調査要項

  1. 本調査は、全国銀行の業務報告書記載の財務諸表に基づき、その銀行勘定の計数を業態別および各行別に諸勘定科目を整理統合して掲載するとともに、業態別の銀行財務の分析を行ったものである。また、参考として業態別および各行別の連結財務諸表も併せて掲載した。
  2. 平成13年度の本調査において、分析の対象(注1)としている全国銀行は、都市銀行7行、地方銀行64行、第二地方銀行協会加盟行(第二地銀協地銀、地方銀行II)53行、信託銀行8行、長期信用銀行1行の合計133行である(注2)。
    注1.
    「全国銀行概況」、「業態別動向」における分析対象および「付属表・参考表」、「全国銀行総合財務諸表」(業態別、連結を含む)における集計対象。
    注2.
    これらには、東京スター銀行、石川銀行、中部銀行、新生銀行、あおぞら銀行は含まれていない(これら5行については、「各行別財務諸表」において個別の財務諸表を掲載している)。また、今年度より地方銀行IIには「関西さわやか銀行」、信託銀行には「大和銀信託銀行」の計数が含まれている。これらに伴い、「前年度(末)比較・増減率」における前年度の計数は、今年度の対象銀行に応じて遡及調整を行ったうえで算出した。なお、当期の平残の算出上、三和銀行と合併前の東海銀行、三菱信託銀行と合併前の日本信託銀行の計数は含まれていないが、これらに係る前年度の計数の遡及調整は行っていない。
  3. 「各行別財務諸表」における銀行記載の順序は都市銀行、地方銀行、第二地銀協地銀、信託銀行、長期信用銀行別に金融機関コードの順による。
  4. 記載ならびに計算単位

    記載例

    ―印
    該当計数のないもの、または連続性がない等のため前期比較のできないもの。なお、当期と前期が同計数の場合は増減額を「0」、増減率を「0.0」と、当期は計数があるが前期が単位未満または皆無の場合は増減率を「-」として表示している。
    △印
    減少、負数
    修正数
    N.A.
    該当計数が入手不能なもの

    計算単位

    総合表・各行別表
    百万円単位で計算のうえ百万円単位で掲載。したがって、合計額が内訳項目の合計と一致しない場合がある。また、全行の計数が単位未満の場合は総合表も「-」としている。
    付属表・参考表
    百万円単位で計算のうえ、億円単位で掲載。なお、B/S項目の残高は億円未満切捨て、B/S項目の増減とP/L項目は億円未満を四捨五入している。
    増減率・構成比・諸比率
    百分率(小数点第2位を四捨五入)
  5. 本調査の計数は未達勘定が整理されているほか、海外支店の計数を含んでいるため、毎月発表される計数(日銀「金融経済統計月報」所載)とは相違がある。

