地方銀行(特定取引勘定設置銀行12行)

  1.  資金運用収益・費用をみると、資金運用収益は、住宅ローンをはじめとする個人向け貸出を中心に、貸出金残高(平残)が増加したものの、日銀の継続的な金融緩和政策を受けて、貸出金利が低下し、貸出金利息が減少したこと等から、全体では1兆6,882億円(前中間期比767億円、4.3%減)となった。一方、資金調達費用は、預金残高(平残)は増加したものの、預金金利の低下により預金利息が減少したことから、全体では1,360億円(同267億円、16.4%減)となった。以上のように、収益・費用ともに減少したものの、収益の減少が費用の減少を上回ったことから、資金運用益は1兆5,522億円(同499億円、3.1%減)となった。
  2.  役務取引等収益・費用をみると、保険販売手数料等が増加したものの、投信販売手数料が減少し、為替手数料収支の収益超過額が減少したことから収益超過額は1,888億円(前中間期比25億円、1.3%減)となった。
  3.  トレーディング業務に係る特定取引収益・費用をみると、国際業務部門では収益超過に転じたものの、国内業務部門では収益超過額が減少したことから、全体の収益超過額は16億円(前中間期比2億円、9.6%減)となった。
  4.  その他業務収益・費用をみると、国債等債券関係損益は、債券市場金利の低下を受けて収益超過額が増加したほか、金融派生商品関係損益の収益超過額が増加したことから、全体の収益超過額は1,414億円(前中間期比469億円、49.6%増)となった。
  5.  その他経常収益・費用をみると、株式等関係損益は、株価の下落により株式等償却が大幅に増加したことから損失超過額が増加した。一方、与信関係費用は、一般貸倒引当金純繰入額の戻入超過幅は増加したものの、貸倒引当金戻入益および償却債権取立益は減少し、個別貸倒引当金純繰入額が増加したことから、全体では増加した。以上の結果、全体の損失超過額は2,041億円(前中間期は1,050億円の損失超過)となった。
  6.  営業経費は、人件費、物件費、および税金がいずれも減少したことから、1兆2,201億円(前中間期比213億円、1.7%減)となった。
  7.  以上の結果、経常利益は4,601億円(前中間期比835億円、15.4%減)と減益となった(増益21行、減益41行、損失1行)。また、中間純利益は、法人税等合計は減少したものの、経常利益が減少したことを主因として、3,021億円(同428億円、12.4%減)と減益となった(増益23行、減益39行、純損失1行)。
  8.  参考までにみると、業務純益は7,144億円(前中間期比249億円、3.6%増)と増益となった。国内業務粗利益は、1兆8,044億円(同27億円、0.1%増)、国際業務粗利益は、800億円(同87億円、9.8%減)となった。また、国内業務部門の総資金利鞘は、前中間期比0.03%ポイント縮小して0.26%となった。
     リスク管理債権(銀行勘定)の残高についてみると、破綻先債権額は2,402億円(前期末比10億円、0.4%増)、延滞債権額は3兆8,222億円(同379億円、1.0%増)、3カ月以上延滞債権額は325億円(同12億円、3.6%減)、貸出条件緩和債権額は8,962億円(同143億円、1.6%増)となった。以上の結果、リスク管理債権(銀行勘定)の合計は、4兆9,913億円(同520億円、1.1%増)となった。
     また、金融再生法第7条にもとづき開示が義務付けられている資産査定の各区分の内容は、破産更生債権およびこれらに準ずる債権が9,439億円(前期末比239億円、2.5%減)、危険債権は3兆1,574億円(同617億円、2.0%増)、要管理債権は9,287億円(同130億円、1.4%増)、正常債権は161兆5,811億円(同1兆7,158億円、1.1%増)となった。
     なお、繰延税金資産(純額)は、5,765億円(前期末比638億円、12.4%増)となった。

担当:大峰