地方銀行(特定取引勘定設置銀行12行)

  1. 資金運用収益・費用をみると、収益は2兆636億円(前中間期比926億円、4.3%減)、費用は3,732億円(同859億円、18.7%減)となり、資金運用益は、1兆6,904億円(同67億円、0.4%減)と4年連続の減益となった。
    国内業務部門をみると、収益は金利水準の低下を主因に有価証券利息配当金や貸出金利息等が減少し、会計基準の変更から金利スワップ受入利息も減少した結果、全体では減少となった。一方、費用は同様の理由により預金利息等および金利スワップ支払利息などが減少した結果、全体では減少となった。このように収益、費用とも減少したが、収益の減少額が費用のそれを上回ったため、資金運用益は減益となった。
    国際業務部門をみると、収益では金利水準の低下から貸出金利息が減少したものの、その他の受入利息や有価証券利息配当金(有価証券は平残で前中間期比32.8%増)などが増加した結果、全体では増加となった。一方、費用はその他の支払利息が増加したものの、金利水準の低下からコールマネー利息や預金利息などが減少した結果、全体では減少となった。このように収益が増加したことに加え、費用が減少したため、資金運用益は大幅な増益となった。
  2. 役務取引等収益・費用をみると、その他の役務収益等が増加したことから収益超過額は1,668億円(前中間期比87億円、5.5%増)となった。
  3. 特定取引収益・費用をみると、収益超過額は16億円(前中間期比5億円、51.3%増)となった。
  4. その他業務収益・費用をみると、国債等債券売却益が大幅に増加したことを主因に国債等債券関係損益の収益超過額が拡大した結果、その他業務収益・費用全体の収益超過額は709億円(前中間期比350億円、97.3%増)となった。
  5. その他経常収益・費用をみると、個別貸倒引当金繰入額(純繰入額3,871億円、前中間期比14.2%減)が減少したものの、貸出金償却が部分直接償却の実施などから大幅に増加した。さらに株式の減損処理などにより株式等償却が増加したことを主因に株式等関係損益が大幅な損失超過に転じた結果、その他経常収益・費用全体では、損失超過額が前中間期の4,419億円から、8,754億円へ拡大した。
  6. 営業経費は、人件費を中心に減少したことから、1兆2,630億円(前中間期比33億円、0.3%減)となった。
  7. 以上の結果、経常利益は、前中間期の黒字(1,862億円)から2,065億円の赤字に転じた。(増益15行、減益40行、経常損失9行)。また、中間利益は、前中間期の黒字(109億円)から2,559億円の赤字に転じた(増益27行、減益26行、中間損失11行)。
  8. 参考までにみると、業務純益は、6,351億円(前中間期比123億円、1.9%減)の減益となり、国内業務粗利益は、1兆8,708億円(同125億円、0.7%増)、国際業務粗利益は、622億円(同246億円、65.5%増)となった。また、国内業務部門の総資金利鞘は、同0.02%ポイント縮小して0.41%となった。
    リスク管理債権の残高についてみると、破綻先債権額は銀行勘定で1兆154億円(前期末比680億円、6.3%減)、信託勘定で22億円(同3億円、13.0%増)、延滞債権額は銀行勘定で5兆8,198億円(同4,762億円、8.9%増)、信託勘定で196億円(同27億円、11.9%減)、3ヵ月以上延滞債権額は銀行勘定で1,403億円(同204億円、17.0%増)、信託勘定で3億円(同0.1億円、3.8%増)、貸出条件緩和債権額は銀行勘定で3兆1,166億円(同1,320億円、4.4%増)、信託勘定で59億円(同5億円、7.3%減)であった。以上の結果、リスク管理債権額は、銀行勘定で10兆923億円(同5,606億円、5.9%増)、信託勘定で281億円(同29億円、9.2%減)となった(信託勘定については、元本補填契約のある信託勘定の計数)。
    なお、金融再生法に基づき開示が義務付けられている資産査定の各区分の内容は、それぞれ破産更生債権は2兆8,007億円(前期末比153億円、0.5%減)、危険債権は4兆4,692億円(同2,963億円、7.1%増)、要管理債権は3兆552億円(同2,378億円、8.4%増)、正常債権は129兆669億円(同1兆5,939億円、1.2%減)となった(信託勘定の計数を除く)。