はじめに

 「銀行とりひき相談所」は、銀行に関するさまざまな相談・照会および銀行に対する意見・苦情等を受付けるための窓口として、全国51の各地銀行協会が設置・運営している。これらの活動を通じて、一般消費者の銀行利用を促進し、銀行取引を巡るトラブルの解消に役立てるとともに、銀行業務改善の一助としている。また、多重債務問題への対応、より健全で適正な消費者信用市場の育成に貢献するとの観点から、19年4月よりクレジット・カウンセリングの機能強化を図り、利用対象、利用目的の拡充などを行った。以下では、東京銀行協会(以下「東銀協」という。)の取扱状況を中心に平成19年度の全国51相談所の取扱状況を説明する。

平成19年度の取扱状況

1.本年度の概況(東京)

 19年度の特記事項としては、9月末の金融商品取引法の全面施行、12月の保険商品の銀行窓販の全面解禁が挙げられるが、相談所にも関連の相談・照会があった。また、20年2月に発表された盗難通帳やインターネット・バンキングによる預金等の不正払戻しへの対応についての全銀協申し合わせに関する照会等も相次いだ。全般的に見ると、まず、預金業務に対する相談等については、前年度比6%の減となった。しかし、高齢化社会への移行に伴う高齢者名義の預金の払戻し、預金の相続手続きに関する相談等は年度を通じて比較的多く寄せられた。
 預金については、さらに、年度後半にかけてサブプライムローン問題に関連して銀行経営全般に対する相談等が増加した。
 一方、貸出業務については、とりわけ、住宅ローンに関する相談等は、改正建築基準法の施行により住宅着工件数が減少したこともあり、同10%強減少した。
 また、誤って振り込んだ場合の振込先からの資金返還(組戻し)の手続きやその際の手数料の問題に関する相談・苦情が多く寄せられたものの、19年1月に本人確認法(当時)が改正され、その直後に増加した10万円超の現金振込の際の本人確認の手続きについての相談・照会等が19年度は大幅に減少したことを受け、為替業務については同30%の減少となった。

 

2.取扱件数

 平成19年度の取扱総件数は12,111件となり、前年度(12,289件)に比べ1.4%の減少となった(図1参照)。このうち相談・照会件数は10,840件、取扱件数全体で見ると、内容別構成比は、預金業務28.2%、貸出業務14.7%、為替業務9.8%、手形・不渡4.3%となっている(参考1参照)。一方、苦情・要望は1,271件、取扱総件数全体に占める割合は10.5%であった。なお、「苦情の受付と解決促進に関する規則」の改正により、平成19年11月受付分から、従来の「クレーム等」および「苦情・要望」を「苦情」として一本化された。
 月平均取扱件数は1,009件(前年度1,024件)であり(図2参照)、1日平均取扱件数は50件(同50件)であった。
 東京の取扱件数の全国に占める割合は29.6%と年々増加する傾向にある(平成18年度27.3%、平成17年度26.0%)(参考12参照)。
 なお、銀行とりひき相談所ヘの相談の手段は、電話によるもの(11,812件、97.5%)が大宗を占め、来訪によるもの(212件、1.8%)、封書・はがき等文書によるもの(87件、0.7%)は僅かであった。

 

図1 取扱総件数とその内訳(構成比:%)

 

図2 銀行とりひき相談所月別取扱件数(全国・東京)

 

