1.金融情勢

平成17年度の金融・資本市場を見ると、日本銀行の量的緩和政策により、日銀当座預金残高が概ね30~35兆円という高水準で推移したことや、3月9日の量的緩和政策の解除後も、日本銀行が無担保コールレート(オーバーナイト物)を概ねゼロ%で推移するよう促すとしたことから、短期金利は、期中を通じてゼロ%程度で推移した。長期金利(10年物国債利回り)は、上期には米欧の長期金利低下などを受けて1.1%台まで低下したが、下期は、米国金利の上昇や国内経済指標が堅調であること、また日本銀行が量的緩和政策を解除したことなどを受け、年度末には1.7%台後半まで上昇した。こうしたなか、マネーサプライ(M2+CD)の増加率は、前年同月比、1%台半ばから2%程度の間で推移した。

株価(日経平均)は、上期に米国株価の軟調などから下落し、一時11,000円を割り込んだものの、景気回復の高まりなどを背景に上昇を続け、1月末には16,000円台後半に達した。その後、一時下落したものの、景気回復の堅調さが再確認され再び上昇に転じ、年度末には、1万7,059円66銭となった。

外国為替相場は、期初に中国人民元の切上げ観測の高まりなどから一時104円台まで上昇したものの、日米の金利差拡大や米国経済の予想を上回る堅調さなどを背景に、ドル高・円安となった。この結果、年度末の為替相場は1ドル=117円47銭となった。

図1 国内主要金利の推移

図2 海外主要金利等の推移

2.銀行の経営統合等の動き

平成17年度中に見られた経営統合等の動きは以下のとおりである。

[1] 三菱信託銀行とUFJ信託銀行の合併
平成17年10月1日、三菱信託銀行とUFJ信託銀行が合併し、「三菱UFJ信託銀行」が発足した。
[2] きらやかホールディングスの発足
平成17年10月3日、殖産銀行および山形しあわせ銀行は、株式移転により「きらやかホールディングス」を設立した。
[3] 東京三菱銀行とUFJ銀行の合併
平成18年1月1日、東京三菱銀行とUFJ銀行が合併し、「三菱東京UFJ銀行」が発足した。
[4] りそな銀行と奈良銀行の合併
平成18年1月1日、りそな銀行と奈良銀行が合併し、「りそな銀行」となった。
[5] 紀陽ホールディングスの発足
平成18年2月1日、紀陽銀行および和歌山銀行は、株式移転により「紀陽ホールディングス」を設立した。

担当:小暮