勘定科目の説明

1.貸借対照表

負債の部

預金
当座預金
普通預金
貯蓄預金
通知預金
定期預金
定期積金
その他の預金
別段預金+外貨預金(国内店(オフショア勘定を含む)で受入れた外貨建預金)+非居住者円預金(非居住者から国内店(オフショア勘定を含む)で受入れた円預金。為替決済のための預り金は「外国他店預り」に計上)+納税準備預金(納税準備のために受入れた預金)+その他(一時的な預り金等)。
譲渡性預金
債券(金融債)
債券発行高+債券募集金(払込期日前に受入れた払込金。債券発行に伴い債券発行高に振替える)。
コールマネー
コール市場を経由する資金借入(ブローキングによる取引を含む)。これ以外の借入は「借入金」に計上。
売現先勘定
売現先取引を処理する。
売渡手形
手形割引市場またはBA市場で売却した手形。
コマーシャル・ペーパー
資金調達として銀行が発行するCP。
特定取引負債
特定取引勘定設置銀行の勘定科目。
売付商品債券
証券業務に係る取引として国債等有価証券を空売りした場合に計上。
商品有価証券派生商品
証券業務取引の有価証券派生商品をみなし決済した結果生じる評価損およびオプション・プレミアム。
特定取引売付債券
特定取引のヘッジ目的で有価証券を空売りした場合に計上。
特定取引有価証券派生商品
特定取引のヘッジ目的で取引する有価証券派生商品をみなし決済した結果生じる評価損およびオプション・プレミアム。
特定金融派生商品
特定取引として取引する金融派生商品(有価証券派生商品を除く)をみなし決済した結果生じる評価損およびオプション・プレミアム。
その他の特定取引負債
借用金
再割引手形
日銀に売却した適格手形+手形割引市場で売却した割引手形。
借入金
日銀借入金+他の金融機関等からの借入金(劣後特約付借入金を含む)+当座借越。
外国為替
外国他店預り
他の銀行から為替決済のために受入れた預り金(円預金を含む)。
外国他店借
「外国他店預け」の借越およびリファイナンス等外為関連の短期借入金。
売渡外国為替
売渡した外国為替のうち、未だ支払店または支払銀行に代り金を支払っていないもの。
未払外国為替
仕向けられた外国為替のうち、未だ顧客に代り金を支払っていないもの。
社債
普通社債および劣後社債。
転換社債
転換社債の未転換額。
信託勘定借
信託勘定の余裕金または未運用元本を銀行勘定で運用する場合の受入科目。
その他負債
未決済為替借
内国為替取引で他の銀行に仕向ける為替金を顧客から受入れた場合に当該銀行に資金を支払うまでの経過勘定。
未払法人税等
法人税、住民税および事業税の未納付額。
未払費用
既経過の資金調達費用、役務取引等費用等のうち、期末現在の未払額。
前受収益
既収の資金運用収益、役務取引等収益等のうち、翌期以降の期間に対応する収益。
従業員預り金
社内預金等従業員からの預り金。
給付補てん備金
定期積金の当期までに発生した未払給付金。
先物取引受入証拠金
金融先物取引の受託に伴い一般会員から受入れた一般会員証拠金、顧客から受入れた委託証拠金および証券先物取引の受託に伴い顧客から受入れた委託証拠金。
先物取引差金勘定
金融先物取引に伴い取引所または清算会員との間で授受する値洗差金および証券先物取引に伴い取引所との間で授受する値洗差金の貸借残高を種類別に相殺し、借方残高を超える金額を計上。貸方残高を超える金額は資産の部の同名科目に計上。
借入商品債券
債券貸借取引において借入れた商品債券の借入債務。
借入特定取引有価証券
債券貸借取引において、特定取引有価証券勘定を通じて借入れた債券の借入債務(特定取引勘定設置銀行の勘定科目)
借入有価証券
有価証券を消費貸借契約により借り入れた場合(自由処分権を有する場合)に計上。
売付商品債券
消費貸借型借入商品債券を空売り分の受渡しに使用した場合に計上。
売付債券
消費貸借型借入債券を空売り分の受渡しに使用した場合に計上。
金融派生商品
特定取引勘定以外の金融派生商品をみなし決済した結果生じる評価損およびオプション・プレミアム。
繰延ヘッジ利益
繰延ヘッジ会計により発生した繰延収益を処理する。
その他の負債
代理店借(他の金融機関等から依頼された代理業務に係る預り金)+未払配当金+未払送金為替+預金利子税等預り金(源泉徴収義務者として徴収した税金)+仮受金+その他。
賞与引当金
従業員賞与の未払計上額。
退職給付引当金
退職給付債務見込額および年金資産の評価に基づき必要額を計上。
その他の引当金
商法第287条ノ2の引当金をその名称を付して処理する。
特別法上の引当金
金融先物取引責任準備金
金融先物取引法第82条の規定による準備金。
証券取引責任準備金
証券取引法第65条の2第7項において準用する同法第51条の規定による準備金。
繰延税金負債
税効果会計の適用により負債として計上される金額。
再評価に係る繰延税金負債
土地の再評価差額に係る繰延税金負債。
支払承諾
銀行が行った保証の保証債務(「支払承諾見返」との対照勘定)。

