都市銀行(特定取引勘定設置銀行8行)

  1. 資金運用収益・費用をみると、収益は3兆8,329億円(前中間期比4,738億円、11.0%減)、費用は1兆5,215億円(同7,100億円、31.8%減)となり、資金運用益は、2兆3,114億円(同2,362億円、11.4%増)と前中間期の減益から増益に転じた。
    国内業務部門をみると、収益は、国内金利水準の低下および貸出金の減少(平残で前中間期比2.3%減)等により貸出金利息が減少したほか、会計基準の変更により金利スワップ受入利息が大幅に減少した結果、全体では大幅な減少となった。一方、費用は、国内金利水準の低下等により預金利息等が減少したほか、会計基準の変更により金利スワップ支払利息が大幅に減少した結果、全体では大幅な減少となった。収益、費用ともに減少したものの、後者の減少額が前者のそれを上回ったことから、国内業務部門の資金運用益は前中間期の減益から増益に転じた。
    また、国際業務部門をみると、収益は、外国証券残高が増加したことなどにより有価証券利息配当金が増加したものの、海外業務の縮小に伴う貸出金の圧縮(平残で前中間期比10.7%減)等により貸出金利息等が減少したほか、会計基準の変更により金利スワップ受入利息が大幅に減少した結果、全体では大幅な減少となった。一方、費用は、海外金利水準の低下および預金残高の減少(平残で前中間期比7.8%減)等により預金利息が減少したほか、会計基準の変更により金利スワップ支払利息等が大幅に減少した結果、全体では大幅な減少となった。収益、費用ともに減少したものの、後者の減少額が前者のそれを上回ったことから、国際業務部門の資金運用益は前中間期の減益から増益に転じた。
  2. 役務取引等収益・費用をみると、その他の役務費用が増加したものの、投資信託販売の拡大等により、その他の役務収益が増加したことから、収益超過額は3,148億円(前中間期比130億円、4.3%増)となった。
  3. 特定取引収益・費用をみると、特定金融派生商品収益および商品有価証券収益が増加したことなどにより、全体の収益超過額は1,913億円(前中間期比956億円、99.9%増)となった。
  4. その他業務収益・費用をみると、堅調な債券相場に伴い、国債等債券売却益が大幅に増加したことなどから、国債等債券関係損益は前中間期の損失超過から大幅な収益超過に転じた。その結果、全体の収益超過額は3,160億円(前中間期比2,530億円、401.9%増)となった。
  5. その他経常収益・費用をみると、株式相場の低迷による株式等売却益の大幅な減少や、株式の減損処理による株式等償却の大幅な増加が見られたことから、株式等関係損益は前中間期の収益超過から大幅な損失超過(8,327億円)に転じた。また、不良債権処理の前倒し処理を積極的に進めたことなどにより一般貸倒引当金繰入額が大幅に増加したほか、貸出金償却も増加した。その結果、全体の損失超過額は2兆3,386億円(前中間期3,981億円の損失超過)となった。
  6. 営業経費は、リストラ等経営全般にわたる合理化・効率化を進めたことにより、国内業務部門の人件費が大幅に減少したものの、経営統合にかかる物件費が増加した結果、1兆4,857億円(前中間期比373億円、2.6%増)と前中間期の減少から増加に転じた。
  7. 以上の結果、経常利益は前中間期の黒字(7,153億円)から6,723億円の赤字に転じた(減益3行、経常損失5行)。また、中間利益も、前中間期の黒字(2,744億円)から3,782億円の赤字に転じた(増益2行、減益1行、中間損失5行)。
  8. 参考までにみると、業務純益は1兆5,975億円(前中間期比3,366億円、26.7%増)となり、国内業務粗利益は2兆3,868億円(同2,224億円、10.3%増)、国際業務粗利益は7,719億円(同3,651億円、89.8%増)となった。また、国内業務部門の総資金利鞘は、前中間期比0.03%ポイント拡大して、0.51%となった。
    リスク管理債権については、破綻先債権額は、銀行勘定で9,742億円(前期末比242億円、2.5%増)、信託勘定で14億円(同2億円、13.5%減)、延滞債権額が、銀行勘定で7兆8,230億円(同1,967億円、2.6%増)、信託勘定で94億円(同22億円、18.9%減)、3カ月以上延滞債権額が、銀行勘定で4,957億円(同311億円、6.7%増)、信託勘定で18億円(同1億円、5.6%増)、貸出条件緩和債権額が、銀行勘定で5兆5,631億円(同1兆7,280億円、45.1%増)、信託勘定で48億円(同17億円、56.0%増)となった。リスク管理債権額の合計は、銀行勘定で14兆8,562億円(同1兆9,799億円、15.4%増)、信託勘定で176億円(同6億円、3.3%減)であった(信託勘定については、元本補填契約のある信託勘定の計数)。
    なお、金融再生法第7条に基づき開示が義務付けられている資産査定の各区分の内容は、それぞれ破産更生債権及びこれらに準ずる債権が2兆3,456億円(前期末比507億円、2.2%増)、危険債権が7兆781億円(同2,354億円、3.4%増)、要管理債権が6兆589億円(同1兆7,591億円、40.9%増)、正常債権が241兆5,857億円(同11兆6,511億円、4.6%減)であった(信託勘定の計数を除く)。