授業のねらい

 本授業を通じて、消費生活を自分のこととして捉えるきっかけを作ってほしいと考えて、ゲームという教材を通じてなら身近なものとして興味関心を持つことができるのではないかと思いました。
 本授業の後に『契約』や『消費トラブル』、『クレジットカード』等について学習します。それらに対して生徒が自分の将来を描きながら知識を吸収することができるためのステップに本ゲームはなるものと考えています。

先生の感想

 生徒は本ゲームを通じて、自分の将来を想像します。まず、その事が何より素晴らしいことだと考えます。
 中学を卒業して、やっと高校生になった1学期2学期の家庭科の授業(保育分野、家族分野、食物分野、衣生活分野)では学習していても、どこかで『まだ遠い先の話かなあ』『親がやってくれていることだなあ』と言う空気をつかむような感触はぬぐえなかったのが生徒の本音ではないかと考えています。
 しかし本ゲームは、自分が大人になった時を思い描きやすい状況を作り出します。『家庭経済』だけでなく、自分のこととして『人生設計』を考えていくきっかけ作りになっている事は確かな手ごたえとして感じます。  生徒は本ゲームを通じて、1年間の家庭科の学習内容を反芻することもできると私は強く感じました。
 『どんな仕事に就くのか』から本ゲームはスタートします。真剣に生徒はグループで話をします。その仕事につくにはどのような勉強や資格が必要なのかも考えます。まさに本ゲームを通じて進路を考えているのです。友人の意見に耳を傾けながら、自分はどうしたいのか?を考えています。グループで討論することで、世の中には多様な考え方があることも知るわけです。
 私の家庭科のメインテーマは『考える人』になることです。1学期の最初の授業でそのことを生徒に投げかけます。
 人生いろいろ、価値観もいろいろあってよいのです。人生は自己判断の連続。『考える』ことの連続なのです。学校で身に付けた知識を基に『考える』わけです。自己判断の結果は自己責任となります。
 それを本ゲームは楽しみながら実感できるので大変効果的であると思っています。
 生徒はゲーム後真剣に友人同士で次のように話していました。
 『君の班の貯金いくらだった?』
 『思い出ポイントはどのくらいだった?』
 『ゲームでは独身だったけど、自分は結婚して子供を持ちたい。沢山思い出を増やしたい』
 『豊かな人生って、お金と楽しい思い出のバランスが大切だと思う』
 …休み時間に教室を移動する時にもこんな会話が聞かれました。
 今後もぜひ本ゲームを活用して生徒に効果的な授業をしていきたいと思っています。