資本の部

資本金
新株式払込金
新株式の払込金を払込期日に処理する。
法定準備金
資本準備金
商法第288条ノ2に基づく準備金。
利益準備金
銀行法第18条に基づく準備金。
再評価差額金
土地の再評価に関する法律(99年3月改正)による再評価差額金を処理する。
剰余金(または欠損金)
任意積立金
定款または株主総会決議に基づき、利益処分により積立てる。
海外投資等損失準備金
租税特別措置法第55条に基づく準備金。
その他の準備金等
上記以外の準備金等(特定合併特別償却準備金などそれぞれの名称を付して計上)の合計。
行員退職給与基金
別途積立金
特定の目的のない積立金を処理する。
当期未処分利益(または当期未処理損失)
当期利益(または当期損失)
その他の剰余金
資本準備金減少差益
商法第289条第2項の資本準備金の減少手続による資本準備金の取崩額。
その他
評価差額金
その他有価証券およびその他の金銭の信託の評価差額金(税効果勘案後)を処理する。
自己株式
銀行が保有する自己株式。

資産の部

現金預け金
現金
本邦通貨+小切手・手形(支払期日到来の公社債利札、配当金領収証等を含む)+外国通貨+金(経理要領により低価法で評価)。
預け金
日銀預け金+郵便振替預け金+他の金融機関等への預け金+譲渡性預け金(譲渡性預金の預入、購入)。
コールローン
コール市場を経由する資金貸付(ブローキングによる取引を含む)。これ以外の貸付は「手形貸付」に計上。
買現先勘定
買現先取引を処理する。
買入手形
手形割引市場またはBA市場で買入れた手形。
買金銭債権
CP、住宅ローン債権信託の受益権証書等の金銭債権を買入れた場合に処理する。ただし、住宅抵当証書を買入れた場合は「証書貸付」に計上する。
特定取引資産
特定取引勘定設置銀行の勘定科目。
商品有価証券
銀行法第11条に定める証券業務のために保有する国債等有価証券ならびに同資産の評価損益。
商品有価証券派生商品
証券業務取引の有価証券派生商品をみなし決済した結果生じる評価益およびオプション・プレミアム。
特定取引有価証券
特定取引のヘッジ目的で保有する国債等有価証券(含む外国国債等)ならびに同資産の評価損益。
特定取引有価証券派生商品
特定取引のヘッジ目的で取引する有価証券派生商品をみなし決済した結果生じる評価益およびオプション・プレミアム。
特定金融派生商品
特定取引として取引する金融派生商品(有価証券派生商品を除く)をみなし決済した結果生じる評価益およびオプション・プレミアム。
その他の特定取引資産
特定取引の対象として保有する金銭債権ならびに同資産の評価損益。
商品有価証券
ディーリング業務のために保有している有価証券(特定取引勘定設置銀行は「特定取引資産」に計上)。
商品国債
外国国債先物取引等に係る外国国債を含む。
商品地方債
商品政府保証債
その他の商品有価証券
特定目的会社の発行する優先出資証券、特定社債券等を処理する。
金銭の信託
金銭信託+金銭信託以外の金銭の信託。
有価証券
資産運用、投資の目的で保有する有価証券。
国債
地方債
社債
公社公団債+金融債+事業債(転換社債、ワラント債を含み、分離型ワラント債のワラントを除く)。
株式
その他の証券
外国証券(非居住者が発行した証券および居住者が発行した外貨建証券)+証券投資信託受益証券+貸付信託受益証券+日本銀行出資証券+その他(分離型ワラント債のワラント等)。
貸付有価証券
使用貸借または賃貸借契約により貸付けた有価証券。平成12年度期より使用廃止。
投資損失引当金