3.相談・照会、クレーム等、苦情・要望の主な内容等

(1)相談・照会の具体的内容(東京)
[1]預金業務に関する相談・照会としては、次のような事例があった。

  • 夜間や休日に、ローン契約機で預金口座を開設することができる銀行があると聞いたが、開設する際の条件を知りたい。
  • 「ボランティア普通預金」という預金商品があると聞いたが、どのようなものか。
  • 盗難通帳等による不正な払戻しについて、新たな対策がとられることになるとの新聞記事を見たが、これまでの取扱いとはどう違うのか。
  • 預金取引があるが、成年後見人等について取引銀行の支店に届出をする必要があるのは、どのような場合か。
  • 認知症の母親名義の預金を、四人兄弟の長男が勝手にATMから引き出していることが判明した。長男は、母親の通帳、印鑑、キャッシュカード、権利書等一切を持ち出し、母親の法定後見人の申請もしている。既に相当な額を引き出しているようで、何に使っているか不明である。このままでは、相続の際にも問題となるので、ATMからの引き出しを止めさせる方法はないか。
  • 母親が高齢であるため、事故防止等のことを考えて、生体認証のICキャッシュカードを作成してもらったが、娘である自分もICの代理人カードを作成してもらえるか。
  • 生体認証のICキャッシュカードは、コンビニや他行のATMでも利用できるか。
  • 海外で発行されたPLUSもしくはCirrus対応のキャッシュカードとかクレジットカードで、国内の銀行のATMから日本円の引き出しができると聞いたが、どこの銀行で取り扱っているのか。
  • 定期預金の消滅時効に関して、最高裁の判決が出たと聞いたが、どのような内容か。
  • 被爆者が特別マル優(少額公債利子非課税制度)の適用を受けるために申告する際の確認書類は、被爆者健康手帳でもよいか。

[2]貸出業務
(消費者ローン)  カードローンや高利借入分の肩代り融資に関する相談・照会としては、次のような事例があった。

  • 複数のローンを一本化したいが、銀行の営業エリア内に居住していなくても、無担保借換ローンを利用することは可能か。
  • ケアハウスに入居したいが、自宅に居住しない場合でもリバースモーゲージを利用することは可能か。
  • 年金受給権を担保に独立行政法人福祉医療機構から借入れをしようと思っているが、どこの銀行で取り扱っているのか。

(住宅ローン)  貸出に関する相談・照会のうち、住宅ローンの占める割合は40%強となっており(図5参照)、次のような事例があった。

  • 地震等の自然災害により住宅ローンの融資を受けている建物が損壊した場合、返済金額の一部が免除される住宅ローンがあると聞いたが、どのようなものか。
  • 現在住んでいるマンションが、現行の耐震基準を満たしていないことから、改修工事を行った。改修工事費用の一部を所得税額から控除することができると聞いたが、どういうものか。

(事業資金)  アパートローンの金利等条件変更や担保の追加、保証人の変更などの相談・照会が多く寄せられたほか、次のような事例があった。

  • 先日、テレビで「エコローン」とか「エコファンド」について放映していた。当社は、環境に配慮した製品を作っており、融資条件が優遇されるエコローンといった商品を扱っている銀行はどこか。
  • ノンリコースローン(借主責任限定型)とはどのようなローンなのか。また、扱っている銀行はどこか。

[3]為替業務
(内国為替関係)  振込・送金および手数料に関する相談・照会が多く、次のような事例があった。

  • 振り込め詐欺の被害金を返還する法律ができたというニュースを見た。自分も振り込め詐欺に遭い、振り込んだお金がまだ犯人の口座に残ったままになっている。どうすれば、お金は戻ってくるのか。
  • A銀行からB銀行に10万円の誤振込をした。B銀行の口座は不活動口座であり、その預金者とは連絡が取れないため、3週間経っても振り込んだお金が戻ってこない。どうしたらよいのか。
  • 当社の預金口座に心当たりのない先から1万円の振込があった。振込金をそのままにしておくことはできないので、取引銀行から仕向銀行に振出人の連絡先を照会してもらったが、回答が得られない。どうしたらよいか。

(外国為替関係)  外貨両替、海外送金に関する相談・照会が多く、次のような事例があった。

  • 中国から日本の法人宛に5万円相当の振込があったため、払い戻そうとしたら、法人の登記事項証明書等の提示を求められた。どうしてなのか。
  • アメリカ国内の銀行が個別に保有する9桁の銀行番号のABAナンバーの一覧表はないか。

