1.金融情勢

 平成19年度の金融・資本市場を見ると、短期金利は、日本銀行が19年2月の金融政策決定会合において、金融市場調節方針を「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.5%前後で推移するよう促す」とし、その後変更されていないことから、年度末にかけて概ね0.5%程度で推移した。長期金利(10年物国債利回り)は、6月中旬にかけて一時1.9%台まで上昇したが、夏以降は、サブプライム住宅ローン問題の影響を受けた米国の長期金利低下などから低下し、3月には1.2%台にまでなった。マネーサプライ(M2+CD)は、預金金利の上昇などを背景に定期預金等が増加し、6月以降、前年比2%前後の伸びで推移した。

 株価(日経平均)は、国内企業業績が堅調であったこと等から、6月には18,000円台をつけたが、7月下旬から米国発の世界的な株価下落などを受けて大きく下落し、年度末の株価は、12,525円54銭となった(19年3月末は17,287円65銭)。

 為替相場は、5月、6月は121円~123円台で推移していたが、夏以降、米国の金利低下などから、米ドルに対して円高方向に推移し、米国経済の減速懸念が高まった3月中旬には一時1ドル=95円台となったものの、その後は若干の円安に転じ、年度末の為替相場は1ドル=99円37銭となった(19年3月末は118円05銭)。

図1 国内主要金利の推移

図2 海外主要金利等の推移

 

2.銀行の経営統合等の動き

 平成19年度中に見られた経営統合等の動きは以下のとおりである。

[1]もみじホールディングスともみじ銀行の合併
平成19年4月1日、株式会社山口フィナンシャルグループの子会社である株式会社もみじホールディングスは、子会社である株式会社もみじ銀行と合併し、解散した。
[2]ふくおかフィナンシャルグループの設立
平成19年4月2日、株式会社福岡銀行と株式会社熊本ファミリー銀行の持株会社として、株式会社ふくおかフィナンシャルグループが設立された。
[3]山形しあわせ銀行と殖産銀行の合併
平成19年5月7日、株式会社山形しあわせ銀行と株式会社殖産銀行が合併して、株式会社きらやか銀行となった。
[4]九州親和ホールディングスの解散
平成19年8月29日、株式会社九州親和ホールディングスは解散し、清算手続きを開始した。子会社である株式会社親和銀行の全株式は、10月1日、株式会社ふくおかフィナンシャルグループに譲渡された。
[5]三井アセット信託銀行の改称
平成19年10月1日、三井アセット信託銀行株式会社が改称して、中央三井アセット信託銀行株式会社となった。

 

[担当:竹内]