1.金融情勢

平成16年度の金融・資本市場をみると、日本銀行が量的緩和政策を継続し潤沢な資金供給を行い、日銀当座預金残高が30兆から35兆円という高水準で推移したことから、短期金利(無担保コールレート、オーバーナイト物)は期中を通じてゼロ%程度と極めて低い水準で推移した。

一方、長期金利(10年物国債流通利回り)をみると、7月には景気回復期待等から一時1.8%台となったが、その後は景気減速懸念などから弱含み1.4%前後で推移し、年度末には1.3%台となった。マネーサプライ(M2+CD)は、前年同月比概ね2%前後で推移した。

株価(日経平均株価)は年度当初から景気の回復や企業収益の改善等を背景に上昇し、4月下旬には12,000円を超えて年初来高値を更新したが、原油価格をはじめとする国際商品市況の上昇、米国および中国の金融引締め観測の高まり等が下落要因となり、5月半ばには1万500円台に急落した。その後、7月にかけて上昇し11,800円台を回復したものの再び下落したが、堅調に推移し、年度末の株価は1万1,688円95銭となった。

外国為替相場(東京市場)は、年度前半は、1ドル=110円前後で安定的に推移していたが、10月以降、米国における財政収支・経常収支の赤字拡大による「双子の赤字」問題が再びクローズアップされ、ドルが他の通貨に対して弱含み、円高となった。この結果、年度末の為替相場は1ドル=106円97銭となった。

図1 国内主要金利の推移

図2 海外主要金利等の推移

2.銀行の経営統合等の動き

平成16年度中に見られた経営統合等の動きは以下のとおりである。

[1] 広島総合銀行・せとうち銀行の合併
平成16年5月1日、広島総合銀行とせとうち銀行が合併し、「もみじ銀行」が発足した。
[2] ほくほくフィナンシャルグループの発足
平成16年9月1日、北海道銀行は株式交換によりほくぎんフィナンシャルグループの完全子会社となった。また、同日、ほくぎんフィナンシャルグループは商号を「ほくほくフィナンシャルグループ」に変更した。
[3] 西日本銀行・福岡シティ銀行の合併
平成16年10月1日、西日本銀行と福岡シティ銀行が合併し、「西日本シティ銀行」が発足した。

担当:小暮