信託銀行(特定取引勘定設置銀行4行)

  1.  信託報酬は、1,047億円(前中間期比73億円、6.5%減)と減少した。
  2.  資金運用収益・費用をみると、資金運用収益が3,180億円(前中間期比233億円、6.8%減)、資金調達費用が1,142億円(同97億円、7.9%減)となった結果、資金運用益は2,038億円(同135億円、6.2%減)と減益となった。
     国内業務部門をみると、収益は、日銀の継続的な金融緩和政策を受けて、貸出金利が低下し、貸出金利息が減少したことを主因として、減少した。一方、費用は、預金金利の低下および預金残高(平残)の減少により預金利息が減少したことを主因として、減少した。以上のように、収益・費用ともに減少したものの、収益の減少が費用の減少を上回ったことから、国内業務部門の資金運用益は減益となった。
     国際業務部門をみると、収益は、貸出金残高(平残)の増加により貸出金利息が増加したものの、債券市場金利の低下を主因に有価証券利息配当金が減少したことから、全体では減少した。一方、費用は、譲渡性預金残高(平残)が増加したことを受けて譲渡性預金利息が大幅に増加したものの、その他の支払利息および借用金利息が減少したこと等から、全体では減少した。以上のように、収益・費用ともに減少したものの、収益の減少が費用の減少を上回ったことから、国際業務部門の資金運用益は減益となった。
  3.  役務取引等収益・費用をみると、国内業務部門では、収益超過額が減少したものの、国際業務部門では融資関連手数料等が増加し、収益超過額が大幅に増加したことから、全体の収益超過額は883億円(前中間期比12億円、1.4%増)となった。
  4.  トレーディング業務に係る特定取引収益・費用をみると、国内業務部門では収益超過額が増加したものの、国際業務部門では損失超過額が大幅に増加したことから、全体の収益超過額は112億円(前中間期比43億円、28.0%減)となった。
  5.  その他業務収益・費用をみると、国際業務部門では国債等債券売却益が減少したことを主因に収益超過額は減少したものの、国内業務部門では国債等債券償還損が減少したほか、金融派生商品損益が損失超過から収益超過に転じたことから、同部門は損失超過から収益超過に転じた。以上の結果、全体の収益超過額は638億円(前中間期比89億円、16.1%増)となった。
  6.  その他経常収益・費用をみると、株式等関係損益は、株価の下落により株式等償却が大幅に増加したことを主因として、損失超過額が大幅に増加した。一方、与信関係費用は、一般貸倒引当金純繰入額の戻入超過幅が増加したものの、貸倒引当金戻入益が減少し、貸出金償却が増加したことから、全体では増加した。以上の結果、全体の損失超過額は750億円(前中間期は349億円の損失超過)となった。
  7.  営業経費は、人件費が増加したものの、物件費および税金が減少したことから、2,834億円(前中間期比14億円、0.5%減)となった。
  8.  以上の結果、経常利益は1,134億円(前中間期比537億円、32.1%減)と減益となった(増益2行、減益2行)。中間純利益は、法人税等合計は減少したものの、経常利益が減少したことを主因として、838億円(同303億円、26.5%減)と減益となった(増益2行、減益2行)。
  9.  参考までにみると、業務純益は2,227億円(前中間期比85億円、3.7%減)と減益となった。国内業務粗利益は4,033億円(同178億円、4.6%増)となり、国際業務粗利益は685億円(同329億円、32.4%減)となった。また、国内業務部門の資金粗利鞘(資金運用利回り-資金調達利回り)は、前中間期比0.04%ポイント縮小して、0.64%となった。
     リスク管理債権については、破綻先債権額は、銀行勘定で180億円(前期末比29億円、13.8%減)、信託勘定で0億円(同0億円、4.8%減)となった。延滞債権額は、銀行勘定で1,756億円(同76億円、4.5%増)、信託勘定で287億円(同20億円、6.6%減)となった。3カ月以上延滞債権額は、銀行勘定で5億円(同0億円、8.4%減)、信託勘定で1億円(同0億円、3.7%減)となった。貸出条件緩和債権額は、銀行勘定で1,018億円(同88億円、7.9%減)、信託勘定で8億円(同5億円、36.2%減)となった。以上の結果、リスク管理債権の合計は、銀行勘定で2,960億円(同41億円、1.4%減)、信託勘定で298億円(同26億円、7.9%減)となった(信託勘定については、いずれも元本補填契約のある信託勘定の計数)。
     また、金融再生法第7条にもとづき開示が義務付けられている資産査定の各区分の内容は、破産更生債権及びこれらに準ずる債権は653億円(前期末比24億円、3.6%減)、危険債権は1,648億円(同74億円、4.7%増)、要管理債権は1,024億円(同88億円、7.9%減)、正常債権は36兆5,154億円(同9,997億円、2.8%増)となった(信託勘定の計数を除く)。
     なお、繰延税金資産(純額)は、1,207億円(前期末比127億円、11.7%増)となった。

担当:藤澤