地方銀行(特定取引勘定設置銀行12行)

  1.  資金運用収益・費用をみると、収益は1兆8,427億円(前中間期比2,209億円、10.7%減)、費用は1,875億円(同1,857億円、49.7%減)となり、資金運用益は、1兆6,551億円(同353億円、2.1%減)と5年連続の減益となり、前中間期の減益幅を上回った。
     国内業務部門をみると、収益は金利水準の低下を主因に貸出金利息、有価証券利息配当金等が減少し、全体では減少となった。一方、費用は金利水準の低下等から預金利息、譲渡性預金利息等が減少した結果、全体では減少となった。このように収益、費用とも減少したが、前者の減少額が後者のそれを上回ったため、資金運用益は減益となった。
     国際業務部門をみると、収益は金利水準の低下から貸出金利息、コールローン利息等が減少し、全体では減少となった。一方、費用は金利水準の低下から預金利息、コールマネー利息等が減少した結果、全体では減少となった。このように収益、費用とも減少したが、後者の減少額が前者のそれを上回ったため、資金運用益は増益となった。
  2. 役務取引等収益・費用をみると、その他の役務収益等が増加したことから収益超過額は1,745億円(前中間期比76億円、4.6%増)となった。
  3. 特定取引収益・費用をみると、収益超過額は30億円(前中間期比14億円、86.0%増)となった。
  4. その他業務収益・費用をみると、国債等債券売却益が減少したことを主因に国債等債券関係損益の収益超過額が減少したこと等から、その他業務収益・費用全体の収益超過額は631億円(前中間期比78億円、11.0%減)となった。
  5. その他経常収益・費用をみると、一般貸倒引当金繰入額が大幅に増加した(繰入額1,199億円、前中間期比667億円、125.4%増)ものの、株式等関係損益の損失超過幅の縮小、個別貸倒引当金繰入額、貸出金償却の減少等により、その他経常収益・費用全体では、損失超過額が前中間期の8,754億円から、6,740億円へ縮小した。
  6. 営業経費は、人件費、物件費ともに減少したことから、1兆2,259億円(前中間期比371億円、2.9%減)となった。
  7. 以上の結果、経常利益は、26億円の赤字となったが、前中間期(2,065億円の赤字)に比べ赤字幅が大幅に縮小した(増益33行、黒字転換8行、減益15行、経常損失8行)。また、中間利益は、84億円の黒字と、前中間期の赤字(2,559億円の赤字)から黒字に転じた(増益35行、黒字転換11行、減益11行、中間損失7行)。
  8. 参考までにみると、業務純益は、5,871億円(前中間期比480億円、7.6%減)の減益となった。国内業務粗利益は、1兆8,103億円(同604億円、3.2%減)、国際業務粗利益は、877億円(同255億円、41.0%増)となった。また、国内業務部門の総資金利鞘は、同0.02%ポイント改善して0.43%となった。
    リスク管理債権の残高についてみると、破綻先債権額は銀行勘定で1兆582億円(前期末比300億円、2.9%増)、信託勘定で12億円(同0.5億円、4.1%増)、延滞債権額は銀行勘定で5兆9,593億円(同671億円、1.1%増)、信託勘定で170億円(同14億円、7.4%減)、3ヵ月以上延滞債権額は銀行勘定で1,270億円(同63億円、5.2%増)、信託勘定で1億円(同0.04億円、3.1%増)、貸出条件緩和債権額は銀行勘定で3兆6,310億円(同2,103億円、6.1%増)、信託勘定で54億円(同8億円、12.6%減)であった。以上の結果、リスク管理債権額は、銀行勘定で10兆7,756億円(同3,137億円、3.0%増)、信託勘定で238億円(同21億円、8.1%減)となった(信託勘定については、元本補填契約のある信託勘定の計数)。
    なお、金融再生法に基づき開示が義務付けられている資産査定の各区分の内容は、それぞれ破産更生債権は2兆7,331億円(前期末比128億円、0.5%減)、危険債権は4兆6,538億円(同208億円、0.4%増)、要管理債権は3兆6,443億円(同2,581億円、7.6%増)、正常債権は126兆4,966億円(同2兆9,530億円、2.3%減)となった(信託勘定の計数を除く)。