有価証券等を評価する際に、自己査定における第III分類とされた部分のうち予想損失額に相当する額を損失見込額として引当金計上したもの。有価証券を対象とした場合には、「有価証券」勘定の次に、また、有価証券およびそれ以外の資産を対象とした場合には、「貸倒引当金」の次に掲記される。
貸出金
割引手形
手形貸付
証書貸付
当座貸越
外国為替
外国他店預け
他の銀行に対する為替決済等のための外貨預け金。
外国他店貸
「外国他店預り」の貸越およびリファイナンス等外為関連の短期貸付金。
買入外国為替
買入れた外国為替のうち、未だ取立店または取立銀行から代り金を受領していないもの。
取立外国為替
仕向けられた外国為替のうち、すでに仕向店または仕向銀行などに対する支払いを済ませたもので、未だ顧客から決済を受けていないもの。
その他資産
未決済為替貸
内国為替取引で他の銀行から仕向けられた為替金を顧客に支払った場合に、当該資金を当該銀行に請求し受入れるまでの経過勘定。
前払費用
既払の資金調達費用、役務取引等費用等のうち、翌期以降の期間に対応する費用。
未収収益
既経過の資金運用収益、役務取引等収益等のうち、当期末現在に未収となっている収益。
先物取引差入証拠金
金融先物取引に伴い清算会員が取引所に差入れる取引証拠金、一般会員が清算会員に差入れる一般会員証拠金、顧客が金融先物取引業者に差入れる委託証拠金および証券先物取引に伴い特別参加者が取引所に差入れる取引証拠金、顧客が取引所会員または特別参加者に差入れる委託証拠金。
先物取引差金勘定
保管有価証券等
債券貸借取引において借入れた債券(商品債券を含む)+使用貸借または賃貸借契約により借入れた有価証券+先物取引等の受託により受入れた証拠金代用有価証券等の現物。
金融派生商品
特定取引勘定以外の金融派生商品をみなし決済した結果生じる評価益およびオプション・プレミアム。
繰延ヘッジ損失
繰延ヘッジ会計により発生した繰延損失を処理する。
社債発行差金
社債を額面金額以下で割引発行した場合の額面金額と発行価額との差額のうち翌期以降の期間に対応する費用。
社債発行費
社債を発行する際に直接支出した費用(証券会社等に対する募集の委託手数料、引受手数料、募集広告費、目論見書作成費等)のうち翌期以降の期間に対応する費用。
その他の資産
代理店貸(他の金融機関等に業務を代行させる場合の預け金)+仮払金+繰延資産+未収金+その他。
動産不動産
土地建物動産
営業用土地・建物・動産+所有土地・建物・動産。
建設仮払金
建設または製作中の動産不動産に係る支出金額を経過的に処理する。
保証金権利金
保証金+敷金+権利金+電話加入権+借地権+その他。
債券繰延資産
債券発行差金のうち翌期以降の期間に対応する費用。
繰延税金資産
税効果会計の適用により資産として計上される金額。
再評価に係る繰延税金資産
土地の再評価差額に係る繰延税金資産。
支払承諾見返
保証債務を履行した場合に取得する求償権(「支払承諾」との対照勘定)。
貸倒引当金
貸倒実績率等に基づいて繰入れた「一般貸倒引当金」+税法基準および有税で繰入れた「個別貸倒引当金」+特定海外債権に対して一般貸倒引当金および個別貸倒引当金に加えて引き当てた「特定海外債権引当勘定」(租税特別措置法第55条の2の海外投資等損失準備金を含む)。
投資損失引当金
有価証券等を評価する際に、自己査定における第III分類とされた部分のうち予想損失額に相当する額を損失見込額として引当金計上したもの。有価証券を対象とした場合には、「有価証券」勘定の次に、また、有価証券およびそれ以外の資産を対象とした場合には、「貸倒引当金」の次に掲記される。

