平成28年2月19日(金)実施

 簿記の授業の一環として、「生活設計・マネープランゲーム」を活用した授業が実施され、2年生10名が受講しました。先生から「簿記は会社のお金の流れを把握するためのものですが、今回は消費者の立場で将来どのような場面で、どのようにお金と関わっていくのかをより具体的に学んでいきます」と授業のねらいが説明され、カードゲームの準備に入りました。
 今回は2人1班のグループワークとして行いました。班長を決め、カードセット・資料集・ワークシートが各班に配布され、ゲームがスタートしました。
 20歳代では就職をして自立する体験をします。まずは就職について考えるために、「働き方」について資料集p10-11の「キャリアカード一覧」で様々な職業を確認したあと、p8-9の勤め人(会社員)、起業家、フリーランスの働き方の特徴について見ていきました。今回はすべての班が「勤め人」からスタートすることが伝えられ、20歳代の収入を決める「収入カード」を引きました。すべての班が「収入カード①」という結果になり、収入カードに書かれている仕事の特徴について詳しく見ていきました。収入カード①は、「高い能力や技術が求められ、多忙で残業が多い分、収入が高い仕事」であり、一方で「多忙のため自由な時間が少なく思い出が作れないので、仕事による思い出ポイントは0」と先生から説明がありました。生徒たちは資格の有無や忙しさによって収入が異なることや働き方と人生の充実度の関係について理解しました。
 収入が決まったところで、実際に給与はどのように支払われるのか説明がありました。お金は銀行口座に振り込まれていることが一般的で、給料日に手元に届くのは給与明細だけであることが説明されました。収入の中には自分のお金なのにもかかわらず、自分で使うことの出来ないお金があり資料集p1を見ながら「非消費支出」について説明がありました。先生から非消費支出として支払う社会保険料は年金や医療費など相互扶助のためであったり、住民税などは自治体のゴミ回収などに使われたりしていることが伝えられました。
 「基本生活支出カード」を引いて生活にかかるお金を決定し、最後に自動車購入を検討し、20歳代の最終的な収支をまとめました。
 続いて、30歳代の人生の疑似体験に移りました。
 30歳代では、「結婚」「子育て」「住宅購入」など様々なライフイベントがあることが伝えられ、まずは資料集p4-5を使って人生の三大資金について確認しました。特に住宅資金に大きなお金が必要であることが伝えられ、また教育資金にも平均1,200万円程度かかることが伝えられると、生徒たちは「自分たちが学校などで学ぶための費用」の金額の大きさに驚いていました。
 結婚カード、子育てカードを引き、30歳代の家族構成と年収が決まり、非消費支出の金額を再び資料集から探したところで、住宅購入に向けて現状の貯蓄額の計算を行いました。住宅購入を検討する前に、住宅資金を用意する方法として「ローン」について説明されました。ローンで住宅を購入する際のポイントとして主なものに「頭金」と「金利」があり、頭金は出来るだけ多く準備しておくことで支払いの金額を少なくすることや返済の期間を短くできることから、住宅購入の前には、あらかじめある程度の貯蓄をしてから購入したほうが良いという先生の実体験をまぜて話しがありました。そして、もう一つのポイントである金利については、大きな金額を借りる住宅購入の場合は少しの金利の違いでも返済総額に大きな差がでてくることが伝えられました。「変動金利」「固定金利」など金利の種類についても詳しく説明がありました。ローンについて学んだことを踏まえて、住宅の購入を検討します。また、先生からは、家族構成や貯蓄などを考えて住宅を検討するよう指示がありました。
 住宅を選んだところで時間となり、ここまでの貯蓄額を計算して発表しました。
 5つの班とも、同じ収入でスタートしましたがそれぞれ異なる結果となり、先生から「人生の中で、それぞれの時期で、様々な選択をすることで違う人生になっていきます。自分の思った様な人生になるために収入にあった生活を心がけることが大切です」と話しがあり、授業は終了となりました。

 生徒たちはこの授業で将来どんなライフイベントがあり、どのくらいお金がかかるのか具体的に知ることができ、いずれ自分が経験する出来事として考えるきっかけになりました。