム「大好きなアーティストから考える あなたと銀行のかかわり」を活用した模擬授業を体験するワークショップを行いました。

 東京手形交換所では、企業間の決済に欠かせない手形や小切手の仕組みと役割、手形交換の流れについてVTRを見ながら説明を受けた後、交換所で使用されている機械のデモンストレーションや金融機関間で手形・小切手の受渡しが行われる場所などを見学しました。

 ワークショップでは、金融経済教育の必要性を再確認することから始まり、教材の特徴について映像を見ながら説明を受けた後、教員役である講師の進行で、先生方は生徒の立場で教材のワークシートを使った模擬授業を体験しました。 
 ワークシートは、教科書と連動し、金融・経済単元への興味関心を高め知識習得につなげる基本授業「あなたとアーティストにかかわる銀行の役割」と、習得した知識をもとに金融について考え理解を深める発展授業①「銀行の役割:資金仲介」および発展授業②「金融機関の業務:融資」の3種類です。 
 基本授業のワークは、「中学生が自分の好きなアーティストのDVDを買う」という身近な事例からお金の流れを考え、銀行の役割である資金仲介を理解するものです。DVDを購入するために代金を振り込んでから、アーティストに印税が届くまでのお金の流れを、まず、先生ひとりひとりが生徒の立場でワークシートに書き込み、次に4~5人のグループで話し合ってグループとしての結論を出し、ホワイトボードに書き出して全体で共有しながら正解に導きます。 
 発展授業①のワークでは、社会を支える様々な仕事の人にとってのお金を借りることのメリット・デメリットや、企業がお金を借りることでどんなことが実現できるようになるかを考え、資金仲介が世の中で果たす役割についてディスカッションをとおして理解を深めます。
 発展授業②のワークでは、3つの企業への融資の事例について、貸出を行う銀行員の立場で考えることで、貸出を行うとき・借りるときに大事なことは何かを学びます。 
 講師からは、実際の授業の流れを想定したそれぞれのワークにおいて、個人で考える→グループで話し合う→クラスで共有する、といった活動の流れや、指導のポイント、生徒用テキストブックの活用などについて、説明がありました。(授業進行の詳細はティーチャーズガイドに掲載されています。)

 ワークショップに参加した先生からは、身近な事例を題材にしたワークシートに生徒が興味関心をもって取組むことができる、金融単元の授業に生かすことができそうとの評価がありました。

使用教材