[4]手形・不渡
 手形・小切手の振出、取立て、裏書方法、第2号不渡り時の異議申立て、同預託金の返還に関する相談・照会が多く、次のような事例があった。

  • 額面10万円を超える小切手を銀行の窓口に持参し、資金化しようとしたところ、本人確認書類が必要だといわれた。どうしてなのか。
  • 最近、当座預金口座を利用しなくなったので、解約しようと銀行に出向いたら、未使用の小切手用紙の返還を求められた。紛失した旨伝えたら、未使用小切手1枚につき42円の手数料を求められた。一般的な取扱いか。
  • 約束手形に貼付する印紙は、登記印紙でも構わないか。

[5]証券業務
 証券業務に関する相談・照会については、次のような事例があった。

  • 株券の電子化に伴い、銀行に担保として預けてある株券の取扱いはどうなるのか。
  • 個人向け国債を中途換金した場合の換金(国が買い取る)金額の計算方法が、平成20年4月15日以降、変更されるとのことだが、どういう内容か。
  • 投資信託を購入しようとして銀行から説明を受けたが、「基準価額」がどういうものかよく分からなかったので、教えてほしい。

[6]その他業務
 上記[1]~[5]の業務以外は「その他」で区分けしているが、支店の統廃合等に伴う支店所在地、電話番号、金融機関共同コード、店番号の照会が多かったほか、個人信用情報センターの情報開示についての照会、口座振替、貸金庫等保管サービス、円貨の両替手数料、クレジットカードの利用等があり、総件数に対する「その他」の割合は30%強を占めており(図1参照)、次のような事例があった。

  • 実父が亡くなったので、金融機関等からの借入があるかどうか確認したい。亡き実父の個人信用情報センターの情報開示を子供が受けることは可能か。
  • 銀行窓口に設置してある受付番号表示機で、視覚に障害のある者でも見やすくした新型の機械を入れた銀行があると聞いたが、どこの銀行か。
  • 全国銀行協会では、耳の不自由な方や外国人などコミュニケーションに不安のある銀行利用者が、銀行の店頭において、より安心して取引できるように、業界に共通した絵記号デザインを作成したとのことだが、どのようなものか。
  • 硬貨にギザギザや穴があるのは、どうしてか。

 

(2)苦情・要望の具体的内容(東京銀行協会の事例)  苦情・要望は取扱件数全体の10.5%であるが、申出内容は多岐にわたっている。苦情・要望全体としてみると、預金業務関係が37.8%、貸出業務関係が18.8%、為替業務関係が14.4%を占めており、次のような事例があった。

  • 大口定期預金を中途解約して高利回りの金融商品に預け替えようとしたら、中途解約利息は一銭も付かないといわれた。預金者にとって、不利益になることは、預入時に説明しておくべきではないか。
  • 銀行の通帳を3か月間記帳しなかったら、合算記帳されていた。このため、3月の期末の取引明細が分からず困っている。当座開設時には、そのような説明は受けていない。
  • ATMで誤振込をしたが、振込金を返してもらうのに組戻手数料がかかり、さらに再振込手数料がかかるという。誤振込をした場合、組戻手数料と再振込手数料がかかることを事前に銀行利用者に周知しておくべきである。
  • 最近、中国人業者が海外で独自のサイトを立ち上げて、日本の銀行口座に代金を振り込ませた後、海外から偽造ブランド品を出荷、販売している。当方はその事実を把握しており情報を提供するので、偽造ブランド品の販売代金の振込口座に対して銀行として必要な措置を講じてもらいたい。

(各地銀行協会の事例)

