地方銀行(特定取引勘定設置銀行12行)

  1. 資金運用収益・費用をみると、資金運用収益は1兆7,844億円(前中間期比751億円、4.0%減)、資金調達費用は1,467億円(同423億円、22.4%減)となり、資金運用益は1兆6,377億円(同329億円、2.0%減)と6年連続の減益となった。
    国内業務部門をみると、収益は金利水準の低下を主因に貸出金利息、有価証券利息配当金等が減少し、全体でも減少となった。一方、費用は金利水準の低下等から預金利息等が減少した結果、全体でも減少となった。このように収益、費用とも減少したが、前者の減少額が後者のそれを上回ったため、資金運用益は減益となった。
    国際業務部門をみると、収益は、有価証券利息配当金は増加したものの、金利水準の低下から貸出金利息、預け金利息等が減少し、全体では減少となった。一方、費用は金利水準の低下から預金利息、コールマネー利息等が減少した結果、全体では減少となった。このように収益、費用とも減少したが、後者の減少額が前者のそれを上回ったため、資金運用益は増益となった。
  2. 役務取引等収益・費用をみると、その他の役務収益等が増加したことから収益超過額は1,937億円(前中間期比193億円、11.1%増)となった。
  3. トレーディング業務に係る特定取引収益・費用をみると、収益超過額は30億円となった。
  4. その他業務収益・費用をみると、外国為替売買損益の収益超過額は増加したものの、市場金利の上昇に伴い国債等債券売却損が増加したことを主因に国債等債券関係損益の収益超過額が大幅に減少したことから、その他業務収益・費用全体の収益超過額は413億円(前中間期比222億円、35.0%減)となった。
  5. その他経常収益・費用をみると、貸出金償却が大幅に増加した一方、一般貸倒引当金繰入額が大幅に減少したほか、株式等償却費用の減少を主因に株式等関係損益が収益超過に転じたこと等により、全体では、損失超過額が前中間期の6,740億円から6,348億円へ減少した。
  6. 営業経費は、経営全般にわたる合理化・効率化を一層進め、人件費、物件費ともに減少し、1兆2,059億円(前中間期比299億円、2.4%減)となった。
  7. 以上の結果、経常利益は、364億円となり、前中間期の赤字(26億円の赤字)から黒字に転じた(増益38行、黒字転換7行、減益15行、損失4行)。一方、中間純利益は、繰延税金資産の取崩しに伴い法人税等調整額が3,270億円となった(減益要因)こと等から2,781億円の赤字と、前中間期の黒字(84億円の黒字)から赤字に転じた(増益40行、黒字転換6行、減益13行、純損失5行)。
  8. 参考までにみると、業務純益は7,073億円(前中間期比1,129億円、19.0%増)の増益となった。国内業務粗利益は、1兆7,577億円(同682億円、3.7%減)、国際業務粗利益は、1,198億円(同320億円、36.4%増)となった。また、国内業務部門の総資金利鞘は、同0.01%ポイント悪化して0.44%となった。
    リスク管理債権の残高についてみると、破綻先債権額は銀行勘定で8,101億円(前期末比1,204億円、12.9%減)、信託勘定で5億円(同4億円、43.7%減)、延滞債権額は銀行勘定で5兆7,686億円(同707億円、1.2%減)、信託勘定で53億円(同99億円、65.0%減)、3ヵ月以上延滞債権額は銀行勘定で1,239億円(同210億円、20.4%増)、信託勘定で0.2億円(同2億円、87.4%減)、貸出条件緩和債権額は銀行勘定で3兆3,807億円(同2,745億円、7.5%減)、信託勘定で21億円(同28億円、56.9%減)であった。以上の結果、リスク管理債権額は、銀行勘定で10兆834億円(同4,447億円、4.2%減)、信託勘定で80億円(同133億円、62.4%減)となった(信託勘定については、元本補填契約のある信託勘定の計数)。
    なお、金融再生法第7条に基づき開示が義務付けられている資産査定の各区分の内容は、それぞれ破産更生債権は2兆3,673億円(前期末比1,342億円、5.4%減)、危険債権は4兆4,571億円(同912億円、2.0%減)、要管理債権は3兆3,940億円(同2,520億円、6.9%減)、正常債権は127兆3,939億円(同1兆4,961億円、1.2%減)となった。