2.損益計算書

経常収益

資金運用収益
貸出金利息
貸付金利息+手形割引料。
有価証券利息配当金
商品有価証券利息(貸付商品債券の品貸料を含む)+有価証券利息(消費貸借型貸付債券の品貸料を含む)+株式配当金。証券投資信託の期中収益分配金(解約、償還時の差損益を含む)が全体で益超の場合は本科目に、損超の場合は「国債等債券償還損」に計上。
コールローン利息
買現先利息
買現先により受け入れた利息相当額を処理する。
買入手形利息
預け金利息
預け金利息+譲渡性預け金利息(元本の売買差額を含む)。
金利スワップ受入利息
ヘッジ会計(マクロ・ヘッジを含む)の要件を満たす金利スワップ契約に基づき授受する利息相当額、およびヘッジ会計により繰延べた利益の償却を処理する。全体で益超の場合に計上し、損超の場合は「金利スワップ支払利息」に計上。
その他の受入利息
外国為替受入利息+買入金銭債権利息(CPの券面額と取得価額の差額を含む)+その他(定期積金の延滞利息、保証金・供託金からの受入利息等)。またヘッジ会計により繰延べた金利先物・オプション取引の利益の償却を処理する。
役務取引等収益
受入為替手数料
内国為替受入手数料(銀行間手数料を含む)+外国為替受入手数料。
その他の役務収益
その他の受入手数料(預金・貸出・証券業務関係)+受入保証料+代理業務手数料+その他。
特定取引収益
特定取引勘定設置銀行の勘定科目。
商品有価証券収益
証券業務として取引する国債等有価証券(ショート・ポジションを含む)、有価証券派生商品から生じた実現利益およびみなし決済評価益+商品有価証券を利用した債券貸借取引に係る品貸料+国債等の引受業務に係る手数料。「商品有価証券費用」と相殺し、残額を計上。
特定取引有価証券収益
特定取引のヘッジ目的で取引する国債等有価証券および外国証券(ショート・ポジションを含む)、有価証券派生商品から生じた実現利益およびみなし決済評価益+特定取引有価証券を利用した債券貸借取引に係る品貸料。「特定取引有価証券費用」と相殺し、残額を計上。
特定金融派生商品収益
特定取引として取引する金融派生商品(有価証券派生商品を除く)から生じた実現利益(期中に発生した交換利息の授受等を含む)およびみなし決済評価益。「特定金融派生商品費用」と相殺し、残額を計上。
その他の特定取引収益
特定取引として取引する金銭債権から生じた実現利益(利息収益を含む)および評価益。「その他の特定取引費用」と相殺し、残額を計上。
その他業務収益
外国為替売買益
外貨建資産等の売買損益および換算差損益(通貨オプション取引のオプション料受払差額、通貨先物取引の差損益を含む)が全体で益超の場合に計上。損超の場合は「外国為替売買損」に計上。
商品有価証券売買益
商品有価証券の売買損益および評価損益(商品有価証券にかかるデリバティブ取引から生じた売買損益およびみなし決済評価損益を含む)が全体で益超の場合に計上。損超の場合は「商品有価証券売買損」に計上。
国債等債券売却益
国債等債券の売却益(証券投資信託の買取請求による差益を含む)。また、ヘッジ会計により繰延べた債券先物・オプション取引の利益の償却を処理する。
  • 国債等債券= 国債、地方債、社債(転換社債およびワラント債を除き、ワラント行使・分離後の社債を含む)、証券投資信託受益証券および外国証券のうちこれらに準ずるもの。
国債等債券償還益
国債等債券の償還益。
金融派生商品収益
ヘッジ会計の要件を満たさず、決算時にみなし決算により時価評価したデリバティブ取引の評価益および実現益を処理する。
その他の業務収益
金売買益(全体で益超の場合に計上。損超の場合は「その他の業務費用」に計上)+有価証券貸付料(貸付商品債券および消費貸借型貸付債券の品貸料を除く)+その他。
その他経常収益
株式等売却益
株式等の売却益。また、ヘッジ会計により繰延べた株式先物・オプション取引の利益の償却を処理する。
  • 株式等=有価証券-国債等債券。
金銭の信託運用益
金銭の信託の運用益を計上(評価損益を含む)。
その他の経常収益
土地建物賃貸料+その他(不用品の売却代金、各種保険金等)。ヘッジ会計の要件を満たさず、決算時にみなし決算により時価評価した株式先物・オプション取引の評価益および実現益を処理する。
信託報酬
信託勘定における収益。

