テーマ:金融経済教育について~授業で使える体験ワークショップ~平成26年8月4日(月) 10:55~12:05

レポート

千葉県教育委員会

 千葉県教育庁教育振興部指導課主催の教員研修に講師を派遣し、教員約40名を対象として、金融経済教育についての講話と、カードゲーム教材の体験を行いました。 
 初めに、高校生お金に関する認識度についてクイズを通して確認しました。お年玉をどうしているか、年利2%の利子の計算などクイズの正答率から、暮らしで活かせる金融の知識が不足していることが分かりました。また、高校を卒業してから金融に関する正しい知識を学ぶ機会が少ないことから、高校生までに「金融リテラシー」を身に付けることの必要性・重要性を確認しました。 
 続いて、金融経済教育の目的と内容について、金融広報中央委員会の「金融教育プログラム」に沿って説明をしました。そして、金融経済教育を巡る動きとして、「金融経済教育研究会」の報告書(25年4月)、消費者推進基本方針(25年6月)について説明しました。 
 次に、全銀協が実践している金融経済教育活動について、どこでも出張講座金融経済教育研究指定校制度、千葉県における教材を活用した授業実践例などを紹介しました。 

 後半は、「生活設計・マネープランゲーム」の教材体験を行いました。通常は、生徒4~6人で1つのグループになりますが、今回は2~3人で1つのグループとして体験しました。ゲームは引いたカードで収入と支出が決まります。20代から10年ごとに、結婚や住居などの選択をしていき、選択に伴う費用とともにワークシートに記入します。30代までゲームが進行し、50分授業で活用する場合はいったんゲームを中断し、振り返りを行うとよいことを確認しました。 
 続いて、40代以降のゲームを継続します。40代と50代では、様々なイベントやアクシデントのカードを引きます。最後にワークシートに記入した結果を発表しながら振り返りを行います。 
 実際の授業で活用する場合には、班ごとの結果を黒板やホワイトボードの一覧に書き出し、比較検討させること、家族構成や貯蓄額、思い出ポイントから、どんな点に気を付けて生活設計やマネープランを考えていけばよいのかを考察させること、非正規社員と正社員の生涯賃金を確認した上でゲームを実施することで、より身近で現実的な考え方ができるようになるなど、ゲーム体験が生徒たちにとってより効果的になるポイントを講師が説明しました。 

 小学校・中学校・特別支援学校・高等学校の教員が参加した研修となりましたが、講師からは、全銀協の金融経済教育に関する支援を活用しながら、それぞれの学校段階に合わせた金融経済教育を実施していって欲しい旨が伝えられ、研修は終了しました。

使用教材