  • キャッシュカードの暗証番号を忘れてしまい、数回ATMを操作したところカードがATMに回収されてしまった。銀行に確認したところ、カードを新たに発行するしかなく、手数料が1,050円かかるといわれた。暗証番号は身元確認さえできれば教えてくれても良いのではないか。どうしてもそれが無理であるなら、カード再発行手数料を免除してほしい。(関東)
  • 銀行と40年以上の取引をしており、これまで妻名義の預金も夫である私が出し入れしてきた。今回、妻名義の定期預金を解約し、高齢かつ認知症発症の妻のため特別養護老人ホームへの入所資金に充当したいと申し出たところ、成年後見制度の利用が必要といわれ解約を断られた。(東海)
  • 父は85才になる。軽い認知症と診断されたが、普通に日常生活をしており、判断能力もある。にもかかわらず、銀行は成年後見人を選任しなければ父の預金の支払には応じられないと言われた。先日も父と一緒に銀行に行き預金の払戻しを依頼したが、断られた。銀行の対応は、怪しからん。(近畿)
  • 夫が死亡し、法定相続人は私と夫の父母であるが、夫は自筆証書遺言で私に全財産を譲るとしており、裁判所の検認手続きをした。銀行に夫の預金の払戻請求をしたら、父母の了解が必要といわれた。遺言書があるのに、銀行の要求は納得できない。(近畿)
  • 先日、ある人との示談が成立し、示談金が銀行口座に振り込まれてきた。ところが、その後すぐに銀行が預金勧誘の電話をしてきた。確信はないが、銀行は振込があることを知って電話してきたと思われる。私の預金取引の内容を知っているのはおかしいのではないか。個人情報の漏洩に当たらないか。(近畿)
  • 昨年1年間で同じ銀行の窓口において6回も海外送金をしている。今回、急いでいたので外国為替送金取扱依頼書に記載すべきアイバンコードのDE(ドイツ)を漏らしてしまい、振込不能との連絡が1週間ぐらい経過してからあった。いつもドイツに送金しているのに取扱依頼書の受付の時点で、何故、漏れていることをフォローしてくれなかったのか。不満である。(東海)
  • 銀行で30年前にカードローンの契約をしたが、これまで、利用残高の通知は一度もなかった。今回、利用残高の通知があり、現在の利用残高は分かったが、これまでの残高推移の分かる残高証明書の発行を依頼したら手数料が必要といわれた。このカードローンは、利用残高が減れば、毎月の返済額も残高にスライドして減額するため、元本部分の返済が先送りとなり、常に銀行の収益に貢献する仕組みになっている。契約上は有効かも知れないが、商品性に問題がある。納得できない。(近畿)
  • 硬貨で入金したところ、明日から多量の硬貨の入出金には手数料がかかるようになるといわれ、「窓口現金整理手数料表」を見せられた。多量の硬貨の入出金であれば、手数はかかるかも知れないが、硬貨計算機で計算すれば簡単なことではないのか。預金をするのに、手数料を取るのは一方的過ぎる。(近畿)
  • 定期預金の書替のため銀行に出向いたところ、投資信託を勧められた。定期預金でよいと言うと、嫌な顔をされた。銀行は手数料の儲かる商品ばかり売ろうとして顧客のことを考えていない。(近畿)
  • 2年前に住宅ローンを借り換え、返済期間を8年に短縮したが、その際、これまでどおり住宅借入金等特別控除は適用されるとの説明を受けた。先日、銀行から連絡があり、「返済期間が10年未満でも住宅借入金等特別控除は適用されると説明したが間違いであった。申告をやり直してほしい。」といわれた。今更、間違いだったといわれても納得できない。すべての責任は銀行にあるので、本来、控除されるべき税金相当分を弁償してもらいたい。(北陸)
  • 母の話では、銀行の渉外担当者から、成績を上げるためクレジットカードの申込みを依頼され、母名義と父名義で各3枚、計6枚のクレジットカードを作成したとのことである。両親は高齢(母は70才以上、父は80才以上)で、6枚ものクレジットカードの申込みをさせるのはひど過ぎる。高齢者に複数枚のクレジットカードを勧めるようなことは止めるように銀行に伝えてほしい。(近畿)

 

(3)東京3弁護士会「仲裁センター」等の利用 平成11年10月から東京の3弁護士会(東京、第一東京、第二東京)との間で、各弁護士会が設置・運営する「仲裁センター」への取次ぎを行っているが、本年度の仲裁センター利用はなかった。 また、東銀協や各地銀行協会の銀行とりひき相談所に申し出があった証券業務に係る苦情については、日本証券業協会の「あっせん制度」の利用の取次を行うこととなっているが、本年度の取次件数は2件であった。

