家庭基礎「消費を考える」授業で、家庭の収入・支出を考える「生活設計・マネープランゲーム」を活用した授業が実施されました。
生活設計・マネープランゲームで、近い将来の生活を疑似体験することで、人生とお金との関わり方や、人それぞれの多様な価値観について、班活動を通して気付き、考えることが授業のねらいです。

 先生から、生活設計・マネープランゲームを行うにあたり、2つの目標:①貯蓄をする、②思い出ポイントを多く保有する(豊かな人生の指標)と、ゲームの終わりに班でまとめて発表する4つの項目:①貯蓄額、②思い出ポイント、③40歳代~50歳代にしたいこと(した方がよいこと)、④豊かな人生とは が伝えられました。
 どのような点に注意したり、考えたりしながらゲーム体験をしていけばよいのか、生徒たち全員が共通理解をもったところからゲームがスタートしました。
 授業は、50分授業用進行台本に沿って進められました。

 20歳代の体験は、はじめに職業を決めます。資料集p10キャリアカード一覧を開き、どの職業に就きたいか、班で話し合って決めました。先生からは、あるドラマの主人公を例に、資料集P8,9の働き方の選択肢も踏まえながら、フリーランスで働くことのメリット・デメリットについても伝えられました。
 職業が決まったら、収入カードを引いて収入を決めます。先生から「給与は全て消費にあてることができますか」という質問に、「いいえ、税金などが引かれます」と生徒から声があがりました。実際に非消費支出の金額がどのくらいなのか、資料集p3,4を開いて確認し、生活設計・マネープランシートに書いていきました。前時の授業で、実支出は消費支出と非消費支出に分かれることと、それぞれどのような支出を指すのか学習していましたが、実際の金額を目にした生徒たちからは、「こんなに引かれるのか」と、驚きの声があがっていました。
 非消費支出分が差し引かれた手取り収入で、生活にかかる支出の計画を立てる必要性を理解した上で、基本生活支出カードを引きました。この時点ですでにマイナスになった班は、これからの生活をどうしたらよいか、話し合っていました。
 自動車を購入するかどうか決まった後、20歳代の収支と思い出ポイントをまとめていきました。

 続いて30歳代の人生体験です。
 30歳代では、さまざまなライフイベント(結婚・子育て・住居の購入・自動車の購入・保険・イベント&アクシデント)とそれらにかかる費用について体験を通して理解していきました。
 人生の三大資金と結婚資金について資料集p4,5を開き、先生は説明をしていきました。住宅資金や教育資金、老後資金については、1学期に学習した日本人の平均寿命について思い出しながら、確認していきました。結婚資金については、結納金など新郎側が負担する金額の目安が先生から伝えられたことで、男子生徒が、結婚するかどうか、真剣に考え始める様子がうかがえました。
 結婚カード、子育てカードを引いて家族構成が決まった後、収入と家族構成に合わせた非消費支出を見つけ、生活設計・マネープランシートに記入していきました。
 家族構成が決まったら、次は住居の購入を考えます。ここまでの貯蓄額を確認し、住居を購入するか、貯蓄がマイナスの場合には賃貸の中からの選択で話し合います。
 住居の種類、購入金額と支払方法が決まったところで、ローンについて資料集P6,7を開いて確認していきました。
 ローンとは、大きな買い物をする際に、お金を借りて先に買い物をし、後から少しずつ返す仕組みであること、ローンは借金なので、手数料(利息)分を足して返済しないといけないことを確認しました。
 また、お金を借りるには信用が不可欠であり、スマートフォンの使用料などの滞納が数ヶ月続くと信用を失い、将来ローンを活用することができない場合があることも先生から伝えられました。

 保険に入るかどうかを決めた後、イベント&アクシデントカードを引きました。人生には、思いもよらない出来事が起こることがあること、保険に加入していればアクシデントの種類によっては補てんされることなど体験から理解していきました。

 30歳代の人生までを振り返り、シートの内容をまとめた後、1つの班に代表で結果を発表してもらいました。
 「①貯蓄-1,200万円、②思い出ポイント11個、④豊かな人生とは、お金も思い出も両方手にできること、③40歳代~50歳代にしたいことは、両方手にするのは難しいと思うので、借金はなるべく少なく、家族で楽しく過ごせるようにしていきたい」ということでした。

 人生の疑似体験を通して、自分の将来やお金との関わり方、人それぞれ価値観が違うことなどを理解することができた充実した50分間の授業となりました。