地方銀行(特定取引勘定設置銀行12行)

  1.  資金運用収益・費用をみると、資金運用収益は2兆1,011億円(前中間期比2,193億円、11.7%増)、資金調達費用は4,362億円(同1,947億円、80.6%増)となり、資金運用益は1兆6,649億円(同246億円、1.5%増)の増益となった。
     国内業務部門をみると、収益は、貸出金および有価証券の利回りが上昇し、貸出金利息および有価証券利息配当金が増加したことから、全体でも増加となった。一方、費用は、預金金利の上昇から預金利息が増加したため、全体でも増加となった。以上のように費用が増加したものの、貸出金の伸び等を背景に、増加額では収益が費用を上回ったため、資金運用益は増益となった。
     国際業務部門をみると、収益は、利回りの上昇から貸出金利息が増加し、コールローン利息等も増加したことから、有価証券利息配当金が減少したものの、全体では増加となった。一方、費用は、利回りの上昇から預金利息やコールマネー利息等が増加したことから、金利スワップ支払利息が減少したものの、全体では増加となった。以上のように、収益が増加したものの、短期金利の上昇等から、増加額では費用が収益を上回ったため、資金運用益は減益となった。
  2.  役務取引等収益・費用をみると、投資信託の販売手数料等の増加から、その他の役務収益が増加し、収益超過額は2,678億円(前中間期比112億円、4.3%増)となった。
  3.  トレーディング業務に係る特定取引収益・費用をみると、収益超過額は78億円(前中間期比3億円、4.3%増)となった。
  4.  その他業務収益・費用をみると、国債等債券関係損益が大幅に改善したこと等から、その他業務収益・費用全体は21億円の収益超過(前中間期は242億円の損失超過)に転じた。
  5.  その他経常収益・費用をみると、一部の銀行の要因等により、一般貸倒引当金が繰入超に転じたこと等から、損失超過額は2,245億円と前中間期(1,557億円の損失超過)に比べ増加した。
  6.  営業経費は、物件費および人件費が増加したため、1兆2,022億円(前中間期比307億円、2.6%増)となった。
  7.  以上の結果、経常利益は、5,164億円(前中間期比361億円、6.5%減)と減益となった(増益37行、黒字転換1行、減益25行、損失1行)。また、中間純利益は、法人税等調整額(税金費用)が大幅に減少したものの、貸倒引当金の戻し益が減少したこと等から特別利益が減少し、2,736億円(同742億円、21.3%減)と減益となった(増益29行、黒字転換1行、減益33行、純損失1行)。
  8.  参考までにみると、業務純益は7,105億円(前中間期比434億円、5.8%減)と減益となった。国内業務粗利益は、1兆8,891億円(同718億円、4.0%増)、国際業務粗利益は、551億円(同91億円、14.1%減)となった。また、国内業務部門の総資金利鞘は、前中間期比0.01%ポイント縮小し、0.41%となった。
     リスク管理債権(銀行勘定)の残高についてみると、破綻先債権額は2,986億円(前期末比122億円、4.2%増)、延滞債権額は3兆8,477億円(同117億円、0.3%減)、3カ月以上延滞債権額は483億円(同54億円、10.1%減)、貸出条件緩和債権額は1兆4,952億円(同187億円、1.2%減)であった。以上の結果、銀行勘定のリスク管理債権額は、5兆6,898億円(同237億円、0.4%減)となった。
     また、金融再生法第7条に基づき開示が義務付けられている資産査定の各区分の内容は、それぞれ破産更生債権及びこれらに準ずる債権は1兆1,328億円(前期末比505億円、4.3%減)、危険債権は3兆671億円(同477億円、1.6%増)、要管理債権は1兆5,438億円(同239億円、1.5%減)、正常債権は143兆2,467億円(同8,227億円、0.6%増)となった。
     なお、繰延税金負債(純額)は、731億円(前期末比1,552億円、68.0%減)となった。

担当:昆