 

(4)カウンセリングの状況 東銀協では平成19年4月から銀行のローンを利用していない者もカウンセリングの対象に加え、新たに電話による相談も受け付けるとともに、カウンセリング日も週2回に拡充した。更に、11月から受付時間を19時まで3時間延長したことから、カウンセリングサービスの利用に関する照会が全国各地から、1,400件(月平均116.6件)と多数寄せられ、電話による相談を中心に本年度のカウンセリング実施件数は658件(月平均54.8件)となった。[参考4参照

 

図3 取扱総件数の預金の内訳(構成比:%)

 

図4 預金の安全性に関する相談・照会の件数の推移

 

図5 取扱総件数の貸出の内訳(構成比:%)

銀行とりひき相談所認知媒体調査等

 東銀協では、毎年12月に利用者の相談所認知媒体について聞き取り調査を行っている。
 それによると、既認識者・利用者(24.5%)、銀行協会への電話(17.0%)、他機関からの紹介(15.7%)、全銀協ホームページ(14.6%)、協会・相談所のパンフレット(13.4%)、電話帳・番号案内(8.6%)、によるものが上位を占めた(表参照)。
 また、今回は利用者の年齢層に関する調査を併せて行った。その結果をみると40・50才代の利用が42.7%と最も多く、次いで60才以上の30.2%となっているのに対し、20・30才代は20.0%にとどまっている。ここ数年の傾向として、高齢者の利用が増えつつある。

 

表 銀行とりひき相談所の媒体調査(東京)

項目男性(人)女性(人)合計(人)構成比(%)昨年(%)
新聞広告・記事57121.53.0
雑誌広告・記事1115263.32.0
電話帳・番号案内3236688.610.8
銀行協会への電話914413517.030.0
既認識者・利用者1009519524.522.9
他機関からの紹介606512515.714.5
協会・相談所のパンフレット ※1594710613.44.3
全銀協ホームページ ※2843211614.611.1
その他83111.41.4
小計450344794100.0100.0
不明・回答なし11367180  
合計563411974  
※1
テレビ広告・ラジオ広告を含む。パンフレットには「カウンセリングサービス」も含む。
※2
平成19年度からネット広告を実施した件数を含む。

全銀協ホームページにおける「意見・要望」の受付

 19年度中に全銀協ホームページに寄せられた意見・要望は全部で986件にのぼり、個別銀行・商品への意見・批判に関するもの、不当請求・振り込め詐欺等の情報提供に関する意見・要望が目立った。
 主な意見・要望等の内容では、個別銀行・商品への意見・批判に関するものが274件(27.8%)と最も多く寄せられた。このほか、不当請求・振り込め詐欺等の情報提供が189件(19.2%)、全銀協作成資料「MOREBANK」の転載希望・ホームページへの意見・リンク希望・冊子送付希望(28件)、意味不明な意見(同一人)(28件)、元勤務先金融機関に対する意見(26件)、架空名義口座等金融犯罪に関する意見(23件)、ATMにより提供されるサービスに関する意見(21件)、諸手数料に関する意見(振込・両替等)(21件)、個人信用情報センターの登録情報に対する意見・要望(20件)、本人確認書類・手続き等についての意見(20件)、金融商品についての意見・提案(同一人)(14件)、ゆうちょ銀行に関する意見・照会・質問(8件)、聴覚・視覚障害者への銀行の対応に関する意見・要望(7件)、営業日・営業時間に関する意見・照会(7件)、個別銀行にメール・ファクシミリによる受付を望む(含む電話代銀行負担)(7件)、の順となっている。これらは、銀行とりひき相談所取扱状況報告と併せて取りまとめのうえ、業務委員会・理事会に報告している。