経常費用

資金調達費用
預金利息
預金利息+給付補てん備金繰入。
譲渡性預金利息
債券利息
利付金融債の支払利息。
債券発行差金償却
割引金融債の割引料の償却。
コールマネー利息
売渡手形利息
コマーシャル・ペーパー利息
資金調達として銀行が発行するCPに係る支払利息。
借用金利息
再割引料+借入金利息+当座借越利息。
社債利息
社債発行差金償却
社債発行差金の償却。
転換社債利息
金利スワップ支払利息
金利スワップ受入利息を参照。
その他の支払利息
外国為替支払利息+従業員預り金利息+代理店借利息+その他(借入商品債券および消費貸借型借入債券の品借料等)。また、ヘッジ会計により繰延べた金利先物・オプション取引の損失の償却を処理する。
役務取引等費用
支払為替手数料
内国為替支払手数料(銀行間手数料を含む)+外国為替支払手数料。
その他の役務費用
その他の支払手数料+支払保証料+信用保険料(中小企業信用保険料、輸出手形保険料)+その他。
特定取引費用
特定取引勘定設置銀行の勘定科目。
商品有価証券費用
証券業務として取引する国債等有価証券(ショート・ポジションを含む)、有価証券派生商品から生じた実現損失およびみなし決済評価損+商品有価証券を利用した債券貸借取引に係る品借料。「商品有価証券収益」と相殺し、残額を計上。
特定取引有価証券費用
特定取引のヘッジ目的で取引する国債等有価証券および外国証券(ショート・ポジションを含む)、有価証券派生商品から生じた実現損失およびみなし決済評価損+特定取引有価証券を利用した債券貸借取引に係る品借料。「特定取引有価証券収益」と相殺し、残額を計上。
特定金融派生商品費用
特定取引として取引する金融派生商品(除く有価証券派生商品)から生じた実現損失(期中に発生した交換金利の授受等を含む)およびみなし決済評価損。「特定金融派生商品収益」と相殺し、残額を計上。
その他の特定取引費用
特定取引として取引する金銭債権から生じた実現損失(利息費用を含む)および評価損。「その他の特定取引収益」と相殺し、残額を計上。
  • 有価証券取引税および取引所税については、課税対象となった取引に対応した特定取引費用科目に計上する。
その他業務費用
外国為替売買損
商品有価証券売買損
国債等債券売却損
国債等債券の売却損(証券投資信託の買取請求による差損を含む)。また、ヘッジ会計により繰延べた債券先物・オプション取引の損失の償却を処理する。
国債等債券償還損
国債等債券の償還損。
国債等債券償却
国債等債券の償却(証券投資信託の償却を含む)。
債券発行費用償却
債券発行に係る直接費用の償却。
社債発行費償却
社債発行費で、繰延資産として繰延べたものの償却額、または一括費用処理したものを処理する。
金融派生商品費用
ヘッジ会計の要件を満たさず、決算時にみなし決済により時価評価したデリバティブ取引の評価損および実現損を処理する。
その他の業務費用
金売買損+有価証券借入料(借入商品債券および消費貸借型借入債券の借入料を除く)+その他。
営業経費
人件費
給与+手当+退職金+退職給付費用+社会保険料+臨時雇用費+その他。
物件費
動産不動産償却+土地建物機械賃借料+営繕費+旅費+預金保険料+その他。
税金
税金(法人税、住民税、配当利子所得税、事業税を除く)。
その他経常費用
