1.金融情勢

 平成20年度の金融・資本市場をみると、短期金融市場は相対的に安定した状態が維持されていたものの、米欧金融機関の破綻等を背景とした国際金融市場の動揺の影響が及んだ。無担保コールレート(オーバーナイト物)は、9月上旬まで日本銀行の誘導目標である0.5%前後で概ね安定的に推移したが、9月半ば以降、市場参加者のリスク回避姿勢が強まり、短期金利に上昇圧力が加わったことや、景気の減速傾向が明確になったことから、10月と12月に日本銀行による誘導目標の引き下げが行われ、結果として年度末にかけて0.1%前後で推移した。長期金利(10年物国債利回り)は、6月中旬にかけて、市場参加者のインフレ見通しの上方修正等から、一時1.8%台まで上昇したが、世界的な金融危機や景気の先行きに対する懸念を反映して低下に転じ、年度末にかけて1.3%前後で推移した。

 株価(日経平均)は、6月中旬に14,000円台まで上昇したが、9月には世界的な金融危機に対する懸念を背景として大幅に下落した。その後も景気や企業収益の大幅な悪化を映じて不安定な動きを続け、年度末の株価は、8,109円53銭となった(20年3月末は12,525円54銭)。

 為替相場は、年度初から米ドルに対して緩やかな減価傾向をたどり、8月中旬には110円台まで下落したが、その後、欧米を中心とした金融危機を背景とする内外金利差の縮小等から円高方向に反転し、12月中旬には一時1ドル=87円台まで円高が進んだ。21年に入ると、わが国の景気の大幅な悪化や貿易赤字の拡大等を背景に再び円安傾向に転じ、年度末の為替相場は1ドル=98円31銭となった(19年3月末は99円37銭)。

図1 国内主要金利等の推移

図2 海外主要金利等の推移

 

2.銀行の経営統合等の動き

  平成20年度中に見られた経営統合等の動きは、以下のとおりである。

[1]きらやか銀行ときらやかホールディングスの合併
平成20年10月1日、株式会社きらやか銀行と株式会社きらやかホールディングスは合併し、株式会社きらやか銀行となった。
[2]北洋銀行と札幌銀行の合併
平成20年10月14日、株式会社北洋銀行と株式会社札幌銀行は合併し、株式会社北洋銀行となった。
[3]じぶん銀行の設立
平成20年7月17日、株式会社じぶん銀行が営業を開始した。

 

[担当:福田]