その他

 銀行とりひき相談所では、かねてから消費者行政機関、消費者団体等との相互連携を図っているが、本年度も国民生活センターはじめ各消費者団体等の研修会へ参加し、交流を深めた。
 また、銀行とりひき相談所の運営に関し、外部有識者の意見を聴取する目的で設置された「銀行とりひき相談所運営懇談会」(名簿は参考5参照)を年2回開催し、当相談所も事務局として参加した。さらに、「銀行とりひき相談所相談員研修会」の第5回会合を平成19年9月に、「銀行とりひき相談所全国連絡会議」の第8回会合を11月にそれぞれ開催し、当相談所も事務局・研修生として参加した。

 

[東京銀行協会 業務部銀行とりひき相談所]

参考1銀行とりひき相談所取扱状況(東京) (単位:件、構成比:%)


19年度18年度17年度
取扱件数構成比取扱件数構成比取扱件数構成比
相談・照会[1]預金業務2,93124.23,10925.33,39326.5
[2]貸出業務1,54112.71,77614.52,19817.2
(うち住宅ローン)(655)(5.4)(753)(6.1)(1,081)(8.4)
[3]為替業務1,0008.31,42311.61,0117.9
[4]手形・不渡5104.25454.45764.5
[5]証券業務1651.41521.21721.3
[6]その他4,69338.73,80430.94,32633.8
10,84089.510.80987.911,67691.2
クレーム等[1]預金業務5454.44033.1
[2]貸出業務2442.02031.6
(うち住宅ローン)(104)(0.8)(94)(0.7)
[3]為替業務2341.91100.9
[4]手形・不渡200.290.1
[5]証券業務350.3270.2
[6]その他3202.62592.0
1,39811.41,0117.9
苦情・要望[1]預金業務4814.0300.2540.4
[2]貸出業務2392.0100.1140.1
(うち住宅ローン)(104)(0.9)(2)(0.0)(9)(0.1)
[3]為替業務1831.5110.1200.2
[4]手形・不渡140.100.010.0
[5]証券業務500.470.120.0
[6]その他3042.5240.2290.2
1,27110.5820.71200.9
12,111100.012,289100.012,807100.0

参考2銀行とりひき相談所取扱状況(全国) (単位:件、構成比:%)


19年度18年度17年度
取扱件数構成比取扱件数構成比取扱件数構成比
相談・照会[1]預金業務9,11922.39,18420.410,22020.8
[2]貸出業務6,86016.88,44718.89,41119.1
(うち住宅ローン)(2,396)(5.9)(3,033)(6.7)(3,484)(7.1)
[3]為替業務2,5886.33,2217.13,1766.5
[4]手形・不渡2,0685.12,1484.72,2334.5
[5]証券業務5201.35521.26361.3
[6]その他17,54542.918,53141.120,80942.3
38,70094.742,08393.446,48594.4
クレーム等[1]預金業務8962.07911.6
[2]貸出業務5711.35531.1
(うち住宅ローン)(209)(0.5)(206)(0.4)
[3]為替業務3220.71740.4
[4]手形・不渡280.1140.0
[5]証券業務710.1560.1
[6]その他4841.14771.0
2,3725.32,0654.2
苦情・要望[1]預金業務7761.91890.42670.5
[2]貸出業務5441.31970.41920.4
(うち住宅ローン)(210)(0.5)(64)(0.1)(67)(0.1)
[3]為替業務2490.6530.1490.1
[4]手形・不渡190.020.040.0
[5]証券業務980.2180.090.0
[6]その他4881.21270.31660.3
2,1745.35861.36871.4
40,874100.045,041100.049,237100.0
(注)
参考1、2の19年度からのクレーム等は苦情・要望の件数に含む。

参考3各地銀行協会銀行とりひき相談所取扱状況(平成19年度中)(単位:件)