貸倒引当金繰入額
貸倒引当金繰入額-同取崩額(個別貸倒引当金の目的使用による取崩相当額を除く)が繰入超過の場合に計上。取崩超過の場合は「その他の特別利益」に計上。
貸出金償却
貸出金およびこれに準じる債権の直接償却額を個別貸倒引当金の目的使用による取崩相当額と相殺して計上。
株式等売却損
株式等の売却損。また、ヘッジ会計により繰延べた株式先物・オプション取引の損失の償却を処理する。
株式等償却
株式等の償却。
金銭の信託運用損
その他の経常費用
貸出金およびこれに準ずる債権の売却損+その他((株)共同債権買取機構向け売却損、関係先・取引先支援損等を含む)。ヘッジ会計の要件を満たさず、決算時にみなし決済により時価評価した株式先物・オプション取引の評価損および実現損を処理する。
経常利益
経常収益-経常費用。なお、当該金額がマイナスとなった場合は「経常損失」を示す。
特別利益
動産不動産処分益
動産不動産の売却価額と帳簿価額および売却費用の差益(圧縮損に対応する処分益を含む)。
償却債権取立益
貸出金償却として損金経理を行った償却済の債権を回収した場合に当該回収額を計上。
金融先物取引責任準備金取崩額・証券取引責任準備金取崩額
繰入額-取崩額が取崩超過の場合に計上(繰入超過の場合は各繰入額に計上)。
その他の特別利益
前期損益修正その他異常な利益を計上(貸倒引当金の純取崩益等)。
特別損失
動産不動産処分損
動産不動産の売却損および除却損(売却・除却費用、当期圧縮損を含む)。
金融先物取引責任準備金繰入額
証券取引責任準備金繰入額
その他の特別損失
前期損益修正その他異常な損失を計上。
税引前当期利益
経常利益+(特別利益-特別損失)。なお、当該金額がマイナスとなった場合は「税引前当期損失」を示す。
法人税、住民税及び事業税
法人税、住民税および事業税(利益に関連する金額を課税標準とする事業税)。
法人税等調整額
税効果会計の適用により計上される法人税、住民税及び事業税の調整額。
当期利益
税引前当期利益-法人税、住民税及び事業税-法人税等調整額。なお、当該金額がマイナスとなった場合は「当期損失」を示す。
前期繰越利益
前期決算における未処分利益のうち当期に繰越されたもの。
過年度税効果調整額
税効果会計の適用初年度において計上される前期繰越利益の調整額で、過年度に発生した一時差異等に係る税効果相当額。
税効果会計適用に伴う諸準備金等取崩額
税効果会計の適用初年度において、利益処分方式による諸準備金等が資本の部に計上されている場合に、税効果相当額として取り崩した額。
積立金取崩額
任意積立金の目的使用による取崩額。
利益準備金取崩額
商法第289条第2項の利益準備金の減少手続による利益準備金の取崩額
中間配当額
利益準備金積立額
中間配当を実施した場合に銀行法第18条により積立てる利益準備金。
利益による自己株式消却額
株式消却の手続に関する商法の特例に関する法律等にもとづく利益による自己株式消却額。
合併交付金
合併により、被合併銀行の株主に対して支払われた金銭等。
役員賞与金
被合併銀行の役員等に支払われた賞与金。
当期未処分利益
当期利益+前期繰越利益+積立金取崩額-中間配当額-利益準備金積立額。なお、当該金額がマイナスとなった場合は「当期未処理損失」を示す。

