地方銀行(特定取引勘定設置銀行12行)

  1. 資金運用収益・費用をみると、資金運用収益は1兆8,008億円(前中間期比152億円、0.9%増)、資金調達費用は1,812億円(同477億円、35.7%増)となり、資金運用益は1兆6,196億円(同325億円、2.0%減)と8年連続の減益となった。
     国内業務部門をみると、収益は、有価証券残高が増加したため、有価証券利息配当金は増加したものの、金利の低下を主因に貸出金利息が減少したため、全体では減少となった。一方、費用は、預金利息等が減少したため、全体でも減少となった。このように収益、費用ともに減少したが、前者の減少額が後者のそれを上回ったため、資金運用益は減益となった。
     国際業務部門をみると、収益は、金利が上昇したため、貸出金利息およびコールローン利息は増加となるとともに、有価証券残高の増加もあって、有価証券利息配当金が増加したため、大幅な増加となった。一方、費用は、預金利息、コールマネー利息および金利スワップ支払利息等が増加したため、大幅な増加となった。このように収益、費用ともに大幅に増加したが、後者の増加額が前者のそれを上回ったため、資金運用益は減益となった。
  2. 役務取引等収益・費用をみると、投資信託等の販売手数料等の増加から、その他の役務収益が増加したため、収益超過額は2,362億円(前中間期比278億円、13.4%増)となった。
  3. トレーディング業務に係る特定取引収益・費用をみると、収益超過額は53億円(前中間期比5億円、8.2%減)となった。
  4. その他業務収益・費用をみると、国債等債券関係損益および金融派生商品損益の収益超過額が増加したため、その他業務収益・費用全体の収益超過額は451億円(前中間期比304億円、205.8%増)となった。
  5. その他経常収益・費用をみると、不良債権処理の進捗を背景に、個別貸倒引当金繰入額は大幅に減少したものの、一般貸倒引当金繰入額が増加したこと、および貸出金償却が増加したことから、全体では、損失超過額は2,405億円(前中間期比38億円、1.6%減)と若干の減少となった。
  6. 営業経費は、人件費は減少したものの、物件費が増加したため、1兆1,789億円(前中間期比5億円、0.0%増)となった。
  7. 以上の結果、経常利益は、4,871億円(前中間期比207億円、4.4%増)となった(増益42行、黒字転換3行、減益16行、損失3行)。また、中間純利益は、法人税等調整額(減益要因)が減少したこと、および一部に貸倒引当金の戻入れ益が生じたこと等から3,671億円の黒字(前中間期比275億円、8.1%増)となった(増益38行、黒字転換3行、減益20行、純損失3行)。
  8. 参考までにみると、業務純益は7,312億円(前中間期比417億円、5.4%減)の減益となった。国内業務粗利益は、1兆8,237億円(同355億円、2.0%増)、国際業務粗利益は、834億円(同103億円、11.0%減)となった。また、国内業務部門の総資金利鞘は、0.41%(前中間期比0.03%ポイント縮小)となった。
    リスク管理債権(銀行勘定)の残高についてみると、破綻先債権額は3,401億円(前期末比460億円、11.9%減)、延滞債権額は4兆3,684億円(同2,784億円、6.0%減)、3ヵ月以上延滞債権額は631億円(同23億円、3.6%減)、貸出条件緩和債権額は2兆2,362億円(同1,610億円、6.7%減)であった。以上の結果、銀行勘定のリスク管理債権額は、7兆80億円(同4,876億円、6.5%減)となった。
    また、金融再生法第7条に基づき開示が義務付けられている資産査定の各区分の内容は、それぞれ破産更生債権及びこれらに準ずる債権は1兆3,964億円(前期末比911億円、6.1%減)、危険債権は3兆4,927億円(同2,388億円、6.4%減)、要管理債権は2兆2,018億円(同1,642億円、6.9%減)、正常債権は132兆8,536億円(同1,384億円、0.1%増)となった。
    なお、繰延税金資産は、7,470億円(同2,149億円、22.3%減)となった。

担当:小暮