協会名
相談・照会苦情・要望合計
19年度中18年度中17年度中
札幌1,222271,2491,5381,351
青森県22811239282356
岩手県1561157204205
宮城県51815533672756
秋田県1598167235190
山形県17013183260242
福島県30422326379396
茨城県54536581672450
栃木県3375342446456
群馬県46418482712809
埼玉県1,204151,2191,5231,854
千葉県819558741,2281,472
東京10,8401,27112,11112,28912,807
横浜1,186141,2001,1931,092
新潟県69329722697627
山梨県5557562690950
長野県34011351414485
静岡県44239481677849
富山県2246230228274
石川県30113314271278
福井県14416160175185
岐阜1203123115194
大垣1710171201177
名古屋2,284372,3212,5782,650
90090125104
滋賀県69134725595477
京都869218909751,015
大阪4,4551444,5995,3716,839
神戸1,573501,6231,8441,809
奈良県29710307351393
和歌山29212304407438
鳥取県807879481
島根県1377144168161
岡山県26456320435529
広島県94419451,0681,388
山口県2444248219298
徳島県1826188205223
香川県3419350458650
愛媛県2707277365444
高知県1790179157161
北九州30724331394484
福岡2,116382,1541,7611,767
久留米101310495130
佐賀7112837071
長崎2153218247371
佐世保10010110115146
熊本県39111402385447
大分県1450145176229
宮崎県2190219273318
鹿児島県34722369432454
沖縄県35411365577705
38,7002,17440,87445,04149,237

参考4カウンセリングサービス実施状況(平成19年度)

カウンセリングサービス実施件数は658件と著増した。実施日数は102日で1日あたり6.5件である。

(1)利用者の属性

性別件数
391件
267件
応対方法件数
来所53件
電話605件
平均年齢47.6歳(最高齢83歳、最年少20歳)

 

(2)債務状況

 債務(契約)口数債務金額
1人当り平均4.9口1,046.1万円
金融機関別当該機関との
平均契約口数
当該機関からの
平均債務金額
銀行(注)2.1口1,219.3万円
消費者金融3.7口272.3万円
信販会社2.8口226.7万円
(注)
銀行欄の「当該機関との平均契約口数」は、銀行に債務がある者について、当該債務者の銀行との融資契約口数の合計を同債務者数で除した口数を示す(「当該機関からの平均債務金額」も、同様に、銀行に債務がある者について、当該債務者の銀行からの債務額の合計を同債務者数で除したもの)(以下、消費者金融、信販会社についても同じ)。

 

(3)原因別

債務の原因件数
生活費不足147
収入減127
投資・事業失敗67
家族の債務(親の債務、介護費用等を含む)48
本人の病気46
教育資金41
遊興費・ギャンブル等34
離婚30
住宅ローンの返済困難29
その他(相続、免許取得等費用 その他)89
合計658

 

(4)結果
 カウンセリングを行った結果、カウンセラーが取り次いだ先は以下のとおり。

1.法テラス(民事法律扶助)を紹介273
2.弁護士会を紹介202
3.その他118
 (簡易裁判所)(69)
 (住宅金融支援機構)(11)
 (弁護士会・司法書士会)(10)
 (労働金庫)(7)
 (独立行政法人福祉医療機構)(5)
 (消費生活センター)(3)
 (弁護士)(3)
 (信用情報機関)(2)
 (行政)(2)
 (国民生活金融公庫)(1)
 (中小企業振興公社)(1)
 (公証人役場)(1)
 (弁護士会クレサラ相談センター)(1)
 (年金受取銀行)(1)
 (全国しんきん相談所)(1)
4.カウンセリングのみで終了129
5.銀行を紹介41
6.日本クレジットカウンセリング協会を紹介6
合計769
(複数の先を案内をしている場合もあるので合計件数がカウンセリング件数とは一致しない)

 

(5)都道府県別実施件数(平成19年度)

参考5「銀行とりひき相談所運営懇談会」外部有識者(敬称略)

【法律学者】(座長)
岩原紳作 東京大学大学院法学政治学研究科教授
【消費者行政機関代表】
井口尚志 独立行政法人国民生活センター相談調査部長
【消費者団体代表】
大谷聖子 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会消費者相談室副室長
夷石多賀子 日本女子大学非常勤講師・民事調停員
丹野美絵子 全国消費生活相談員協会常任理事関東支部長
【弁護士会仲裁センター代表】
中村芳彦 弁護士法人弁護士事務所リエゾン弁護士

(注)役職は平成20年3月現在。