3.利益処分計算書

当期未処理損失がある場合でも、任意積立金の取崩しにより、配当その他の利益金処分が行われている場合には本計算書が作成される

当期未処分利益(または当期未処理損失)

任意積立金取崩額
任意積立金の目的外使用による取崩額。
利益処分額
利益準備金
配当金
役員賞与金
任意積立金
次期繰越利益
当期未処分利益+任意積立金取崩額-利益処分額。

4.損失処理計算書

財務諸表では、損失処理の場合も以下の項目を便宜上利益処分の欄に掲記している

当期未処理損失

損失処理額(本科目は記載していない)
任意積立金取崩額
「任意積立金取崩額」に掲記
利益準備金取崩額・資本準備金取崩額
これらの取崩がある場合は任意積立金取崩額と合算した金額を「任意積立金取崩額」に掲記し、内訳を注記
次期繰越損失(または次期繰越利益)
次期繰越損失は、「次期繰越利益」にマイナスで掲記。損失処理の結果、次期繰越利益が生ずる場合には、「次期繰越利益」に掲記

各行別財務諸表の欄外項目の説明

貸倒引当金
「一般貸倒引当金」、「個別貸倒引当金」および「特定海外債権引当勘定」の3つの引当金から構成される。
一般貸倒引当金
銀行業における決算経理要領に定める「合理的な方法により算出された貸倒実績率」により繰入れた額。
個別貸倒引当金
銀行業における決算経理要領に基づく繰入額。
特定海外債権引当勘定
期末において、次のいずれかの事実が生じている国に対する貸出金に対して繰入れた額。
  1. 当該国の政府等向け貸出の元本または利子の支払いが1カ月以上延滞していること
  2. 当該国の政府等向け貸出について決算期前5年以内に債務繰延べ契約等が締結されていること
  3. 当該国の政府等向け貸出について債務繰延べ等の要請を受け、契約締結にいたらないまま1カ月以上経過していること
  4. 当該国の政府等向け貸出金について、前記に掲げる事実が近い将来に発生することが見込まれること
  5. 当該国に住所又は居所を有する自然人若しくは主たる事務所を有する法人に対する貸出金について、1.~3.に類する事実が発生していること、又は近い将来に発生することが見込まれること
  6. その他、カントリー・リスクの評価に影響を及ぼすことが見込まれる事象
その他有価証券評価差額
保有目的において「その他有価証券」に区分される有価証券の評価差額金(税効果勘案前)。
破綻先債権額
元本又は利息の支払の遅延が相当期間継続していることその他の事由により元本又は利息の取立て又は弁済の見込みがないものとして未収利息を計上しなかった貸出金(貸倒償却を行った部分を除く。以下「未収利息不計上貸出金」という)のうち、法人税施行令第96条第1項第3号のイからホまでに掲げる事由又は同項第4号に規定する事由が生じているものに該当する貸出金の額。
延滞債権額
未収利息不計上貸出金であって、破綻先債権および債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として利息の支払を猶予したもの以外のものに該当する貸出金の額。
3カ月以上延滞債権額
元本又は利息の支払が約定支払日の翌日から3カ月以上延滞している貸出金(破綻先債権および延滞債権を除く)に該当する貸出金の額。
貸出条件緩和債権額
債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として、金利の減免、利息の支払猶予、元本の返済猶予、債権放棄その他の債務者に有利となる取決めを行った貸出金(破綻先債権、延滞債権および3カ月以上延滞債権を除く)に該当する貸出金の額。
破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産、会社更生、再生手続等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権。
危険債権
債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権。
要管理債権
3カ月以上延滞債権(元金又は利息の支払が、約定支払日の翌日を起算日として3カ月以上延滞している貸出債権)および貸出条件緩和債権(経済的困難に陥った債務者の再建又は支援を図り、当該債権の回収を促進すること等を目的に、債務者に有利な一定の譲歩を与える約定条件の改定等を行った貸出債権)。ただし、「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」および「危険債権」を除く。
正常債権
債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないもの。
取立不能見込額として部分直接減額した額
自己査定により破綻先および実質破綻先に区分された債務者に対する担保・保証付債権について、債権額から担保の評価額および保証等による回収が可能と認められる額を控除した残額を取立不能見込額として債権額から直接減額した金額。
業務純益
銀行が当局に提出する「決算状況表」に記載する利益指標であり、銀行がその基本的な業務により得た利益。具体的には、資金運用収支、役務取引等収支およびその他業務収支から一般貸倒引当金繰入額、債券費および経費などを控除したもの。
個別貸倒引当金純繰入額
当期新たに同引当金に繰り入れた金額から、債権の償却以外の目的による取崩相当額(債権の弁済を受けた場合の取崩相当額)を控除したもの。