地方銀行(特定取引勘定設置銀行12行)

  1.  資金運用収益・費用をみると、資金運用収益は1兆8,252億円(前中間期比896億円、4.7%減)、資金調達費用は1,996億円(同672億円、25.2%減)となり、資金運用益は1兆6,256億円(同224億円、1.4%減)と減益となった。
     国内業務部門をみると、収益は、日銀の金融緩和政策の影響による貸出金金利の低下を受けて利回りが低下したうえ、貸出金残高(平残、以下同じ。)が減少し、貸出金利息が減少したことから、全体でも減少した。一方、費用は、預金残高および譲渡性預金残高は増加したものの、預金金利の低下を受けて利回りが低下し、預金利息および譲渡性預金利息が減少したことから、全体でも減少した。以上のように、収益、費用ともに減少したものの、収益が費用を上回って減少したことから、国内業務部門の資金運用益は減益となった。
     国際業務部門をみると、収益は、米欧における金融緩和政策の影響により利回りが低下し、預け金利息や貸出金利息が減少したほか、有価証券利息配当金等も減少したことから、全体でも減少した。一方、費用は、同様に市場金利の低下を受けて利回りが低下し、預金利息やコールマネー利息が減少したほか、その他の支払利息等も減少したことから、全体でも減少した。以上のように、収益、費用ともに減少したものの、費用が収益を上回って減少したことから、国際業務部門の資金運用益は増益となった。
  2.  役務取引等収益・費用をみると、投資信託および保険の販売手数料等の増加により、その他の役務収益が増加したことから、全体の収益超過額は1,966億円(前中間期比66億円、3.5%増)となった。
  3.  トレーディング業務に係る特定取引収益・費用をみると、国際業務部門においては収益超過額が増加したものの、国内業務部門において収益超過額が減少したことから、全体の収益超過額は24億円(前中間期比19億円、43.7%減)となった。
  4.  その他業務収益・費用をみると、債券市場金利の低下を受けて国債等債券売却益が増加したほか、国債等債券償還損が減少したことにより、国債等債券関係損益の収益超過額が大幅に増加したことから、全体の収益超過額は1,096億円(前中間期比563億円、105.6%増)となった。
  5.  その他経常収益・費用をみると、株価の下落に伴い株式等売却益が減少したほか、株式等償却が増加したことから株式等関係損益は大幅な損失超過となった。一方、一般貸倒引当金純繰入額が戻入超過となったほか、政府の経済対策効果による企業の倒産件数の減少等により、個別貸倒引当金純繰入額および貸出金償却が減少したことから、全体の損失超過額は2,052億円(前中間期は2,712億円の損失超過)となった。
  6.  営業経費は、物件費および税金が減少したものの、人件費が増加したことから、1兆2,417億円(前中間期比33億円、0.3%増)となった。
  7.  以上の結果、経常利益は4,875億円(前中間期比1,012億円、26.2%増)と増益となった(増益47行、減益16行)。また、中間純利益は、経常利益が増益となったことから、3,598億円(同727億円、25.3%増)と増益となった(増益41行、減益22行)。
  8.  参考までにみると、業務純益は7,328億円(前中間期比824億円、12.7%増)と増益となった。国内業務粗利益は1兆8,416億円(同197億円、1.1%増)となり、国際業務粗利益は909億円(同164億円、22.1%増)となった。また、国内業務部門の総資金利鞘は、前中間期比0.03%ポイント縮小して0.33%となった。
     リスク管理債権(銀行勘定)については、破綻先債権額が3,827億円(前期末比629億円、14.1%減)、延滞債権額が3兆5,953億円(同399億円、1.1%増)、3カ月以上延滞債権額が505億円(同23億円、4.4%減)、貸出条件緩和債権額が6,420億円(同230億円、3.5%減)となった。この結果、リスク管理債権額の合計は、4兆6,709億円(同484億円、1.0%減)となった。
     また、金融再生法第7条にもとづき開示が義務付けられている資産査定の各区分の内容は、破産更生債権及びこれらに準ずる債権が1兆1,874億円(前期末比621億円、5.0%減)、危険債権が2兆8,397億円(同311億円、1.1%増)、要管理債権が6,926億円(同253億円、3.5%減)、正常債権が153兆1,354億円(同1,484億円、0.1%増)となった。
     なお、繰延税金資産(純額)は、7,251億円(前期末比146億円、2.0%減)となった。

担当:昆