地方銀行(特定取引勘定設置銀行12行)

  1. 資金運用収益・費用をみると、資金運用収益は1兆7,547億円(前中間期比296億円、1.7%減)、資金調達費用は1,313億円(同154億円、10.5%減)となり、資金運用益は1兆6,234億円(同143億円、0.9%減)と7年連続の減益となった。
    国内業務部門をみると、収益は、有価証券利息配当金は増加したものの、金利水準の低下を主因に貸出金利息が減少したため、全体では減少となった。一方、費用は、預金利息等が減少した結果、全体でも減少となった。このように収益、費用とも減少したが、前者の減少額が後者のそれを上回ったため、資金運用益は減益となった。
    国際業務部門をみると、収益は、貸出金およびコールローンの残高(平残)が減少したことから、貸出金利息およびコールローン利息は減少したものの、有価証券残高(平残)が増加したことにより、有価証券利息配当金が増加したことから、全体では増加となった。一方、費用はその他の支払利息が減少したものの、預金利息、金利スワップ支払利息等が増加した結果、全体では増加となった。このように収益、費用とも増加したが、前者の増加額が後者のそれを上回ったため、資金運用益は増益となった。
  2. 役務取引等収益・費用をみると、その他の役務収益が増加したことから収益超過額は2,090億円(前中間期比153億円、7.9%増)となった。
  3. トレーディング業務に係る特定取引収益・費用をみると、収益超過額は57億円(前中間期比27億円、90.4%増)となった。
  4. その他業務収益・費用をみると、国債等債券関係損益や金融派生商品損益が前中間期の収益超過から損失超過に転じたことを主因に、その他業務収益・費用全体の収益超過額は148億円(前中間期比265億円、64.2%減)となった。
  5. その他経常収益・費用をみると、個別貸倒引当金繰入額および貸出金償却がともに大幅に減少した。また、一般貸倒引当金繰入額の戻入れがあったほか、株式等売却損等の減少を主因に株式等関係損益の収益超過が増加したこと等により、全体では、損失超過額が前中間期の6,348億円から2,240億円へ大幅に減少した。
  6. 営業経費は、経営全般にわたる合理化・効率化を一層進め、人件費、物件費ともに減少し、1兆1,609億円(前中間期比450億円、3.7%減)となった。
  7. 以上の結果、経常利益は、前中間期比4,322億円増の4,687億円となった(増益41行、黒字転換4行、減益16行、損失3行)。また、中間純利益は、法人税等調整額が大幅に減少したこと等から3,441億円の黒字となり、前中間期の赤字(2,781億円の赤字)から黒字に転じた(増益41行、黒字転換4行、減益16行、純損失3行)。
  8. 参考までにみると、業務純益は7,491億円(前中間期比419億円、5.9%増)の増益となった。国内業務粗利益は、1兆7,611億円(同34億円、0.2%増)、国際業務粗利益は、928億円(同269億円、22.5%減)となった。また、国内業務部門の総資金利鞘は、前中間期と同じ0.44%となった。
    リスク管理債権の残高についてみると、破綻先債権額は銀行勘定で5,049億円(前期末比782億円、13.4%減)、信託勘定で1億円(同3億円、65.7%減)、延滞債権額は銀行勘定で5兆915億円(同4,534億円、8.2%減)、信託勘定で45億円(同3億円、6.7%減)、3ヵ月以上延滞債権額は銀行勘定で773億円(同13億円、1.7%減)、信託勘定で0.1億円(同0.1億円、1,500%増)、貸出条件緩和債権額は銀行勘定で2兆7,271億円(同3,600億円、11.7%減)、信託勘定で13億円(同9億円、39.4%減)であった。以上の結果、リスク管理債権額は、銀行勘定で8兆4,009億円(同8,930億円、9.6%減)、信託勘定で61億円(同15億円、20.0%減)となった(信託勘定については、元本補填契約のある信託勘定の計数)。
    なお、金融再生法第7条に基づき開示が義務付けられている資産査定の各区分の内容は、それぞれ破産更生債権は1兆7,475億円(前期末比2,287億円、11.6%減)、危険債権は4兆555億円(同3,098億円、7.1%減)、要管理債権は2兆6,958億円(同3,650億円、11.9%減)、正常債権は127兆5,731億円(同1兆2,723億円、1.0%減)となった。

担当:今津